短期滞在ビザで親族を日本に呼ぶ方法|必要書類と注意点【完全ガイド】

日本で暮らす家族が、海外に住む親族を短期間だけ呼びたい場合に利用されるのが「短期滞在ビザ(短期滞在査証)」です。本記事では、短期滞在ビザを使って親族を日本に呼ぶ方法、必要書類、申請手続き、注意点を詳しく解説します。これから申請を考えている方に向け、実務的なポイントも含めて整理しています。


1. 短期滞在ビザとは

短期滞在ビザは、日本に90日以内の観光、親族訪問、商用目的などで滞在する外国人向けの在留資格です。

  • 在留期間:原則15日、30日、または90日
  • 主な目的:観光、親族訪問、会議・商談
  • 許可される活動:就労は禁止

参考: 外務省 |査証(ビザ)


2. 親族を短期滞在ビザで呼ぶケース

短期滞在ビザは、以下のような親族訪問ケースで利用されます。

  • 日本に住む子どもや孫の訪問
  • 高齢の親を日本の自宅に一時滞在させたい
  • 結婚式・葬儀など家族イベントへの参加

ただし、定住者や永住者のように長期滞在はできません。短期滞在ビザはあくまで「一時的な訪問用」です。


3. 短期滞在ビザの申請条件

親族訪問目的の場合、申請条件は以下の通りです。

  1. 訪日目的が明確であること
    親族訪問やイベント参加など、理由が明確である必要があります。
  2. 滞在期間が短期であること
    原則15日〜90日。長期滞在は認められません。
  3. 十分な資金があること
    滞在中の生活費・旅費を本人または呼出人が負担できること。
  4. 帰国意思があること
    ビザ審査では「滞在後に母国に帰る意思」が重要視されます。

4. 必要書類一覧

親族を呼ぶ場合の典型的な提出書類は以下の通りです。

(1)申請者本人(日本に住む呼出人)

  • 身元保証書:訪日中の生活費・行動を保証
  • 住民票:最新のもの
  • 在留カードのコピー:外国籍の場合は在留資格を証明
  • 所得証明・課税証明書:生活能力を証明

(2)訪日する親族

  • パスポート:有効期限が十分にあること
  • 短期滞在ビザ申請書:外務省所定の書式
  • 写真:申請書貼付用(縦4.5cm×横4.5cm)
  • 滞在計画書・招へい理由書:訪日目的・日程・滞在場所を詳細に記載
  • 身元保証書(日本側から提出)
  • 戸籍謄本:親族関係を証明

※国や在外公館によって追加書類が求められる場合があります。


5. 招へい理由書・身元保証書の書き方

招へい理由書

  • 訪日目的を明確に記載
  • 滞在期間、滞在場所、同行者情報も記入
  • 「観光」「親族訪問」など具体的なイベント名を記入

身元保証書

  • 日本滞在中の生活費・医療費を保証
  • 緊急時の対応方法を記載
  • 署名・捺印必須

6. 申請手続きの流れ

  1. 書類準備
    必要書類を整理し、記入漏れがないか確認
  2. 在外公館で申請
    日本大使館・領事館にて申請
  3. 審査期間
    通常5〜10営業日(ケースによって長引く場合あり)
  4. ビザ交付
    許可されるとパスポートにビザが貼付されます
  5. 入国
    空港で入国審査を受け、短期滞在ビザで入国

7. 審査のポイントと注意点

  • 親族関係の明確化:戸籍謄本などで証明
  • 滞在費用の裏付け:所得証明・課税証明書の提出
  • 滞在計画の具体性:曖昧な日程や目的は不許可の原因
  • 過去の入国履歴:過去に不法滞在歴がある場合、審査に影響

注意点

  • 短期滞在ビザで就労は禁止
  • 長期滞在や別の目的での滞在は不可
  • 偽造書類の提出は厳重な罰則対象

8. よくある質問(Q&A)

Q1. 親族の配偶者も呼べますか?
A1. 配偶者も親族の範囲に含まれます。詳細は在外公館に確認してください。

Q2. 滞在延長はできますか?
A2. 原則できません。例外として、人道上やむを得ない事由がある場合には更新が許可されます。

Q3. 招へい理由書は日本語でなくても良いですか?
A3. 原則として、日本語で書くことが推奨されます。

Q4. ビザが不許可になった場合、再申請は可能ですか?
A4. 可能ですが、6か月間は同じ目的を理由として再申請することはできません。


9. まとめ

短期滞在ビザで親族を日本に呼ぶ際は、以下が重要です。

  • 滞在目的を明確にする
  • 必要書類を正確に準備
  • 招へい理由書・身元保証書を丁寧に作成
  • 審査に備え、過去の滞在歴や資金状況を整理

短期滞在ビザはあくまで一時的な訪問を目的としたビザであり、長期滞在や就労には利用できません。適切な書類準備と正確な情報提供が許可のカギです。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法