在留期間更新中は必ず日本にいなければならない?【不許可リスクも解説】

1,在留期間更新申請とは

在留資格を持つ外国人が日本に滞在を継続するためには、在留カードに記載されている**在留期間の満了日までに「在留期間更新許可申請」**を行う必要があります。

この手続きは入管法に基づき、法務省出入国在留管理庁(入管)が審査します。
更新許可が下りなければ、在留資格が失効し、不法滞在となってしまうため、期限管理は非常に重要です。

参考:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」


2,申請中に日本に在留する必要がある理由

在留期間更新申請を行った場合、その結果が出るまでは**「みなし在留資格」**として現在の在留資格と同一の資格で日本に滞在できます。

つまり、申請が受理された日から許可・不許可の決定が出る日まで、日本に合法的に滞在できる状態です。

逆に言えば、この期間中に日本を離れてしまうと、更新審査に影響が出たり、不許可となるリスクが高まります。そのため、原則として更新申請中は日本に在留し続けることが必要です。


3,申請中に出国してもよいのか?

結論から言えば、短期の出国であっても注意が必要です。

  • 再入国許可(またはみなし再入国許可)があれば、出国自体は可能
  • しかし、更新審査中に長期不在になると「日本での生活実態がない」と判断される可能性あり
  • 更新申請中に帰国し、結果が出る前に在留期限が切れると、日本に戻れないリスクあり

したがって、どうしても出国が必要な場合は、再入国許可を取得し、かつ不在期間を最小限にすることが望ましいです。


4,「みなし在留資格」とは何か?

出入国管理及び難民認定法第21条に基づき、在留期間更新許可申請をした場合、審査結果が出るまで従前と同一の在留資格・在留期間で滞在できる制度です。

例えば、在留期間が2025年10月末までの方が10月上旬に更新申請した場合、結果が11月に出ても、その間は引き続き就労や生活を継続可能です。


5,在留期間更新と再入国許可の関係

在留期間更新申請中に出国する場合、以下の手続きを確認してください。

  • みなし再入国許可制度:在留カードを持ち、出国1年以内に戻る予定であれば、特別な手続きなしで再入国可能
  • 通常の再入国許可:1年以上の不在予定や特別な事情がある場合は事前申請が必要

ただし、更新申請中に出国し長期間不在にすると、更新が不許可となる可能性が高まるため、極力避けるのが安全です。


6,不許可になった場合のリスク

もし在留期間更新が不許可となった場合、申請中の「みなし在留資格」も終了します。

その場合:

  • 不許可通知を受けた日から30日以内に出国しなければならない
  • 不許可理由によっては再申請が可能
  • 会社勤務中の場合、雇用契約に影響が出る場合あり

7,在留期間更新でよくあるトラブルと注意点

  • 期限ぎりぎりで申請 → 書類不備があると不法滞在になるリスク
  • 更新中に出国し、その間に在留期限が切れる → 日本に戻れない
  • 収入や納税記録に問題があり不許可 → 再申請に時間と費用がかかる

8,在留期間更新申請中の生活・仕事への影響

  • 就労資格の場合:更新中も就労は継続可能(みなし在留資格による保障)
  • 留学ビザの場合:学校に引き続き通学可能
  • 配偶者ビザの場合:配偶者としての活動も継続可能

ただし、在留カード更新が間に合わない場合、日常生活での身分証明に支障が出ることがあります。


9,専門家に相談すべきケース

以下のケースでは、入管専門の行政書士や弁護士への相談が推奨されます。

  • 更新申請中にどうしても出国が必要な場合
  • 過去に違反歴がある場合(オーバーステイ、納税遅延など)
  • 離婚・転職・会社倒産など在留資格に影響がある場合
  • 永住や帰化への切り替えを視野に入れている場合

10,Q&A:在留期間更新に関するよくある質問

Q1:申請中にパスポートの有効期限が切れそうですが問題ありませんか?
→ パスポートが失効すると更新手続きに影響します。必ず更新してください。

Q2:在留期間更新申請中に会社を辞めても大丈夫ですか?
→ 就労ビザの場合、転職先が決まらないと更新が難しくなります。早めの相談が必要です。

Q3:更新申請は在留期限のどのくらい前からできますか?
→ 原則、満了日の3か月前から可能です。余裕をもって申請するのが安全です。

Q4:更新申請中に日本を出国して再入国できますか?
→ 再入国許可があれば可能ですが、長期不在は不許可リスクがあります。


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12,まとめ

在留期間更新申請中は、日本に在留し続けることが原則です。
審査中に出国することは可能ですが、長期不在は「生活実態なし」と判断され、不許可リスクが高まります。

ポイント整理

  • 「みなし在留資格」により審査中も滞在・就労は可能
  • 出国するなら再入国許可を確認し、不在期間は最小限に
  • 不許可になると即時に在留資格を失うため注意が必要

在留資格は外国人にとって生活・仕事の基盤です。更新手続きは余裕を持って行い、必要に応じて専門家に相談することで、安心して日本での生活を続けることができます。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法