帰化申請に貯金額は必要?影響するケースと審査基準を徹底解説
目次
1.帰化申請に貯金額は影響するのか?
結論から言えば、帰化申請では貯金額そのものが直接的に合否を決める要素ではありません。
審査で最も重視されるのは、申請人が「安定的かつ継続的に日本で生活できるかどうか」という点です。
ただし、一定の貯金があることは、生活基盤の安定性を補強する材料となり、特に以下の場合にプラスに作用します。
- 収入が一時的に少ない時期がある場合
- 個人事業主やフリーランスで収入が変動する場合
- 家族を扶養しており支出が多い場合
2.帰化申請で必要となる提出書類(預金通帳のコピーは必要?)
帰化申請では、申請人および同居家族全員分の預金通帳のコピーの提出を求められることが一般的です。
提出書類例:
- 預金通帳のコピー(過去1年~2年分)
- 源泉徴収票
- 課税証明書・納税証明書
- 給与明細(会社員の場合)
- 確定申告書(個人事業主の場合)
つまり、法務局は「収入」と「貯金」を総合的にチェックして、生活の安定度を審査しています。
3.貯金額が審査に影響するケース
影響する可能性が高い場合
- 直近の収入が少なく、生活維持に不安があるケース
- 個人事業主で収入が安定しないケース
- 高齢で今後の収入見込みが少ないケース
このような場合、十分な貯金額があると「生活に困窮しない」と判断されやすくなります。
影響が限定的な場合
- 正社員として安定した給与を得ているケース
- 税金・社会保険をきちんと納めているケース
この場合、貯金額が少なくても帰化申請には大きな影響はありません。
4.独立生計要件と貯金の関係
帰化許可要件のひとつに「独立生計要件」があります。
これは、自分自身および家族を扶養しながら安定的に生活できる経済力があるかを判断する基準です。
ここでチェックされるのは主に以下です:
- 年収の額(目安は300万円以上/扶養家族が多い場合は加算)
- 就労形態(正社員・契約社員・事業経営など)
- 貯金や資産の有無
つまり、貯金はあくまで補足的な評価材料であり、収入が中心的に審査されます。
5.収入と貯金、どちらが重視されるのか?
- 収入 > 貯金
が基本的な考え方です。
毎月の安定収入があれば、多少貯金が少なくても生活の安定性は認められます。
逆に、収入が不安定であっても、数百万円以上の貯金があれば申請の補強材料になります。
6.ケース別のポイント解説
(1)安定した給与収入がある場合
→ 貯金が少なくても問題なし。ただし通帳残高が常に数千円しかない場合は印象が悪いため注意。
(2)収入が少ないが貯金が多い場合
→ 収入が年収200万円台でも、貯金が1,000万円以上あれば補える可能性あり。
(3)家族がいる場合の審査
→ 扶養家族が多い場合は、年収+貯金の両方がチェックされる。世帯全体の資産状況も重要。
7.帰化申請と税金・社会保険の支払い状況
貯金額以上に重視されるのが、税金・年金・健康保険の納付状況です。
過去5年間の滞納歴があると、帰化申請は不許可になるリスクが高まります。
8.帰化申請における貯金の「見せ方」と注意点
- 預金通帳は複数年分を提出
- 定期預金や積立があればプラス材料
- 急に大金を入金した場合は説明を求められることがある
特に「見せ金(短期間だけ借りて預け入れる行為)」は不自然と判断され、逆効果になります。
9.よくある質問(Q&A)
Q1:帰化申請で貯金は最低いくら必要ですか?
A:明確な基準はなく、年収や家族構成によって異なります。一般的には数十万円でも問題ありません。
Q2:現金で持っているお金は証明できますか?
A:原則できません。金融機関に預けている資産として通帳で示す必要があります。
Q3:借金があると不利ですか?
A:返済能力があれば即不許可にはなりません。ただし多額の借金は生活の安定性を疑われます。
10.専門家に相談すべきケース
- 収入が少なく不安がある
- 自営業で収入に波がある
- 家族が多く扶養にかかる負担が大きい
こうした場合は、行政書士などの専門家に相談し、貯金や資産をどう示すべきか戦略を立てることをおすすめします。
11.まとめ
- 帰化申請において、貯金額は直接的な審査基準ではない
- 最も重視されるのは「安定収入」と「税金・社会保険の納付状況」
- ただし、収入が不安定な場合は「十分な貯金額」が生活の安定性を補強する材料になる
- 貯金を「見せ金」で作るのは逆効果
- 不安がある場合は専門家に相談するのが安心
帰化申請を成功させるには、収入と貯金を総合的に整え、安定した生活基盤を示すことが大切です。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |