帰化申請の面接で聞かれること|質問内容・準備方法を徹底解説【完全ガイド】

はじめに

日本に長期間暮らしている外国人の中には、日本国籍を取得するために「帰化申請」を検討する方が増えています。帰化申請には多くの書類提出や厳格な審査が必要ですが、その中でも大きなポイントとなるのが 「面接」 です。
本記事では、帰化申請の面接で聞かれる具体的な質問内容や準備のポイントを詳しく解説します。さらに、実際に不許可とならないための注意点も紹介します。


1.帰化申請に面接は必ずあるのか?

帰化申請は法務局に必要書類を提出した後、必ず 担当官との面接 が行われます。これは「形式的な儀式」ではなく、提出書類の裏付けや申請人の誠実性を確認する重要なプロセスです。

面接は申請人本人だけでなく、配偶者や同居家族にも実施される場合があります。特に結婚を理由とした帰化申請では、夫婦関係の実態を確認するために配偶者への質問も行われます。


2.面接の流れと所要時間

  • 通知方法:書類審査が進んだ段階で、法務局の担当官から電話または郵送で面接日程の連絡が来ます。
  • 所要時間:申請人本人の面接はおおよそ1〜2時間。配偶者や家族も面接する場合はさらに時間が延びることもあります。
  • 実施場所:基本的に申請を行った法務局で行われます。

3.帰化申請の面接でよく聞かれる質問内容

(1)身分・家族関係

  • 本名、生年月日、出生地
  • 両親や兄弟姉妹の情報(名前・国籍・職業)
  • 配偶者や子どもの有無、同居状況

書類で申告した内容と一致しているかを確認するために聞かれます。


(2)学歴・職歴・現在の仕事

  • 出身校や卒業年
  • 日本での就職歴、現在の勤務先
  • 仕事内容や役職、勤務年数

職歴の空白や不自然な転職回数については詳細を確認されます。


(3)収入・納税・社会保険加入状況

  • 年収や給与形態(正社員・契約社員・自営業)
  • 所得税や住民税を納めているか
  • 健康保険や年金に加入しているか

納税・社会保険の滞納は不許可につながる大きなリスクです。


(4)生活実態と地域社会とのつながり

  • 現住所での居住年数
  • 近隣住民や地域活動への参加状況
  • 日本人の友人や知人との交流

日本社会への定着度を確認するための質問です。


(5)日本語能力の確認

  • 日本語で日常会話ができるか
  • 簡単な読み書き(住所・名前・数字など)ができるか
  • 子どもの学校への対応、日本人とのコミュニケーション状況

面接官が直接会話を通じて判断します。


(6)日本への帰化の理由

  • なぜ日本国籍を取得したいのか
  • 今後日本でどのように生活していきたいか
  • 母国との関わりをどう考えているか

単に「便利だから」ではなく、将来設計や家族との生活を踏まえた理由が求められます。


(7)家族や配偶者への質問

  • 夫婦の馴れ初めや結婚生活の状況
  • 配偶者の家族との関係
  • 子どもの教育方針

偽装結婚防止の観点から、かなり具体的に質問されます。


4.面接で確認される書類との整合性

面接での回答は、提出した以下の書類と照らし合わせて確認されます。

  • 履歴書
  • 親族関係図
  • 収入証明(源泉徴収票・課税証明書)
  • 納税証明書
  • 在職証明書
  • 学歴証明書

書類と食い違う発言があると「虚偽申告」とみなされ、帰化が不許可となる可能性があります。


5.面接での注意点・よくある失敗例

  • 記憶が曖昧で回答が一貫しない
  • 配偶者と申請人の回答内容が食い違う
  • 日本語での会話が成立しない
  • 納税や年金の未納を隠そうとする
  • 面接態度が不誠実(曖昧・無表情・協力的でない)

面接は「試験」ではなく「確認の場」ですが、誠実に答える姿勢が最も重要です。


6.帰化申請面接に向けた準備方法

  • 提出した書類の内容をしっかり確認しておく
  • 家族とも情報を共有し、回答に一貫性を持たせる
  • 日本語で日常会話ができるよう練習する
  • 日本での生活や将来の希望を自分の言葉で話せるようにする

7.帰化申請面接Q&A

Q1. 面接では正しい日本語を話せないと不許可になりますか?
A. 日常会話レベルの日本語力が求められます。通訳は基本的に認められません。

Q2. 配偶者も必ず面接に呼ばれますか?
A. ケースによりますが、帰化申請では配偶者の面接も高い確率で行われます。

Q3. 納税の遅れがあると面接で不利ですか?
A. はい。滞納がある場合は正直に説明し、完納してから申請することが望ましいです。

Q4. 面接で嘘をついたらどうなりますか?
A. 発覚すれば不許可となり、今後の再申請にも大きな悪影響があります。


8.まとめ

帰化申請の面接は、書類の内容が事実であるかを確認し、申請人が日本社会に適応しているかを判断するための重要なステップです。質問内容は生活状況や収入、家族関係、日本語能力など多岐にわたりますが、最も大切なのは「誠実さ」と「一貫性」です。

帰化申請を確実に進めたい方は、専門の行政書士に相談することで不安を大きく減らすことができます。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法