外国人材を採用する企業必見!雇用の注意点とコンプライアンス対応ガイド

はじめに

日本における労働力不足を背景に、外国人材の雇用は年々増加しています。特に 特定技能ビザや技術・人文知識・国際業務ビザ、特定技能ビザ などを持つ外国人が、さまざまな業種で活躍しています。
しかし、外国人を雇用する場合は、日本人を雇うのとは異なる 法的ルールや手続き上の注意点 が数多く存在します。誤った対応をすると、不法就労助長罪などの罰則を受けるリスクもあるため、正しい知識を持つことが重要です。

本記事では、外国人雇用における主要な注意点を 法令・実務の観点から徹底解説 します。


外国人雇用に関する法的枠組み

外国人を雇用する場合、まず理解しておくべきは 「在留資格制度」 です。日本に在留する外国人は、それぞれに許可された「在留資格」に応じて活動範囲が決まっています。

主な在留資格の種類と就労可否

  • 就労系ビザ(例:技術・人文知識・国際業務、高度専門職、特定技能)
     → 許可された業務範囲内で就労可能。
  • 身分系ビザ(例:日本人の配偶者、永住者、定住者)
     → 就労制限なし、原則どんな仕事でも可能。
  • 留学ビザ・家族滞在ビザ
     → 原則就労不可だが、資格外活動許可があれば週28時間まで就労可能。

関連記事:在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国ビザ)」とは?専門性・要件・注意点をわかりやすく解説

参考リンク:出入国在留管理庁|在留資格一覧表


外国人を雇用する際の主要な注意点

1. 在留資格の確認

雇用前に必ず 在留カード を確認し、就労可否をチェックすることが必須です。

  • 在留資格の種類
  • 在留期限
  • 就労制限の有無

万が一、就労不可の在留資格を持つ外国人を雇用した場合、会社や経営者は 不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金) に問われる可能性があります。

2. 入管への届出義務

外国人を雇用または離職させた場合、企業には ハローワークへの雇用状況届出義務 があります。

  • 提出先:公共職業安定所(ハローワーク)
  • 提出期限:雇入れ・離職から 翌月の末日まで

参考リンク:厚生労働省|外国人雇用状況の届出

3. 労働条件の整備

外国人だからといって、日本人と異なる労働条件で雇用することはできません。

  • 労働基準法や最低賃金法は 外国人にも平等に適用
  • 労働契約書は 母国語での翻訳を添付 するとトラブル防止になる

4. 社会保険・税金の手続き

外国人従業員も日本人と同様に、条件を満たせば 健康保険・厚生年金・雇用保険 に加入させる義務があります。
また、所得税・住民税も課税されるため、給与計算においても適切な対応が必要です。

5. 文化・言語の違いへの配慮

外国人雇用では、法令遵守だけでなく 職場環境づくり も重要です。

  • 日本語教育や研修の提供
  • 宗教・食文化への配慮
  • メンタルヘルスや生活支援

不法就労防止のポイント

  • 在留カードの偽造確認 → 入管庁の「在留カード等番号失効情報照会サイト」でチェック可能
  • 更新時期の管理 → 在留期間の満了前に更新を促す
  • 雇用契約書の明示 → 日本語+母国語で作成

参考リンク:出入国在留管理庁|在留カード等番号失効情報照会


外国人雇用のメリットとリスク

メリット

  • グローバルな人材確保
  • 職場の多様性向上
  • 海外展開やインバウンド対応力の強化

リスク

  • 法令違反による企業イメージ低下
  • 言語・文化差による労務トラブル
  • 更新手続きの煩雑さ

実務でよくあるトラブル事例

  1. 留学生を資格外活動許可なしでフルタイム雇用 → 不法就労
  2. 在留期限切れを見落としていた → 不法滞在

Q&A:外国人雇用のよくある質問

Q1. 外国人をアルバイトで雇うときも届出が必要ですか?

→ はい。雇用形態に関わらず、外国人を雇用した場合はハローワークへの届出義務があります。

Q2. 在留カードのコピーを取っておけば安心ですか?

→ コピーだけでは不十分です。実物を確認し、必要に応じて 入管庁サイトで有効性を確認 しましょう。


まとめ

外国人を雇用する際は、在留資格の確認・届出義務・労働条件の整備 が基本です。
特に入管法や労基法の違反は企業に大きなリスクをもたらすため、正確な知識と実務対応が不可欠です。

外国人雇用はリスクもありますが、適切に管理すれば企業の成長につながります。
「雇用管理+文化理解」の両面で体制を整えることが、外国人材活用の成功のカギといえるでしょう。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法