シンガポール人との国際結婚はどうすれば良いですか?
目次
1,婚姻手続は日本とシンガポールの両国でする必要がありますか?
(1)両国での婚姻が必要
配偶者ビザは、日本国法及びシンガポール家族法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とシンガポール人が国際結婚をする為には、日本国民法及びシンガポール家族法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。
(2)両国の婚姻年齢など
シンガポールの婚姻年齢は、イスラム教徒と非イスラム教徒で異なってきます。イスラム教徒の場合は、男女ともに婚姻年齢を18歳以上と定めています。もっとも、女性の場合は、思春期に足している場合は、特例として婚姻が認められています。非イスラム教徒の場合は、原則として男女ともに婚姻年齢を21歳以上と定めています。もっとも両親の同意がある場合には、18歳以上21歳以下の婚姻が認められています。
日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。よって、非イスラム教徒のシンガポール人が21歳以下の場合は、18歳に達していない場合は、日本民法に基づく婚姻は可能ですが、シンガポール家族法に基づく婚姻は認められません。
シンガポールでは、女性のイスラム教徒のみ再婚禁止期間(離婚後3か月、夫の死後4か月)が定められています。なお、非イスラム教徒には再婚禁止期間は定められていません。日本民法は、女性の再婚禁止期間を廃止しています。
(3)どちらの国で先に婚姻すべきか
日本の婚姻手続とシンガポール婚姻手続のどちらを先に行うべきか、は申請人がどちらの国に在住しているかによって異なります。シンガポール人が既に何らかの中長期の在留資格をもって、日本に在留しているのであれば、先に日本での婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。日本の婚姻手続を済ませることによって、両国の婚姻手続を済ませたことになります。逆に日本人がシンガポールに在住しているのであれば、先にシンガポールで婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。手続きの容易さでいえば、先に日本で婚姻を済ませるほうが圧倒的に楽です。
2,先に日本で結婚する場合はどうしますか?
先に日本で婚姻手続を行う場合は、以下のような流れになります。
手順1 シンガポール人の「宣誓書」と「出生証明書」の取得
シンガポールでは婚姻要件具備証明書を発行していません。これに代わるものとして「宣誓書」と「出生証明書」を取得します。宣誓書と出生証明書は駐日シンガポール大使館で取得することができます。
「必要書類」
・Marriage Search Result(結婚登録所(Registry of Marriages、ROM)またはイスラム教婚姻登録所(Registry of Muslim Marriages、ROMM)発行)
・パスポート
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手順2 日本の婚姻手続
シンガポール人の「宣誓書」および「出生証明書」を取得したら、日本の市区町村役場で婚姻届を行います。シンガポールの場合は、日本での婚姻手続が完了したらシンガポールへの報告的届出は不要とされています。日本での婚姻手続が完了した時点でシンガポールにおいても婚姻したものと見なされます。
「日本人の必要書類」
・婚姻届 ・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど写真付きのもの) ・戸籍謄本 ・証人2人からの署名 ※離婚歴がある場合は離婚証明書 |
「スウェーデン人の必要書類」
・宣誓書(日本語翻訳付き) ・出生証明書(日本語翻訳付き) ・パスポート ・在留カード(ある場合) ※離婚歴がある場合は離婚証明書(日本語翻訳付き) |
3,先にシンガポールで結婚する場合はどうしますか?
先にシンガポールで婚姻手続を行う場合は、シンガポール人がイスラム教とか非イスラム教徒かによって手続きが異なります。以下、各々検討します。
(1)非イスラム教徒のシンガポール人の場合
手順1 日本人の婚姻要件具備証明書の取得
まずは、日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。婚姻要件具備証明書は在シンガポール日本国大使館又は日本の法務局で取得できます。
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手順2 結婚通知書の提出
シンガポール結婚登録所の婚姻登録官に対して、婚姻当事者が結婚通知書を提出します。シンガポール婚姻登録所で提出書類の確認や法定の宣誓が行われたら、婚姻登録官が婚姻許可書を発行します
「日本人の必要書類」
・日本人のパスポート ・婚姻要件具備証明書(訳文付き) |
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手順3 婚姻挙式の挙行と婚姻証明書の取得
婚姻挙式の挙行は、「婚姻通知書の提出から21日経過後」かつ「3か月を超えない日」に行う必要があります。挙式後に、婚姻登録官が婚姻の登録を行います。婚姻の登録が行われると、婚姻証明書が発行されます。
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手順4 日本の婚姻手続
シンガポールの婚姻手続が完了したら、在シンガポール日本国大使館又は日本の市区町村役場で婚姻届を行います。日本の婚姻手続は、シンガポールの婚姻手続が完了した後3か月以内に行う必要があります。
「必要書類」
・婚姻届 ・日本人の戸籍謄(抄)本 ・婚姻証明書(日本語訳文付き) ・外国人の婚姻時の国籍を証明する書面(日本語訳文付き) ・婚姻当事者双方のパスポートの写し 各1通 |
(2)イスラム教徒のシンガポール人の場合
手順1 日本人の婚姻要件具備証明書の取得
まずは、日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。婚姻要件具備証明書は在シンガポール日本国大使館又は日本の法務局で取得できます。
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手順2 婚姻登録申請
イスラム教結婚登録所の婚姻登録官に対して、婚姻登録申請します。婚姻当事者及び婚姻する女性の父親又は男性親族による登録の確認が行われます。
「日本人の必要書類」
・日本人のパスポート ・婚姻要件具備証明書(訳文付き) |
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手順3 婚姻挙式の挙行と婚姻証明書の取得
婚姻挙式の挙行は、「婚姻登録から7日経過後」かつ「150日以内」に行う必要があります。婚姻には、イスラム法及びムスリム法施行法の要件を全て満たしている必要があります。婚姻の登録が行われると、婚姻証明書が発行されます。
↓
手順4 日本の婚姻手続
シンガポールの婚姻手続が完了したら、在シンガポール日本国大使館又は日本の市区町村役場で婚姻届を行います。日本の婚姻手続は、シンガポールの婚姻手続が完了した後3か月以内に行う必要があります。
「必要書類」
・婚姻届 ・日本人の戸籍謄(抄)本 ・婚姻証明書(日本語訳文付き) ・外国人の婚姻時の国籍を証明する書面(日本語訳文付き) ・婚姻当事者双方のパスポートの写し 各1通 |
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |