永住権と在留カード更新の違い|失効防止の注意点

はじめに

日本での長期滞在を希望する外国人にとって、「永住権」と「在留カード」の意味と役割を正しく理解することは非常に重要です。
特に永住権保持者でも在留カードの更新義務があり、更新を怠ると「永住資格の失効」につながる場合もあります。この記事では、永住権と在留カード更新の違い、関連する法的義務、そして失効を防ぐための注意点を詳しく解説します。


1. 永住権とは?

永住権(正式には「永住者」の在留資格)は、日本において無期限に滞在・就労が認められる資格です。

  • 期間制限がないため、更新の必要はありません(永住許可自体は期限なし)。
  • 一定の条件を満たした外国人に対して法務大臣が許可します。
  • 永住権を持つことで、在留資格の変更申請や更新手続きの負担が軽減されます。

【参考】
出入国在留管理庁|永住許可申請


2. 在留カードとは?

在留カードは、外国人が日本での在留資格・在留期間などの情報を示す身分証明書です。

  • 中長期在留者に交付されます。
  • 有効期限があり、期限到来前に更新手続きを行う必要があります。
  • 在留カードの情報が滞在資格の証明となり、日常生活や行政手続きで必要です。

【参考】
出入国在留管理庁|在留カードとは?


3. 永住権保持者の在留カード更新義務

永住権保持者であっても、在留カードは有効期限付きで交付されており、期限が切れる前に更新手続きが義務付けられています。

  • 永住資格は無期限ですが、在留カードは通常7年の有効期限があります。
  • 在留カードの更新を怠ると、在留資格を証明する書類が失効し、不利益を被る恐れがあります。
  • 更新しなければ、最悪の場合、永住資格の失効や強制退去のリスクもあるため注意が必要です。

【ポイント】
永住権と在留カードは別の制度であるため、永住者でも在留カードの更新は必須です。


4. 永住資格の失効事由と注意点

永住資格が失効する主な事由は以下の通りです。

失効事由説明注意点
① 長期間の日本国外滞在通常1年以上連続して日本を離れる場合出国前に「再入国許可」を取得することが重要。
② 偽り・不正取得永住資格申請時に虚偽申告等をした場合発覚すると永住権取り消しの対象となる。
③ 在留カードの更新を怠る在留カードの有効期限切れ放置速やかに更新申請を行う必要がある。
④ 犯罪行為等による資格取消し刑罰を受けるなど法的に問題がある場合法令遵守が必須。

【参考】
出入国在留管理庁|在留資格の取消し(入管法第22条の4)


5. 永住権保持者の在留カード更新手続きの流れ

  1. 在留カードの有効期限確認
  2. 更新申請書の入手・記入(法務省HPや入国管理局窓口で取得可能)
  3. 必要書類の準備
    • 在留カード
    • パスポート
    • 申請書
    • その他状況に応じた書類
  4. 入国管理局での申請
  5. 審査後、更新カードの受け取り

【注意】
在留カード更新は、期限の3ヶ月前から申請可能です。期限切れ後の申請は違反となり、罰則の対象となる可能性があります。


6. まとめ

  • 永住権は無期限の在留資格ですが、在留カードは有効期限があるため、必ず期限内に更新手続きを行いましょう。
  • 更新を怠ると、永住資格の証明ができなくなり、最悪の場合は失効や強制退去のリスクがあります。
  • 長期間日本を離れる場合も、再入国許可の取得などの注意が必要です。
  • 法務省や入国管理局の公式情報を常に確認し、最新の手続きを行うことが安全です。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法