外国人配偶者の子どもに日本の学校教育を受けさせたいときの在留資格とは?必要手続きと注意点を解説


はじめに:連れ子を日本に呼びたいとき

外国人配偶者と結婚した場合、その配偶者に連れ子(前配偶者との間の子ども)がいることは珍しくありません。
その連れ子を日本に呼び、日本の小学校・中学校・高校などで教育を受けさせたいと考える場合、「どの在留資格を取るか」が重要なポイントになります。


必要となる在留資格とは?

連れ子が日本で学校教育を受けるには、適切な在留資格を取得する必要があります。以下のいずれかが一般的です。

① 家族滞在ビザ

⇒ 配偶者が「技術・人文知識・国際業務」や「経営・管理」などの就労ビザを持っている場合に、連れ子に付与されることがあります。

② 定住者ビザ

⇒ 配偶者が「日本人の配偶者」「永住者」「定住者」の場合、連れ子が血縁を理由に定住者として認められるケースがあります。

③ 日本人の配偶者等/永住者の配偶者等ビザ

⇒ ごく限られた条件で、「日本人の子として出生した子」などもありますが、連れ子の場合は対象外がほとんどです。


在留資格「家族滞在」が認められるケース

「家族滞在」は、主に就労ビザを持つ外国人の扶養家族に与えられる在留資格です。

対象となる条件

  • 主たる在留者(親)が就労ビザを保有していること
  • 子どもが18歳未満で、扶養関係が明らかであること
  • 学校に通う意思・計画が明確であること(申請書や理由書に明記)

※ポイント:実子であることが証明できる戸籍や出生証明が必要です。養子の場合は追加の審査があります。


「定住者」ビザが取得できる可能性も

連れ子が「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」との間に生まれた子である場合、定住者ビザが認められることがあります。

典型的なケース

  • 連れ子が配偶者の実子であり、日本人配偶者と一緒に暮らす予定
  • すでに実質的な親子関係(生活実態)がある
  • 教育を受けさせる明確な目的がある

このような場合、「法務省告示定住者(告示外)」として申請が可能です。特別な事情があるときは、行政書士に相談するのが得策です。


連れ子が日本の学校に通える条件

在留資格が認められれば、日本の義務教育(小・中学校)および高校などへの就学は可能です。

必要条件

  • 住民登録ができること
  • 在留資格の期間が就学期間と整合していること
  • 保護者が責任を持って教育費用を負担できること

日本では外国籍でも義務教育が保障されており、就学通知書が届く地域もあります。


申請時に必要な書類とポイント

主な提出書類(例:家族滞在申請の場合)

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • パスポート写し・顔写真
  • 戸籍謄本または出生証明書(翻訳付き)
  • 親の在留カード、就労証明書
  • 子どもの学習計画書(任意)
  • 住民票・世帯全体の情報
  • 理由書(申請の背景と教育目的を記載)

※申請には翻訳文原本証明が必要です。専門家のサポートが推奨されます。


許可までの流れと期間

  1. 書類準備
  2. 入国管理局への提出(オンラインまたは窓口)
  3. 審査(通常1〜3か月程度)
  4. 許可通知・査証の取得
  5. 子どもが日本へ入国し、住民登録・学校手続き

よくある質問と注意点

Q1. 養子でも在留資格は取れますか?

A. 可能ですが、実子に比べて審査は厳しく、継続的な扶養実績や実親との関係断絶の証明が求められます。

Q2. 在留資格が認められないケースは?

A. 扶養関係が不明瞭、在留資格との整合性が取れない、教育目的が不明確な場合などは不許可の可能性があります。


まとめ

外国人配偶者の連れ子を日本に呼び、教育を受けさせたい場合は、在留資格の選択と申請準備が鍵です。
「家族滞在」や「定住者」など、子どもの立場と親の在留資格によって最適なルートが異なります。

適切な在留資格を取得すれば、子どもは日本で安定した生活と教育を受けることができます。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
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代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法