1,韓国大使館で本国書類を取得できますか?

 外国人が帰化申請する際には、身元を証明する書類をはじめ膨大な量の本国書類を取得する必要があります。一般に、この本国書類は、本国から取得する必要があります。

 一方、韓国人の場合は、帰化申請に必要な本国書類は、日本の韓国大使館で取得することが出来ます。韓国大使館からの本国書類の取得では、韓国大使館へ赴き取得するのみならず、郵送でも請求することが出来ます。ただし、郵送で請求した場合は、書類が郵送されるまで1か月程度かかります。

2,韓国大使館で取得する必要のある本国書類は何ですか?

 韓国人が帰化申請する際には、韓国大使館で以下の本国書類を取得する必要があります。なお、取得した本国書類には日本語翻訳文を添付する必要があります。なお、古い除籍謄本などは、横書き手書きで記載されていることが多く、判読が困難な場合も少なくありません。

①本人の基本証明書
②本人の家族関係証明書 ※15歳未満も必要
③本人の婚姻関係証明書 ※18歳以上は婚姻歴が無くても必要
④本人の入養関係証明書 ※縁組したことがなくても必要
⑤本人の親養子関係証明書 ※縁組したことがなくても必要
⑥母の家族関係証明書
⑦父の家族関係証明書 
⑧母の婚姻関係証明書 ※母が死亡している場合は父の婚姻関係証明書
⑨除籍謄本 ※実母が15歳くらいからすべての書籍が必要

3,韓国の本籍地がわからないと取得できませんか?

 韓国大使館で本国書類を請求する際には、自分の韓国の本籍地を明らかにする必要があります。自分の韓国の本籍地がわからない場合は、韓国大使館で本国書類を取得することができません。

 韓国で出生し、留学や就職を目的として日本に来日し在留している場合は、自身の本籍地がわからないという問題が生じることは、ほとんどありません。他方、特別永住者の韓国人の場合は、自身や両親も日本で出生し、出生以降日本で生活してきたということもあり、韓国の本籍地がわからないという場合も、少なくありません。この場合は、本国書類を取得するためには、韓国の本籍地を調べる必要があります。

 なお、朝鮮籍の特別永住者の場合は、そもそも本国へ出生の届出をせず、本国に登録されていない人もいます。この場合は、本国に登録されていない以上、本国から身元などに関する本国書類を取得することができません。この場合は、帰化申請は非常に困難となります。

4,どうやって韓国の本籍地を調べますか?

 自身の韓国の本籍地がわからない場合は、出入国在留管理庁へ「外国人登録原票」請求を行うことによって、韓国の本籍地を調べることができます。

 外国人登録原票は平成24年7月に廃止されていますが、廃止以前に市区町村長に申請していた個人情報が記載されています。自身又は両親など直系尊属の外国人登録原票を請求することによって、韓国の本籍地を確認することができます。外国人登録原票には、主に以下の個人情報が記載されています。

①氏名、②性別、③生年月日、④国籍、⑤職業、⑥旅券番号、⑦旅券発行年月日、⑧登録の年月日、⑨登録番号、⑩上陸許可年月日、⑪在留の資格、⑫在留期間、⑬出生地、⑭国籍の属する国における住所又は居所、⑮居住地、⑯世帯主の氏名、⑰世帯主との続柄、⑱勤務所又は事業所の名称及び所在地、⑲世帯主である場合の世帯を構成する者(世帯主との続柄、氏名、生年月日、国籍)、⑳本邦にある父・母・配偶者(⑲に記載されている者を除く。氏名、生年月日、国籍)、㉑署名、㉒写真、㉓変更登録の内容、㉔訂正事項
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」  
同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  
明治大学法科大学院修了  
「専門分野」  
入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法