1,引っ越したら住所変更手続きが必要ですか?

 中長期の在留資格を持つ外国人は在留カードを持っています。この在留カードをもつ外国人が引越しをした場合は、在留カードの住所変更手続きを行う必要があります。在留資格の変更や更新の手続きは、居住地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。これに対し、在留カードの住所変更手続きは、居住地の市区町村を管轄する自治体で行うことになります。

 この在留カードの住所変更手続きは、同一市区町村内で引っ越す場合と異なる市区町村に引っ越す場合とで異なってきます。以下では、各々の手続きについて検討します。

2,住所変更手続きはどうすれば良いですか?

 同一市区町村内で引っ越す場合は、「転居届」を市区町村役場に提出するだけです。これに対し、異なる市区町村に引っ越す場合は、まず居住地の自治体に「転出届」を提出し、「転出証明書」を取得する必要があります。そして、新たな居住地となる市区町村役場で、転出証明書と共に「転入届」を行います。以下、各々の手続きについて詳しく検討します。

(1)同一市区町村内の引越しの場合

 上述の通り、同一市区町村内の引越しの場合は「転居届」を行います。届出者は、本人又は世帯主に限られます。代理人に委任することも認められますが、この場合は委任状が必要となります。

・届出者:本人もしくは世帯主(代理人の場合は委任状が必要)
・届出場所:居住する市区町村役場
・手数料:無料

①住所変更届の期限

 住所変更届の期限は、「転居の日から14日以内」とされています。引越しの日から14日以内に市区町村役場で転居届を行ってください。

②住所変更届の必要書類

 以下の必要書類のうち、在留カードは本人確認書類のみならず住所の記載変更に必要となります。

・転居届
・本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード)
・国民健康保険証
・マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)

(2)異なる市区町村に引っ越す場合

 異なる市区町村に引っ越す場合は、現在住んでいる市区町村役場への「転出届」と引越し先の市区町村役場への「転入届」が必要となります。

・届出者:本人もしくは世帯主(代理人の場合は委任状が必要)
・届出場所:「転出届」転出する自治体の役所・役場
      「転入届」引っ越し先の自治体の役所・役場
・手数料:無料

①住所変更届の期限

 住所変更届の期限は、「転居の日から14日以内」とされています。引越しの日から14日以内に市区町村役場で転居届を行ってください。

②住所変更届の必要書類

A,転出届の必要書類

 まずは、居住する市区町村役場で転出届を行い「転出証明書」を取得してください。以下が必要書類です。

「転出届の必要書類」
・転出届
・本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード)
・国民健康保険証(加入者のみ)
・マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)
・印鑑登録証(登録者のみ)

 B,転入届の必要書類

 「転出証明書」を取得したら、引っ越し先の市区町村役場で転入届を行います。以下が必要書類です。

「転入届の必要書類」
・転入届
・転出証明書
・本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード)
・マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)

3,住所のほかにも変更があった場合に必要な手続きは何ですか?

 中長期の在留者に関し、住所以外に在留カードの記載事項に変更があった場合は、居住地を管轄する地方出入国在留管理局へ届出る必要があります。例えば、婚姻などによって氏名が変更となった場合は、婚姻証明書やパスポートを証明資料として提出して、変更の届出を行います。以下のような事項に変更があった場合は、証明資料を提出して変更の届出を行ってください。なお、届出期限は変更があった日より14日以内です。「在留カード記載事項変更届出書」を提出してください。

・氏名
・生年月日
・性別
・国籍・地域

4,在留カードの内容を更新をしないと罰金対象になりますか?

 住民基本台帳法は、日本人と外国人を問わず、移動の届出を義務づけています。これを怠った場合は、5万円以下の過料に処せられる可能性もあります。

 また、入管法は外国人に在留カードの記載事項に関し変更があった場合は届出を義務づけています。これを怠った場合は、20万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに虚偽の届出を行った場合などは在留資格が取り消される可能性まであります。このような不利益を避けるためにも、在留カードの記載事項に変更があった場合は、速やかに届出を行ってください。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法