1,興行ビザとはどんなビザですか?

(1)概要

 興行ビザとは在留資格「興行」のことで、外国籍の方が日本で興行を行う場合に必要とされるビザのことです。興行とは「特定の施設において、公衆に対して映画、演劇、スポーツ、演芸又は見世物を見せ、または聞かせる」こと、と定義されます。このように、興行ビザは外国人が日本で芸能活動やスポーツなどのエンターテイメント業界で興行活動を行うことを認めています。

(2)在留期間

 興行ビザでは、3年、1年、6月、3月、15日のいずれかの期間の在留が認められています。外国人力士やプロ野球選手など、日本での興行活動に関し実績があり長く活動している場合は、3年や1年といった長期の在留期間が認められます。このように日本で大きな実績を残していない場合は、6月、3月、15日といった、短い在留期間しか認められません。  

 在留期間の起算点は、日本に入国した時点からカウントが開始します。在留期限が到来した場合は帰国する、又は興行目的を達成できない場合は在留期間の更新申請をする必要があります。

2,興行ビザ更新申請はどうすれば良いですか?

 興行ビザの在留期限が到来したが、興行目的を達成できないなど在留を継続する場合は、在留期間更新許可申請を行う必要があります。興行ビザの更新申請は、以下のような流れで進んでいきます。

①必要書類の収取と申請書作成

②申請

③結果通知
①必要書類の収取と申請書作成
 下記3に挙げる興行ビザの在留期間更新許可申請に必要な書類を収集して、更新許可申請書を作成します。証明書類は、発行から3か月以内のものですことが必要です。
②申請
 上記①で収集し作成した申請書類一式を地方出入国在留管理局に提出して更新許可申請を行います。更新許可申請は、在留期間の満了日の3か月前から申請することが可能です。在留期限を徒過した場合は、不法滞在となります。よって、在留期間の満了日までに必ず更新許可申請を行ってください。
 なお、2022年3月からオンライン申請が始まっています。オンライン申請の場合は、マイナンバーカードを所持していることが必要です。
③結果通知
在留期間更新許可申請の審査期間は、おおむね2週間~1か月程度です。しかし、入管が混雑する時期によっては、1か月以上審査に時間がかかることもあります。また、書類の不備や申請内容に疑義が生じた場合は、審査に時間がかかる傾向にあります。

3,興行ビザ更新申請の必要書類は何ですか?

 興行ビザの更新許可申請に必要となる書類は、以下の通りです。外国語の書面の場合は、日本語翻訳文を添付する必要があります。また、審査の過程で、追加書類を要求される場合もあります。許可不許可の判断に必要という理由で要求されているので、期限までに提出してください。

①在留期間更新許可申請書
  在留期間更新許可申請書は、出入国在留管理庁のホームページよりダウンロード可能です。在留期間更新許可申請書は、在留資格によって様式が異なります。「興行」であることを確認してください。
②写真(縦4cm×横3cm)
 申請前3か月以内に撮影され、鮮明・無帽・無背景なもの。写真の裏面に申請者本人の氏名を記載し、在留期間更新許可申請書の写真欄に貼付してください。
③「パスポート」及び「在留カード」
 パスポートと在留カードは、申請時の提示のみで、提出の必要はありません。
④具体的な活動内容、期間を証明する文書
 具体的な活動内容、期間を証明する文書として、以下のいずれかの書類が必要です。
・在職証明書 1通
・雇用契約書の写し 1通
・上記に準ずる文書 適宜
⑤興行に係る契約書の写し
  興行に係る契約書とは、外国人本人と企業との興行契約書や、契約している企業と出演施設を運営する機関との契約書などが該当します。
⑥住民税の課税(非課税)証明書
 住民税の課税(非課税)証明書は、1月1日現在に住んでいる市区町村の市役所、区役所、役場から発行されます。1年間の総所得と納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、住民税の課税(非課税)証明書のみで十分です。 しかし、1年間の総所得と納税状況の両方の記載がない場合は、納税証明書の用意が必要です。
 非居住者扱いの場合は、非居住者用の国内源泉所得に係る納税証明と収入を証明する文書を提出してください。
⑦活動日程表
 興行ビザの更新の場合、興行の活動日程を説明する必要があります。
⑧活動内容に変更があった場合
 前回の興行ビザ申請時から、出演施設等に活動内容に変更が生じた場合は、変更後の出演施設等の概要を明らかにする資料を提出する必要があります。
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法