短期滞在ビザ(短期滞在査証)の滞在予定表はどうやって書けば良いですか?何日の滞在期間が認められますか?

1,短期滞在ビザ(短期滞在査証)とは何ですか?

 短期滞在ビザとは短期滞在査証のことで、査証の交付を受けた場合は、15日、30日、90日のいずれかの期間、日本に滞在することが認められます。

短期滞在ビザの申請は、母国(現地)の日本国大使館または領事館で申請することになります。基本的には、日本で申請するものではありません。申請方法は外国の日本大使館によって異なる部分もあり、現地の代理機関を通して申請すると決められている場合もあります。

 短期滞在ビザは中長期の在留資格と異なり、短期の滞在を目的としているビザです。よって、帰国することが前提とされているビザとなります。短期滞在ビザは、このような性格を有することから、申請の段階で短期滞在であることを、現地の日本国大使館や領事館に明らかにすることが必要となります。そこで、「滞在予定表」を作成することによって、滞在期間を明らかにします。

2,短期滞在ビザでは最大で何日の滞在期間が認められますか?

 短期滞在ビザでは、上記1の通り、最大で「90日間」日本に滞在することが認められます。もっとも、90日間当然に日本に滞在できるわけではありません。来日する外国人の滞在目的によって、上記15日、30日、90日のいずれかの期間滞在できることになります。よって、来日目的に応じて、15日、30日、90日のいずれかを選択して短期滞在ビザを申請することになります。

例)
知人訪問を目的として10日間滞在予定:15日間の短期滞在ビザ申請

3,滞在期間によって審査に影響がありますか?

 滞在予定期間の長短は審査に影響します。短期滞在ビザを、15日間で申請した場合と、90日間で申請場合とでは、90日間の申請ほうが90日間の行動計画を審査することになるので、審査が厳しくなってきます。滞在期間と滞在目的との間に整合性があるか、という観点から厳格に審査されます。

 90日間の長い滞在期間で申請した場合に、滞在期間と整合性のある滞在目的を説明できない場合は、就労目的など本来の滞在目的とは別の目的があるのではないか?と疑義が生じます。したがって、むやみに90日間の申請をするのではなく、滞在目的と整合性のとれる滞在期間を選択することが重要です。

4,90日の滞在期間の申請は避けたほうが良いですか?

 短期滞在ビザ申請で、15日、30日、90日のいずれの滞在期間を選択するにあたってもっとも重要なことは、「滞在目的と滞在期間の整合性」です。よって、90日間の申請では審査が厳しくなることは確かですが、滞在目的と90日の滞在期間との間に整合性が認められれば許可されます。

 例えば、友人のところに遊びに行くという知人訪問を目的として90日の短期滞在ビザを申請したとします。この場合、友人訪問に90日間の短期滞在が必要なのか?90日間の行動計画はどうなっているのか?就労などの他の目的があるのではないか?との疑義が生じやすくなります。

 一方、配偶者や婚約者を、親族との顔合わせや今後の日本での生活準備を目的として申請したとします。この場合、90日間の行動計画にもよりますが、親族との顔合わせや実家訪問、日本国内旅行など90日各日の行動計画を明らかにする予定表を提出することによって、「滞在目的と滞在期間の整合性」を明らかにすれば、疑義が生じる可能性を避けることができます。

 滞在期間に関わらず、「滞在目的と滞在期間の整合性」が認められることが需要です。滞在期間が90日の場合でも、「滞在目的と滞在期間の整合性」認められれば問題はないということになります。

5,滞在予定表はどうやって書けば良いですか?

 これまで検討した通り、短期滞在ビザ申請をする際には、滞在目的と滞在期間との間に整合性が認められることを、現地の日本国大使館又は領事館の審査官に納得させる必要があります。この滞在目的と滞在期間との間に整合性が認められることを説得するために提出する書類が、「滞在予定表」になります。

この滞在予定表には、アルバイトその他就労に関わる内容は絶対に記載しないで下さい(短期商用ビザの場合を除く)。短期滞在ビザでは就労は禁止されています。就労を疑われた場合は必ず不許可になります。また、滞在期間は滞在目的と整合するように記載してください。

以下では、滞在予定表の記載項目ごとに検討していきます。

(1)滞在予定表記載項目

①作成年月日 申請書類を作成した日付を記載します。もっとも、申請書類の有効期限は記載した作成日から3か月以内です。
②申請人の氏名と人数 申請人(呼び寄せる外国人)の氏名をフルネームで記載してください。フルネームは、パスポートに記載されているアルファベットの通りに記載してください。
 申請人が複数人いる場合は、代表者以外の人数を「ほか〇〇名」と記載します。1名のみの申請の場合は「ほか0名」と記載してください。 なお、申請人が複数人いる場合は、別途「申請人名簿」を作成してください。
③申請人の入国年月日(予定日) 日本へ入国する予定の年月日を記載してください。航空券チケットや船便の到着日の日付を記載してください。
④行動予定(入国初日) ③で記載した入国初日の行動予定を記載します。つまり、初日なので、出国した空港と入国した空港を記載してください。
記載例)
日本入国 上海国際空港~成田国際空港
⑤連絡先(滞在中) 申請人を日本に呼び寄せた「招聘人」と「身元保証人」の連絡先を記載します。同一人物が両者を兼ねる場合は、以下のように記載します。
記載例)
「招聘人および身元保証人の携帯電話 ○○〇―○○〇〇―○○○○」
⑥宿泊予定先(申請人(呼び寄せる外国人)の宿泊先) 申請人(呼び寄せる外国人)宿泊予定施設の名称及び住所を記載してください。ホテル等の宿泊施設に滞在する場合は、当該ホテルの正式名称を省略せず正確に記載してください。招聘人や身元保証人の自宅に滞在する場合は「招聘人の自宅」と記載してください。招聘人の自宅の住所は、住民票の記載通りに記入してください。
⑦年月日・行動予定(申請人(呼び寄せる外国人)の2日目以降の行動予定) ④入国初日の行動予定以降の行動計画を記載します。入国2日目以降の行動計画を可能な限り具体的に記載してください。「未定」と記載することは避けてください。
 記載例を(2)で別途挙げておきます。
⑧連絡先・宿泊先 前日と同じ施設に宿泊する場合は「同上」を記載して問題ありません。
 前日と異なる宿泊施設に滞在する場合は、⑤⑥と同様に、正確に宿泊施設の名称と連絡先を記載してください。
⑨出国日の予定 申請人が出国時に利用する空港などを、滞在予定表の最後に記載してください。出入国人の空港が同一である必要はありません。
記載例)
日本出国 羽田空港~上海国際空港
⑩出国日の宿泊予定先 出国予定日の連絡先欄に、宿泊予定先を記載します。出国予定日に宿泊することはないので、「なし」と記載してください。前日と同じ施設の場合は、「同上」と記載してください。最低でも「なし」と記載し、絶対に空欄にしないで下さい。

(2)⑦年月日・行動予定(申請人(呼び寄せる外国人)の2日目以降の行動予定)の記載例

可能な限り具体的に記しして、説得力を持たせてください。空欄や未定と記載することは絶対にやめてください。

年月日行動予定
令和〇年〇月〇日○○県の招聘人宅へ訪問
令和〇年〇月〇日○○県のテーマパーク(名称)を訪問
令和〇年〇月〇日招聘人の家族と招聘人宅で食事会
令和〇年〇月〇日招聘人宅で孫の世話をする
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法