帰化申請で年金や税金の支払いが問題となるケースは何ですか?
目次
- 1,帰化申請の税金支払いに関する審査対象の範囲は何ですか?
- 2,どんな場合に税金の支払状況が問題となりますか?
- 3,①同居の子供が無職で成人しているが、国民年金が未払いかつ免除の手続きをしていない場合どうすれば良いですか?
- 4,②同居の家族がフリーランスで確定申告をしていない場合は、どうすれば良いですか?
- 5,③申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に転職している場合は、どうすれば良いですか?
- 6,④申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に複数の企業から収入を得ている場合は、どうすれば良いですか?
- 7,⑤同居の家族の勤務先が市役所に給与支払いの報告をしていない場合は、どうすれば良いですか?
1,帰化申請の税金支払いに関する審査対象の範囲は何ですか?
帰化申請の審査では、税金の支払い状況が審査の対象となります。この税金の支払い状況に関する審査の対象範囲は、申請人本人のみならず同居する家族全員の税金の支払い状況が審査の対象となります。
審査の対象となる税金は、会社員の場合、年金と住民税の支払い状況が審査の対象となります。会社員であれば、給与から年金と税金が天引きされるので問題となることは少ないです。しかし、税金支払いの審査は同居の家族全員の及ぶことから、家族に個人事業主や会社経営者、会社役員がいる場合は確定申告が必要となってきます。
税金の支払いを証明できなかった場合は、法務局に帰化申請を受理してもらえません。そして、審査対象は家族全員に及ぶことから、家族全員の税金の支払いについて証明する必要があります。
2,どんな場合に税金の支払状況が問題となりますか?
申請人本人は税金が給与から天引きされているため問題はないが、同居の家族の年金支払状況が問題となることも少なくありません。以下に挙げるような場合が、問題となる代表例です。
①同居の子供が無職で成人しているが、国民年金が未払いかつ免除の手続きをしていない場合 ②同居の家族がフリーランスで確定申告をしていない場合 ③申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に転職している場合 ④申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に複数の企業から収入を得ている場合 ⑤同居の家族の勤務先が市役所に給与支払いの報告をしていない場合 |
3,①同居の子供が無職で成人しているが、国民年金が未払いかつ免除の手続きをしていない場合どうすれば良いですか?
帰化申請では、直近1年分の年金の支払い状況に関して審査の対象となります。同居の子供が無職で成人しているが、国民年金が未払いかつ免除の手続きをしていない場合は、帰化が許可されません。
国民年金が未払いの場合は、直近1年分の年金をまとめて支払う必要があります。支払いを済ませたら、年金義務所から年金支払領収書を取得して法務局に提出します。直近1年分をまとめて支払う余裕がない場合は、年金の免除手続きを行います。免除手続きを行った場合は、国民年金保険料免除・納付猶予申請承認通知書を取得して法務局に提出します。
なお、免除手続きを行い場合よりも、年金を支払った方が帰化申請に有利に働きます。
4,②同居の家族がフリーランスで確定申告をしていない場合は、どうすれば良いですか?
自営業者の場合は、帰化申請で直近1年分の確定申告書のコピーを提出しなければいけません。よって確定申告をしていない場合は、直近1年の確定申告を行ってください。
なお、所得金額が38万円以下の場合は確定申告の義務はありません。よって、この場合は確定申告をする必要はありませんが、税務署から確定申告をしていない証明書を取得して法務局に提出する必要があります。
確定申告をした場合は、直近1年~3年の所得税の納税証明書又は非課税証明書を取得してください。
5,③申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に転職している場合は、どうすれば良いですか?
この場合は、現職と前職の2か所から源泉徴収票を取得する必要があります。前年の12月に在籍していた会社の年末調整を確認する必要があります。前年の12月に在籍していた会社が、前職分の給与を含む形で年末調整をしている場合は、確定申告をする必要はありません。年末調整に前職分の給与が含まれていなかった場合は、確定申告をする必要があります。
なお、転職時に前職の源泉徴収票の提出を求められている場合は、転職先の会社がまとめて年末調整をしているケースが多いです。
6,④申請人又は同居の家族が、帰化申請の前年の1月1日から12月31日までの間に複数の企業から収入を得ている場合は、どうすれば良いですか?
この場合は、多くの場合確定申告をする必要があります。確定申告をしていない場合は、直近1年分の確定申告をして確定申告書を提出してください。
7,⑤同居の家族の勤務先が市役所に給与支払いの報告をしていない場合は、どうすれば良いですか?
勤務先が、市役所に給与支払いの報告をしていない場合は、住民税を支払っていない状態です。この場合は、確定申告を行ってください。確定申告をすると、市役所から住民税支払いの督促が届きますので、支払ってください。
多くの場合、給与を現金で給付している場合や、源泉徴収されていない給与所得者がこのケースに該当します。
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |