高度専門職ビザ（在留資格「高度専門職」）のポイント計算はどうすれば良いですか？

１，高度専門職ビザとは、どんなビザですか？
２，高度専門職ビザのポイント制とは何ですか？
３，高度外国人材とは何ですか？
４，高度専門職ビザのポイントの割り振りは、どうなっていますか？

１，高度専門職ビザとは、どんなビザですか？

　高度専門職ビザは、在留資格「高度専門職」のことで、就労ビザの1つです。高度専門職ビザは1号と2号に分けられ、高度専門職ビザは、学歴や職歴その他年収等の項目ごとにポイントを割り振り、その合計ポイントが70点以上に達した場合に付与されます。

　高度専門職ビザは、高度な専門能力を有する外国人を受入れることによって、日本の学術研究や経済の発展に寄与することを目的としています。このような背景から、高度専門職ビザは他の就労ビザより活動制限が緩和され、永住許可要件が緩和される、本来認められない親の帯同が条件を満たせば認められるなどの優遇措置が施されています。

２，高度専門職ビザのポイント制とは何ですか？

　上記1の通り、高度専門職ビザを取得するためには、ポイント70点以上を取得する必要があります。このポイントは、高度外国人材の活動内容を「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つにカテゴリー分けし、各カテゴリーの性質に応じて、「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとに割り振られています。申請人が該当する項目ごとにポイント計算し、合計70点以上の場合は、高度外国人材と認められます。この高度外国人材には、出入国在留管理及び難民認定法上の優遇措置が認められています。これによって、高度外国人材を日本に受け入れることを促進することを目的としています。

３，高度外国人材とは何ですか？

　高度外国人材とは、「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することができない良質な人材」であり、「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国の労働市場の効率性を高めることが期待される人材」と定義されています。わかりやすく言えば、エリート外国人です。

４，高度専門職ビザのポイントの割り振りは、どうなっていますか？

　高度専門職ビザのポイントはポイント計算表によって割り振られています。以下では、高度専門職ビザ申請件数が多い、高度専門職ロ（専門・技術分野）のポイントの割り振りを検討します。

ポイント計算表
https://www.moj.go.jp/isa/content/930001657.pdf

ポイント計算表ダウンロード

（１）学歴

　学歴に応じてポイントが割り振られています。最終学歴が対象となります（例えば、同じ分野で博士と修士の両方の学位を有している場合は、30点です）。複数の分野で学位を取得している場合は、学位の組み合わせを問わず、専攻が異なることが分かる資料（学位記又は学位証明書で確認できない場合は、成績証明書）を提出してください。

①博士学位（専門職学位を除く）　30点

②修士又は専門職学位　20点

③大卒又はこれと同等以上の教育（博士、修士を除く）　10点

注）複数の分野で大学院又は大学を卒業していれば加算されます。学位の組み合わせを問わず、専攻が異なることが分かる資料（学位記又は学位証明書で確認できない場合は、成績証明書）を提出してください。

（２）職歴

　従事しようとする業務に係る実務経験に限ります。職歴の年数に応じてポイントを取得します。

10年以上	２０
7年以上10年未満	１５
5年以上7年未満	１０
3年以上5年未満	５

（３）年収

年収に応じてポイントが割り振られています。立証資料は、市区町村発行の課税証明書になります、

30歳未満	30～34歳	35～39歳	40歳以上
1,000万円以上	1,000万円以上	1,000万円以上	1,000万円以上	４０
900～1,000万円	900～1,000万円	900～1,000万円	900～1,000万円	３５
800～900万円	800～900万円	800～900万円	800～900万円	３０
700～800万円	700～800万円	700～800万円		２５
600～700万円	600～700万円	600～700万円		２０
500～600万円	500～600万円			１５
400～500万円				１０

（４）年齢

　年齢によりポイントが割り振られています。高度専門職ビザ申請時点での年齢になります。

30歳未満	１５
30～34歳	１０
35～39歳	５

（５）研究実績

下記の表に該当する研究実績がある場合は、ポイントを付与されます。

発明者として特許を受けた発明が1件以上	１５
外国政府から補助金、競争的資金等を受けた研究に3回以上従事
学術論文データベースに登載されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上※責任著者であるものに限る
その他法務大臣が認める研究実績

（６）資格

　従事する業務に関連する日本の国家資格（業務独占資格又は名称独占資格）を保有している場合は、ポイントを付与されます。

日本の国家資格1つ　5点

日本の国家資格2つ以上　10点

（７）イノベーションを促進するための支援措置を受けている機関における就労

https://www.moj.go.jp/isa/content/930001665.pdf

①イノベーション促進支援措置を受けている	１０
②Ⅰに該当する企業であって、中小企業基本法に規定する中小企業者	１０
③国家戦略特別区域高度人材外国人促進事業の対象企業として支援を受けている	１０

（８）従事しようとする業務に関連する外国の資格、表彰等で法務大臣が認めるものを保有

https://www.moj.go.jp/isa/content/930001661.pdf

従事しようとする業務に関連する外国の資格、表彰等で法務大臣が認めるものを保有５点

（９）日本の大学を卒業又は大学院の過程を修了

日本の大学を卒業又は大学院の過程を修了：10点

（１０）日本語能力

①日本語専攻で外国の大学を卒業又は日本語能力試験N1合格相当	１５
②日本語能力試験N2合格相当※⑭（日本の大学を卒業又は大学院の過程を修了）及びⅠに該当する者を除く	１０

（１１）各省が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事

https://www.moj.go.jp/isa/content/930001664.pdf

各省が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事　１０点

（１２）法務大臣が告示で定める大学を卒業した者

法務大臣が告示で定める大学を卒業した者　10点
「法務大臣が告示で定める大学一覧」
①世界大学ランキングに基づき加点対象となる大学
https://www.moj.go.jp/isa/content/001335478.pdf
②スーパーグローバル大学創成支援事業（トップ型及びグローバル化牽引型）において補助金の交付を受けている大学 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1360288.htm
③外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業において「パートナー校」として指定を受けている大学 https://www.moj.go.jp/isa/content/930001659.pdf

（１３）法務大臣が告示で定める研修を修了した者

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ap_m/page22_002808.html

法務大臣が告示で定める研修を修了した者　５点

（１４）投資運用業等に係る業務に従事

投資運用業等に係る業務に従事　１０点