ニュージーランド人との国際結婚はどうすれば良いですか?
1,婚姻手続は日本とニュージーランドの両国でする必要がありますか?
配偶者ビザは、日本国法及びニュージーランド法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とニュージーランド人が国際結婚をする為には、日本国法及びニュージーランド法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。
ニュージーランド法は男女ともに16歳以上と婚姻年齢を定めています。日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。よってニュージーランド人は18歳になるまで、日本国民法に基づく婚姻はできません。また、日本の民法は女性のみ再婚禁止期間(100日)を定めていますが、ニュージーランド法は再婚禁止期間定めていません。
ニュージーランドでは同性婚が認められています。一方、日本国民法は同性婚を認めていません。よって、同性婚の場合は配偶者ビザを取得することはできません。また、ニュージーランドでは夫婦別姓が認められおり、両者の氏をハイフンで統合することも認められています。一方、日本国民法は夫婦別姓制度については、現在のところ導入していません。
日本の婚姻手続とニュージーランドの婚姻手続のどちらを先に行うべきか、は申請人がどちらの国に在住しているかによって異なります。ニュージーランド人が既に何らかの中長期の在留資格をもって、日本に在留しているのであれば、先に日本での婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。逆に日本人がニュージーランドに在住しているのであれば、先にニュージーランドで婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。
2,先に日本で結婚する場合はどうしますか?
日本で先に婚姻手付きを行う場合は、以下のような流れになります。ニュージーランドの場合は、日本で婚姻手続が有効に成立すれば、ニュージーランドにおいても法律上有効な婚姻と見なされます。
他の国籍の外国人との国際結婚の場合は、多くの場合、日本での婚姻手続を済ませた後、駐日外国大使館に婚姻報告を行うことによって、外国法に基づく婚姻手続を行うことが必要です。ニュージーランド人の場合は、その必要がないため他の国籍の外国人との国際結婚と比較して、簡易な手続きとなります。
①ニュージーランド人の婚姻無障害証明書(婚姻要件具備証明書)の取得 ↓ | まずは、ニュージーランド人の婚姻無障害証明書(婚姻要件具備証明書)を取得します。多くの国では、駐日大使館で婚姻要件具備証明書を発行してもらえますが、ニュージーランドの場合は駐日ニュージーランド大使館で取得することができません。よって本国から婚姻要件具備証明書を取得する必要があります。婚姻要件具備証明書は本国の登記所というところで発行しています。なお、メールや郵送での請求も可能です。 |
②日本の婚姻手続 | 婚姻無障害証明書を取得したら、日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。 「必要書類」 ・婚姻届 ・日本人の本人確認書類(パスポートや運転免許証) ・戸籍謄本(日本人の独身証明となります) ・①で取得したニュージーランド人の婚姻無障害証明書(日本語翻訳文付き) ・ニュージーランド人の出生証明書(日本語翻訳文付き) ・ニュージーランド人のパスポートと在留カード(所持している場合) |
3,先にニュージーランドで婚姻手続をする場合は、どうしますか?
先にニュージーランドで婚姻手続を行う場合は、以下のような流れになります。
①日本人の婚姻要件具備証明書を取得 ↓ | まずは、在ニュージーランド日本国大使館又は領事館で、日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。 「必要書類」 ・申請書 ・日本人のパスポート ・戸籍謄本 ・離婚歴がある場合は除籍謄本や改正原戸籍 |
②結婚許可証の取得 ↓ | ニュージーランドの登記所で、結婚許可証を取得します。下記の書類を登記所に提出すると、3日程度で結婚許可証が発行されます。 「必要書類」 ・結婚予告書(申請書) ・当事者2名と証人2名のパスポート ・日本人の婚姻要件具備証明書(英語翻訳文付き) ・戸籍謄本(英語翻訳文付き) |
③結婚の儀式(結婚式) ↓ | 結婚許可証の取得後、3か月以内に結婚の儀式(結婚式)を行う必要があります。披露宴としての性質を有する日本の結婚式と異なり、ニュージーランドは結婚式そのものが婚姻手続となります。結婚の儀式が終了すると、婚姻登記簿に夫婦の情報が掲載されます。婚姻登記簿に登録されると、婚姻証明書が発行されるようになります。なお、婚姻の儀式は以下のような儀式です。 ・儀式の場所は婚姻許可証に記載された場所 ・挙式司祭か登記官と証人2名の立会いあり |
④日本の婚姻手続 | 婚姻証明書を取得したら日本の婚姻手続を行います。在ニュージーランド日本国大使館又は領事館、日本の市区町村役場に以下の書類を提出してください。 「必要書類」 ・婚姻届 ・戸籍謄本 ・結婚証明書(日本語翻訳文付き) ・外国人の国籍を証明する書類(パスポート等) ・身分証明書の写し |
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |