中国人との国際結婚は、どうすれば良いですか

1,婚姻手続は日本と中国の両国でする必要がありますか?

 配偶者ビザは、日本国法及び中国法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人と中国人が国際結婚をする為には、日本国法及び中国法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。

 具体的には、日本で結婚する場合には「民法」の定める婚姻要件を具備し婚姻手続を経る必要があります(例えば、日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から男女ともに18歳以上としています。)。一方、中国で結婚する場合には中国の「婚姻法」の定める婚姻要件を具備し婚姻手続を経る必要があります(例えば、婚姻年齢に関し中国の婚姻法は、男子22歳以上、女子20歳以上と定めています)。中国で法律上の結婚をするためには、日本人も婚姻法の要件を具備している必要があり、男子22歳以上女子20歳以上にならなければ、日本人は中国人と中国法に基づく結婚はできません。

 国際結婚の手続きは、先に日本で結婚手続を行うのか、先に中国で結婚手続きを行うのかによって、手続の仕方が変わってきます。以下では、それぞれについて検討します。

2,先に日本で結婚する場合は、どうすれば良いですか?

 日本で先に結婚した場合は、中国法でも有効な婚姻と認定されます。つまり、日本で婚姻手続を済ませれば、中国国内で婚姻登記や承認手続きといった婚姻手続をする必要がなくなります。もっとも、中国人の戸籍簿(居民戸口簿)にある婚姻状況欄を「既婚」に変更する手続は必要です。日本で先に婚姻手続をする場合は、(1)日本で婚姻届を提出した後に、(2)中国の戸籍簿を既婚に変更する、という流れになります。

(1)日本の市区町村役場で婚姻届を提出

「日本人が用意する書類」

  ①婚姻届

  ②戸籍謄本

「中国人配偶者が用意する書類」

  ①婚姻要件具備証明書(駐日中国大使館で取得できます)

    ア、婚姻要件具備証明書を取得するのに必要な書類

     ・パスポート

     ・在留カード

    イ、短期滞在者が婚姻要件具備証明書を取得する場合

     ・パスポート

     ・居民身分証

     ・未婚公証書、中国で離婚歴がある方は未再婚公証書

  ②パスポート

(2)中国人の戸口簿(居民戸口簿)にある婚姻状況欄を「既婚」に変更する手続き

①「婚姻受理証明」を婚姻届を提出した日本の市区町村から入手(婚姻受理証明とは、日本国内で結婚したという証明です)

②外務省及び駐日中国大使館(又は領事館)のそれぞれで「婚姻受理証明」の認証を取得

③中国人の戸籍所在地の派出所に、認証を得た「婚姻受理証明」を提出(日本語から中国語への翻訳文付き)

3,先に中国で結婚する場合は、どうすれば良いですか?

 中国で先に婚姻手続をする場合は、日本人及び中国人の双方が、中国人の戸籍所在地の省・自治区・直轄市の人民政府が指定する婚姻登記機関に出頭する必要があります。婚姻登記機関に必要書類を持参して、婚姻登記手続きを行ってください。婚姻登記が完了したら「結婚証」を受領します。

(1)中国の婚姻登記機関で婚姻登記

「日本人が用意する書類」

①日本の地方法務局長等が発行する「婚姻要件具備証明(通称:独身証明)」(婚姻要件具備証明書は、外務省及び駐日中国大使館(又は総領事館)の認証を得る必要があります)

②翻訳会社による上記①の中国語訳文

③本人のパスポート

「中国人が用意する書類」

 ①居民戸口簿

 ②居民身分証

 ③パスポート

(2)日本の市区町村で婚姻届を提出

 「結婚証」の写し以外、上記2(1)と同じ

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法