技術人文知識国際業務ビザの更新は、どうすれば良いでしょうか?
目次
1,技術人文知識国際業務ビザの期限が到来したら、どうすれば良いですか?
技人国ビザは、数種類ある就労ビザの中でも最もポピュラーな在留資格です。就労ビザを取得して、日本に所在する会社で働く外国人の大多数が、技人国ビザを保有しています。
技人国ビザには、1年、3年、5年の有効期限が付されます。この有効期限を迎えた場合、在留期間更新許可申請をする必要があります。この有効期限は在留期限と同義なので、更新を怠ると不法在留となってしまいます。よって、在留期限前に必ず更新許可申請をして下さい。更新許可申請は、在留期限の3か月前からできます。
2,事情変更がない場合とある場合で、更新申請に違いはあるでしょうか?
ビザの更新申請をする時点において、外国人である申請人の背景にある状況は、事情変更がある場合とない場合で、以下の3つの類型が考えられると思われます。
事情変更がない場合
①更新申請する時点で、前回の許可時点から勤務先と職務内容に変更がない場合
事情変更がある場合
②更新申請する時点で、前回の許可時点から勤務先に変更はないが職務内容に変更がある場合
③変更申請する時点で、前回の許可時点から転職している場合
(1)①変更申請する時点で、前回の許可時点から勤務先と職務内容に変更がない場合
事情変更がない場合は、単純更新になるので容易に更新申請することができます。申請書類と必要書類を入管に提出して申請すれば問題ないと思います。必要書類は以下の通りです。
必要書類
・在留期間更新許可申請書
・パスポート
・在留カード
・前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
・住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
(2)②更新申請する時点で、前回の許可時点から勤務先に変更はないが、職務内容に変更がある場合
事情変更がある場合で、勤務先に変更はないが人事異動などで部署が変わり職務内容が変わった場合は、新しい職務内容が技人国ビザで認められた範囲の職務内容や否か注意する必要があります。新しい職務内容が、技人国ビザで認められている範囲の職務であれば問題はありません。新しい職務内容が技人国ビザで認められた範囲外の職務内容である場合は不許可となる危険性があります。また、ビザの許可要件は更新申請においても審査されますので、学歴と関連性のない職務内容に異動となった場合は不許可となる危険性があります。
(3)③変更申請する時点で、前回の許可時点から転職している場合
事情変更がある場合で転職している場合、つまり前回の許可時点から勤務先及び職務内容に変更が生じている場合は、以下の点に注意が必要です。技人国ビザでは、どのような外国人が、どのような会社で、どのような仕事をするか、について審査し許可を出しています。現在保有の技人国ビザは、前の会社で従事していた職務内容について審査し許可が出されています。転職先の会社で従事している職務内容について審査し許可されているわけではありません。よって、更新申請においては転職先の会社で従事する職務内容について審査されます。この場合の更新許可申請は、実質的には在留資格変更許可申請や在留資格認定証明書交付申請と同じです。必要となる書類も、変更許可申請や認定申請と同じ書類が必要になってきます。上記(2)と同様に、技人国ビザで認められている職務内容に該当しない場合や許可要件を充足しない場合は、不許可となります。必要書類は以下の通りです。
転職した場合の必要書類(カテゴリー1,2は除く)
・在留期間更新許可申請書
・パスポート
・在留カード
・住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
・申請人の活動内容を明らかにする資料(例えば、労働契約書)
・申請人の履歴書
・申請人の大学等の卒業証明書と成績証明書
・会社の登記事項証明書
・事業内容を明らかにする書類(会社案内等)
・直近年度の決算報告書の写し(新規事業の場合は事業計画書)
3,どんな場合に更新許可申請は不許可になりますか?
(1)技人国ビザで認められた職務内容に該当しない場合
技人国ビザで認められる職務内容は、一定の学術的基礎を必要とする専門能力が求められる職務内容である必要があります。具体的には「技術」分野ではIT・建設・機械等の技術者や設計者など、「人文知識」分野では財務や法務等の管理部門・マーケティング等の営業部門など、「国際業務」分野では翻訳通訳・国際取引・語学講師などが該当します。よって、建設や工場での現場作業や小売店でのレジ打ちといった単純作業は出来ません。転職等の事情変更が生じ、職務内容が単純労働に変更となった場合は不許可となる危険性が高いと思われます。
(2)大学や専門学校での専攻と職務内容との間に関連性がない場合
技人国ビザの許可要件を充足していない場合、更新許可申請は不許可になります。技人国ビザの許可要件の1つに、大学や専門学校での専攻内容と職務内容との間に関連性が必要とされています。転職し職務内容が変わった結果、この関連性が認められなくなった場合は不許可となる危険性が高まります。この関連性の判断において、大学卒業者に場合は専攻科目と職務内容との関連性は柔軟に審査するとされています。一方で、専門学校卒業者の場合は、専門学校が職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的とするとされていることから、関連性の判断において相当程度の関連性を必要とするとされています。
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |