帰化申請中に出国することは認められますか?

1,帰化申請中に出国できるでしょうか?

 帰化申請中に出国すること自体は、何ら問題ありません。もっとも出国する際の注意点として、以下の3点に気を付けてください。

(1)法務局担当官への連絡

 日本から出国する前に、必ず法務局の担当官に連絡を入れてください。出国スケジュールが決まったら、日本から出国する旨並びに海外の滞在場所や期間、連絡先、帰国の予定日を伝えてください。法務局に直接電話する方法で問題ありません。

(2)長期出国は避けること

 帰化許可要件の1つに住居要件というものがあります。住居要件とは、「引き続き」5年以上、日本に住所又は居所を有していなければならないというものです。「引き続き」とは在留が継続していることを意味します。1回の出国で連続して90日以上外国にいた場合は、「引き続き」と認められなくなる可能性があります。この場合、長期出国の時点から、「引き続き」5年以上の計算は、計算し直しとなります。したがって、帰化申請中に長期出国した場合、この住居要件を充足しなくなる危険性があります。以上から、帰化申請中の長期出国は避けてください。

(3)多数回の出国は避けること

 上記(2)で述べた通り、帰化許可要件の1つに住居要件があり、その内容は「引き続き」5年以上在留していることが必要です。1回の出国が90日以下の場合でも、1年間の合計出国数が100日以上の場合は、「引き続き」在留しているとは認められなくなる可能性がります。この場合も「引き続き」5年以上の計算は、計算し直しとなります。よって、帰化申請中に多数回出国し、1年間の合計出国数が100日を超えた場合、住居要件を充足しなくなる危険性があります。以上から、帰化申請中は多数回出国することは避けてください。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法