育成就労制度の監理支援事業の許可の流れを徹底解説|申請手続・要件・スケジュール

はじめに

2024年の入管法改正により、技能実習制度に代わる新制度として育成就労制度が創設されました。
この制度では外国人材の適正な受入れと人材育成を目的として、監理団体に代わる「監理支援機関」制度が導入されています。

育成就労制度において、監理型の育成就労を実施するためには、企業は必ず監理支援機関の監理支援を受ける必要があります。
そして監理支援を行う団体は、事前に監理支援事業の許可を取得しなければなりません。

本記事では、

  • 監理支援事業の許可制度の概要
  • 許可申請の流れ
  • 申請に必要な要件
  • 許可取得後の義務

について、実務的にわかりやすく解説します。


育成就労制度における監理支援機関とは

育成就労制度では、外国人を受け入れる企業(育成就労実施者)をサポートする第三者機関として監理支援機関が設けられています。

主な役割は次のとおりです。

監理支援機関の主な業務

  • 育成就労計画の作成指導
  • 外国人の受入れ支援
  • 定期監査・訪問指導
  • 外国人からの相談対応
  • 労働法令の遵守確認
  • 人権侵害の防止

技能実習制度の監理団体と似ていますが、
育成就労制度では外国人保護の強化監督体制の強化が特徴です。


監理支援事業の許可が必要な理由

育成就労制度では、監理支援事業を行うためには主務大臣(法務大臣・厚生労働大臣)の許可が必要です。

これは、監理支援機関が制度の適正な運用を担う重要な役割を持つためです。

不適切な団体が関与すると、

  • 外国人の人権侵害
  • 不法就労
  • 失踪問題
  • 違法な仲介

などの問題が発生する可能性があります。

そのため、国は許可制度により厳格に審査を行っています。


監理支援事業の許可の流れ

監理支援事業の許可は、次の手順で進みます。

① 許可申請

監理支援事業を行う団体は、
外国人育成就労機構本部へ許可申請を行います。

申請方法

  • 郵送
  • 窓口持参

また、事業開始予定の3か月前までの申請が推奨されています。


② 外国人育成就労機構による事前調査

申請後、機構が以下の調査を行います。

  • 申請書の内容確認
  • 体制の適正性
  • 財務状況
  • 人員体制
  • 法令遵守体制

この段階で、追加資料を求められる場合もあります。


③ 申請書類・調査結果の送付

調査結果は

  • 法務省
  • 厚生労働省

へ送付されます。


④ 法務省・厚生労働省による内容確認

両省が次の観点で審査を行います。

  • 法令適合性
  • 運営体制
  • 外国人保護体制
  • 財務基盤
  • 不正リスク

⑤ 労働政策審議会への意見聴取

厚生労働省は、
労働政策審議会へ意見聴取を行います。

これは制度の透明性確保のための手続です。


⑥ 許可証の発行

審査に問題がなければ

監理支援事業許可証

が交付されます。

許可証は

  • 主務大臣名
  • 外国人育成就労機構経由

で申請者に交付されます。


監理支援機関の主な許可基準

監理支援機関になるためには、次の要件を満たす必要があります。

1 法人格

監理支援機関は法人であることが必要です。

  • 事業協同組合
  • 一般社団法人
  • 株式会社

2 人員体制

以下の体制が必要です。

  • 常勤役職員
  • 監理支援責任者
  • 外国人相談体制

3 財務基盤

監理支援事業を継続できる財産的基礎が必要です。


4 外部監査体制

第三者による外部監査体制が必要です。


5 中立性

監理支援機関は

  • 受入企業
  • 送出機関

から独立した立場で運営される必要があります。


許可取得後に必要な義務

監理支援機関は、許可取得後も以下の義務があります。

定期監査

監理支援機関は

3か月に1回以上

受入企業を監査します。


監査報告

監査結果は

2か月以内に報告

する必要があります。


事業報告

毎年

4月〜5月

に事業報告書を提出します。


変更届

役員変更や住所変更などがあれば

1か月以内に届出

が必要です。


監理支援事業許可の注意点

監理支援機関の許可は取得すれば終わりではありません。

次の場合は

  • 事業停止
  • 許可取消

になる可能性があります。

主な取消理由

  • 法令違反
  • 虚偽申請
  • 外国人の人権侵害
  • 不正な送出機関との関係

監理支援機関には高度なコンプライアンスが求められます。


よくある質問(Q&A)

Q1 技能実習の監理団体は自動的に監理支援機関になりますか?

なりません。

技能実習の監理団体であっても、
育成就労制度では新たに許可申請が必要です。


Q2 監理支援機関の許可にはどれくらい時間がかかりますか?

一般的には

3〜6か月程度

かかる可能性があります。


Q3 株式会社でも監理支援機関になれますか?

可能です。

ただし

  • 中立性
  • 外部監査体制

などの要件を満たす必要があります。


Q4 監理支援機関の監査はどのくらいの頻度ですか?

原則

3か月に1回以上

監査を行う必要があります。


Q5 監理支援機関が違反した場合はどうなりますか?

次の行政処分が行われる可能性があります。

  • 改善命令
  • 事業停止
  • 許可取消

まとめ

育成就労制度では、外国人材の適正な受入れのために監理支援機関制度が重要な役割を担います。

監理支援機関になるためには

1 監理支援事業許可申請
2 外国人育成就労機構の調査
3 法務省・厚労省の審査
4 労働政策審議会の意見聴取
5 許可証交付

という手続が必要です。

また許可取得後も

  • 定期監査
  • 報告義務
  • 法令遵守

など厳格な管理が求められます。

育成就労制度は技能実習制度の課題を踏まえて設計された制度であり、
監理支援機関にはこれまで以上の責任が求められることになります。

制度を正しく理解し、適切な運営体制を整えることが重要です。

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参考リンク

 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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