プロゲーマー(eスポーツ選手)が興行ビザを申請する際の注意点【新基準対応】— 在留資格「興行」最新審査基準を行政書士が解説 —

はじめに

近年、日本国内ではeスポーツ市場が急速に拡大し、海外のプロゲーマー(eスポーツ選手)が日本の大会やリーグに参加する機会も増えています。賞金総額の大きい大会や国際大会が開催される中で、外国人選手を日本に招聘する際には、適切な在留資格を取得する必要があります。

多くの場合、プロゲーマーが日本で大会に参加する場合は**在留資格「興行」**が利用されます。
これは、スポーツ大会やイベントなど、観客や配信視聴者に対して競技を行う活動が「興行活動」に該当するためです。

ただし、興行ビザの審査は2020年代以降、不法就労対策や興行産業の透明化を目的として審査基準が厳格化されており、特に新しい分野であるeスポーツでは、申請の準備不足により大会に間に合わないケースも見られます。

そこで本記事では、出入国在留管理庁の公開資料を参考に、プロゲーマー(eスポーツ選手)が興行ビザを申請する際の注意点を新基準に基づいて詳しく解説します。


プロゲーマーは興行ビザで来日できるのか

在留資格「興行」は、日本で次のような活動を行う外国人に与えられる在留資格です。

  • 演劇
  • 演芸
  • 音楽演奏
  • 芸能活動
  • スポーツ競技
  • その他の興行活動

eスポーツ大会は、観客・配信視聴者に対して競技を披露するイベントであり、スポーツ競技型の興行活動として扱われます。

そのため、海外のプロゲーマーが日本の大会に出場して賞金や出演料を得る場合、通常は**在留資格「興行」**が必要になります。

実務上は次の区分が該当することが多いです。

興行2号

興行2号は次のようなケースを対象とします。

  • スポーツ競技大会
  • 国際大会
  • 招待大会
  • プロリーグ
  • イベント出演

eスポーツ大会はこの興行2号で申請されることが一般的です。


プロゲーマーが興行ビザを申請する際の注意点【新基準】

プロゲーマーの興行ビザ申請では、次のポイントが重要になります。

  1. 大会日程と審査期間
  2. ゲーム大会の実績
  3. 招聘機関(大会主催者)の信頼性
  4. 報酬契約の透明性
  5. 活動内容の具体性

以下で詳しく解説します。


(1)大会日程と審査期間

プロゲーマーの興行ビザ申請では、大会日程と審査期間の調整が非常に重要です。

在留資格認定証明書の審査期間は一般的に

約1〜3か月

程度とされています。

しかし、次のような場合には審査が長引く可能性があります。

  • 新しい大会形式
  • eスポーツ大会(前例が少ない)
  • 主催者の実績が少ない
  • 海外企業主催イベント

特にeスポーツ大会は

  • 直前に出場者が決まる
  • オンライン予選後に招待される

などの特徴があり、大会決定から開催までの期間が短いケースが多いです。

そのため、出場が決定してから準備を始めると、

  • 在留資格認定証明書が間に合わない
  • 日本入国が大会後になる

という問題が発生する可能性があります。

実務上の対策

大会主催者は、次のような対策を取ることが重要です。

  • 大会企画書を早期作成
  • 招聘状を事前準備
  • 出場予定選手リストの作成
  • 行政書士への早期相談

理想は大会開催の2〜3か月前に申請することです。


(2)ゲーム大会の実績が審査対象

興行ビザ3号の許可要件として、大会実績は法律上の必須条件ではありません。

しかし、実務では次のような点が審査される場合があります。

  • 国際大会出場歴
  • 大会優勝歴
  • 世界ランキング
  • プロチーム所属
  • 配信活動実績

これらは、

  • プロ選手としての活動実態
  • 招待の合理性
  • 報酬の妥当性

を判断する材料となります。

実績が少ない場合

大会実績が少ない場合でも、次の資料を提出することで補強できます。

  • プロチーム契約書
  • 大会出場履歴
  • ランキングデータ
  • 配信実績
  • SNSフォロワー数

つまり重要なのは、
**「プロとして継続的に活動していること」**を証明することです。


(3)大会主催者(招聘機関)の信頼性

興行ビザでは、外国人を招く主催者の信頼性も重要な審査ポイントになります。

特にeスポーツ大会では、

  • 新設イベント
  • 小規模大会
  • 海外企業主催

なども多いため、次の点が確認されます。

確認される内容

  • 主催企業の会社概要
  • 大会開催実績
  • 大会の規模
  • 観客数
  • 配信プラットフォーム
  • スポンサー

興行としての実体が弱い場合、
単なるイベント出演と判断されない可能性もあります。


(4)報酬契約の透明性

興行ビザでは、報酬の内容も審査対象になります。

eスポーツ大会では報酬形態が多様です。

主な報酬

  • 出場報酬
  • 賞金
  • スポンサー契約
  • チーム契約

重要なのは

  • 誰が支払うのか
  • いくら支払うのか
  • いつ支払うのか

が明確であることです。

契約書や大会規約などで、報酬体系を明確にすることが重要です。


(5)活動内容の具体性

新基準では、活動内容の具体性が重視されます。

つまり、

  • いつ
  • どこで
  • 何をするのか

が明確でなければなりません。

必要な資料の例

  • 大会スケジュール
  • 会場資料
  • 出場選手リスト
  • イベント企画書
  • 配信スケジュール

これらにより、実際に興行イベントが開催されることを証明します。


プロゲーマーの興行ビザ申請に必要な主な書類

主な提出書類は次の通りです。

基本書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真
  • パスポート写し

興行関連書類

  • 招聘理由書
  • 大会企画書
  • 大会スケジュール
  • 契約書
  • 報酬説明書

主催者資料

  • 会社概要
  • 登記事項証明書
  • 決算書

選手資料

  • プロチーム契約書
  • 大会実績
  • 活動履歴

よくある質問(Q&A)

Q1 プロゲーマーは短期滞在ビザで大会に出場できますか?

賞金や出演料など報酬を得る場合は興行ビザが必要です。
無報酬イベントであれば短期滞在が認められる可能性があります。


Q2 プロチームに所属していない選手でも興行ビザは取得できますか?

可能です。
ただし、大会実績や活動実績など、プロとしての活動を証明する資料が必要です。


Q3 個人プレイヤーでも申請できますか?

可能です。
大会主催者が招聘機関となることで申請できます。


Q4 eスポーツ配信イベントでも興行ビザは必要ですか?

配信イベントでも報酬が発生する場合は、興行ビザが必要になる可能性があります。


まとめ

プロゲーマー(eスポーツ選手)が日本の大会に参加する場合、多くの場合**在留資格「興行」**が必要になります。

特に新基準では次の点が重要です。

重要ポイント

1 大会日程と審査期間
2 大会実績
3 主催者の信頼性
4 報酬契約の透明性
5 活動内容の具体性

eスポーツ大会は開催までの期間が短いことが多いため、早めのビザ申請準備が成功の鍵となります。

外国人プロゲーマーの招聘や国際大会開催を予定している場合は、入管手続きの専門家に相談しながら申請準備を進めることをおすすめします。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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