外国人プロゲーマー(eスポーツ選手)でも興行ビザは取れる?在留資格「興行」の種類と申請ポイントを行政書士が解説
目次
はじめに
近年、世界的に注目されているeスポーツ(e-sports)。
日本でも大規模な大会や国際大会が開催され、海外のプロゲーマーが来日する機会が増えています。
そこでよくある質問が次のようなものです。
- 外国人プロゲーマーは日本でプレーするためにどのビザが必要?
- eスポーツ選手は「興行ビザ」を取得できる?
- 興行ビザの何号に該当する?
結論から言うと、外国人プロゲーマー(eスポーツ選手)は在留資格「興行」で来日することが可能です。
ただし、どの基準に該当するか、主催者の体制や大会内容などによって審査のポイントがあります。
この記事では、行政書士の実務目線で以下を詳しく解説します。
- eスポーツ選手と興行ビザの関係
- 興行ビザの「何号」に該当するのか
- 申請の条件
- 必要書類
- 実務上の注意点
外国人eスポーツ選手の招へいを考えている企業・大会主催者の方はぜひ参考にしてください。
興行ビザ(在留資格「興行」)とは
在留資格「興行」とは、演劇・音楽・スポーツなどの興行活動を行う外国人のための在留資格です。
出入国在留管理庁によると、興行ビザは次のような活動を対象としています。
演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動
(出典:出入国在留管理庁)
例えば以下の職業が該当します。
- 俳優
- 歌手
- ダンサー
- モデル
- プロスポーツ選手
- 格闘家
- サーカス団員
つまり、観客に見せるエンターテインメントとしての活動が対象になります。
eスポーツ大会も観客・視聴者を対象とした競技イベントであるため、
興行ビザの対象になり得るのです。
eスポーツ選手は興行ビザを取得できる?
結論として、外国人eスポーツ選手は興行ビザを取得できます。
海外のプロゲーマーが日本で大会に参加する場合、
報酬や賞金が発生することが多いため、短期滞在ではなく就労資格が必要になります。
実務上、外国人プロゲーマーは次の在留資格で来日するケースが一般的です。
- 在留資格「興行」
大会参加で賞金・出演料などの報酬がある場合、
観光ビザ(短期滞在)での参加は原則できません。
大会主催者は、適切な在留資格を取得したうえで外国人選手を招へいする必要があります。
eスポーツ選手は興行ビザの「何号」?
興行ビザには、活動内容に応じて複数の基準があります。
主な区分は次のとおりです。
興行ビザは活動形態により基準が分けられ、許可要件や必要書類が異なります:
| 基準 | 主な対象活動 |
|---|---|
| 1号 | 演劇・演芸・歌唱・舞踏・演奏 |
| 2号 | 演劇等以外の興行(スポーツ・大会等) |
| 3号 | 制作・撮影等の芸能関連活動 |
| ※令和5年の法令改正以降、より細かな基準整理が行われています。 |
このうち、eスポーツ選手は主に以下に該当します。
興行ビザ基準2号
入管の基準では、次の活動が該当します。
外国人の方が、演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行以外の興行(スポーツなど)に係る活動を行おうとする場合
(出典:出入国在留管理庁)
つまり、
スポーツ競技としての活動
が対象になります。
そのため実務では
- プロスポーツ選手
- 格闘家
- eスポーツ選手
などが該当します。
実務上、eスポーツ大会は
興行ビザ(基準2号)
で申請されるケースが多いです。
eスポーツ選手の興行ビザの主な要件
外国人プロゲーマーが興行ビザを取得するためには、次のような条件が審査されます。
1 主催者の信頼性
入管審査では、次の点が確認されます。
- 大会主催者
- 興行主
- 招へい機関
主催者の信用性が低い場合、
不法就労防止の観点から不許可になる可能性があります。
例えば
- 会社の実態
- 過去のイベント実績
- 財務状況
などが審査されます。
2 大会の実態
次のような資料が必要になります。
- 大会企画書
- スケジュール
- 会場資料
- チラシ
- 観客予定人数
つまり、
本当に開催される大会なのか
が審査されます。
3 報酬契約
eスポーツ大会では
- 出場報酬
- 賞金
- 出演料
などが発生する場合があります。
そのため、次の書類が必要になることが多いです。
- 契約書
- 報酬条件
- 支払方法
eスポーツ興行ビザの在留期間
興行ビザの在留期間は次の通りです。
- 3年
- 1年
- 6か月
- 3か月
- 30日
大会参加の場合は
30日〜3か月
など短期になることが多いです。
eスポーツ選手の興行ビザ申請の流れ
一般的な手続きは次のとおりです。
① 在留資格認定証明書申請
日本の主催者が入管に申請します。
必要書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 契約書
- 大会資料
- 主催者資料
② 在留資格認定証明書発行
審査期間
1〜3か月程度
③ 海外の日本大使館で査証申請
必要書類
- 在留資格認定証明書
- パスポート
- ビザ申請書
④ 来日
ビザ取得後、来日して大会に参加します。
eスポーツ選手のビザ申請でよくあるトラブル
実務では次のような相談が多くあります。
観光ビザで大会参加
これは違法になる可能性があります。
賞金や出演料が発生する場合は
就労資格(興行ビザ)が必要
です。
招へい機関が不明確
大会主催者
スポンサー
イベント会社
などの責任主体が不明確だと審査が厳しくなります。
契約書がない
大会参加でも
- 契約書
- 招へい状
などは必要になります。
【Q&A】外国人プロゲーマーのビザ
Q 外国人プロゲーマーは短期滞在ビザで来日できますか?
原則できません。
大会参加で報酬・賞金が発生する場合、
興行ビザが必要になります。
Q eスポーツ選手は就労ビザですか?
はい。
在留資格「興行」は就労可能な在留資格です。
Q ストリーマーや配信者は興行ビザですか?
ケースによります。
例えば
- 配信イベント出演
- ファンイベント出演
などは興行ビザになる可能性があります。
Q 長期で日本のチームに所属する場合は?
場合によっては
- 興行ビザ
- 特定活動
など別の在留資格が検討されます。
行政書士からの実務アドバイス
eスポーツ大会の外国人招へいは、実務上かなり注意が必要です。
特に次のポイントが重要です。
- 大会実態の証明
- 招へい機関の信用性
- 契約内容
- スケジュール
大会直前に相談されるケースも多いですが、
ビザ申請は1〜3か月程度かかるため早めの準備が重要です。
まとめ
外国人プロゲーマー(eスポーツ選手)は、日本の大会に参加する際に興行ビザを取得することが可能です。
ポイントをまとめると次のとおりです。
- eスポーツ選手は在留資格「興行」の対象
- 主に興行ビザ基準2号または3号に該当
- 大会参加で報酬がある場合は就労資格が必要
- 主催者の信頼性や大会の実態が審査される
- 申請には契約書・大会資料などが必要
eスポーツ市場は今後さらに拡大すると予想され、
外国人プロゲーマーの来日も増えるでしょう。
大会主催者や企業は、適切なビザ手続きを理解し、
合法的に外国人選手を招へいすることが重要です。
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参考リンク:
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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