研修ビザの申請人である外国人研修生の要件とは?【在留資格「研修」ガイド】
目次
はじめに
日本政府が定める在留資格のひとつに、在留資格「研修」(いわゆる「研修ビザ」)があります。これは外国人が日本の公私の機関に受け入れられて、技術・技能・知識を修得する活動に従事するための在留資格です。技能実習制度や留学とは異なる位置づけであり、賃金を目的とする就労とは明確に区別されています。
本記事では、研修ビザ(在留資格「研修」)における申請人たる外国人研修生の要件を、制度の趣旨から具体的要件・必要書類、注意点まで網羅的に解説します。
1. 在留資格「研修」とは何か?
在留資格「研修」とは、日本の公的・民間の機関に招へいされた外国人が、日本国内で技能や知識を修得する活動を行う際に付与される在留資格です。技能実習とは別区分で、技能の習得を目的としながらも就労を伴わない研修を想定しています。
日本へ入国する研修目的の外国人のビザは「General visa: Training」として扱われ、**Certificate of Eligibility(在留資格認定証明書)**を取得し、その後ビザ申請を行うのが基本手続きです。
2. 申請人である外国人研修生の基本要件
研修ビザにおける申請人(研修生)には、在留資格法令(入管法別表第一・上陸基準省令)に定められた要件が存在します。以下は主要な要件です。
2-1. 技能等の修得の性質
- 修得しようとする技術・技能・知識は、単純作業の反復で得られるものではないこと。
入管法上、単純労働に近い内容だけでは研修と認められません。技能習得のための体系的・専門的な内容が求められます。
2-2. 年齢(18歳以上)
- 申請人である研修生は原則として18歳以上であること。
未成年者であっても例外的に認められるケースはありますが、基本的には18歳未満は対象外です。
2-3. 帰国後の活用が予定されていること
- 帰国後、修得した技能等を活用する業務に就く計画があること。
単に日本で学ぶだけでなく、帰国後にその技能を活かす意思・計画が求められます(母国の企業や組織で使う予定がある等)。
2-4. 住所地国で修得困難な技能等
- 住所地国で修得が困難な技能等であること。
母国で似た研修が容易に受けられる場合、日本で学ぶ必要性が認められにくくなります。
2-5. 指導体制が保証されていること
- 研修を行う受入れ機関に、該当技能に5年以上の経験を持つ研修指導員が常勤していること。
これは研修体制が適切であることの証左として重要な要件です。
3. 研修ビザ申請に必要な条件・証明資料
在留資格「研修」の申請では、要件を以下の資料で立証します。提出書類は地方出入国在留管理局に提出する際に検査され、要件を満たさないと申請が不許可になる可能性があります。
必須の提出資料(主な例)
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(規定サイズ)
- 招へい理由書
- 修得技能等・研修計画について記載された文書
- 研修実施予定表
- 日程、項目、場所、実施方法を明示
- 研修生処遇概要書
- 研修時間・条件・待遇等を明確化
- 帰国後の職務予定証明
- 見込み職務、復職予定等の証明書
- 申請人の職歴証明書(履歴書)
- 研修指導員の職歴証明書(履歴書)
- 送出し機関(準備機関)の概要・公的証明
- 受入れ機関の概要・登記簿謄本等
- 必要に応じてあっせん機関の資料
※診療用粒子線照射装置関連の臨床修練の場合は、別途派遣証明が必要となります。
4. 研修の性質:実務研修と非実務研修の違い
在留資格「研修」では、「実務研修」と「非実務研修」で許容範囲が異なります。
4-1. 非実務研修(座学・見学等)
非実務研修とは、講義・見学・座学中心の研修であり、実際の企業生産やサービス提供に従事しない活動です。在留資格「研修」では主にこの非実務研修が想定されています。
4-2. 実務研修(実作業等)
一般の法人が労働としての実務を伴う研修を提供する場合は、在留資格「研修」ではなく、**在留資格「技能実習」**としての扱いになることが基本です。
ただし、国・地方公共団体等の公的研修として認められる実務研修については、在留資格「研修」での受入れが可能なケースもあり、各種ガイドラインがあります。
5. 研修ビザの在留期間
在留期間は、申請した研修計画に基づいて、3ヶ月・6ヶ月・1年という期間が一般的ですが、審査官の裁量により決定されます。これは研修の内容と期間に合理性があるかを基準に判断されます。
6. 在留資格認定証明書の申請と審査プロセス
研修ビザにおいては、まず日本の受入れ側が在留資格認定証明書を申請し(地方出入国在留管理局)、その証明書を受け取った後に日本大使館・領事館でビザ申請を行う流れが一般的です。これにより、海外からスムーズに来日できる手続きになります。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 研修ビザで給料(賃金)はもらえますか?
A: 基本的に研修ビザは学習目的のための在留資格であり、「賃金を得る労働」は認められていません。受入れ機関が生活費等を支援する場合でも、それは「研修手当」として扱われ、労働としての賃金とは区別されます。
Q2. 研修ビザと技能実習ビザの違いは何ですか?
A: 研修ビザは技能・知識の習得を目的とし、実務を伴わないことが前提です。技能実習ビザは、実務経験を通じて技能を習得することが目的とし、実作業を含みます。要件や監督団体・保護ルールが全く異なります。
Q3. 受入れ機関側に責任はありますか?
A: はい。受入れ機関は適切な研修体制(研修指導員の配置・計画の策定・処遇情報の提供等)を整え、必要書類を用意する責務があります。証明書類に不備があると審査が長引く・不許可となる可能性があります。
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参考リンク
まとめ
在留資格「研修」(いわゆる研修ビザ)は、日本で技能・技術・知識を修得するための在留資格であり、その申請人である外国人研修生には複数の法定要件が存在します。研修生は18歳以上であること、技能等が単純作業ではないこと、日本で学ぶ必要性があること、帰国後にその技能を活かす計画があること、そして適切な指導体制があることなどが求められます。
申請手続きは細部まで文書で立証する必要があり、不備があると不許可のリスクがあります。そのため、入管法の理解を深め、正確な書類準備と計画立案が重要です。また、技能実習との違いを適切に理解して、目的に合ったビザ申請を行いましょう。
このガイドが、研修ビザを検討する企業・機関および研修生本人にとって有益な情報となれば幸いです。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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