「経営管理ビザ」共同経営の場合の経営者の業務分担とは?— 在留資格「経営・管理」共同経営者がビザ要件を満たすための役割・業務設計ガイド
目次
はじめに:共同経営と経営管理ビザの基本概念
在留資格「経営・管理」(一般に「経営管理ビザ」)は、外国人が日本で会社を設立し事業を経営・管理する活動に与えられるビザです。これは新規起業だけでなく、既存事業への参画・管理にも適用されます。
共同で事業を行う場合、単に役員名簿に複数人を載せるだけではなく、各自が実際に会社運営に従事していることの証明が必要です。
すなわち、共同経営者それぞれが役割・責任・意思決定権を明確にし、かつ実務負担が合理的に分担されていることが審査で重要視されます。
この記事では、共同経営者が経営管理ビザを取得するための業務分担、具体例、審査ポイント、注意点、そして実務Q&Aまで包括的にまとめました。
この記事で分かること
- 経営管理ビザの共同経営とは
- 共同経営における業務分担とは何か
- 入国管理局(出入国在留管理庁)が評価する審査ポイント
- 共同経営でビザを取得するための具体的事例
- 業務分担設計の実務ポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:共同経営の成功設計
1. 経営管理ビザの共同経営とは
共同経営とは、複数の経営者がそれぞれ出資し、同じ会社の意思決定や業務執行に実質的に関与する体制を指します。これには、日本人と外国人の組合せはもちろん、外国人同士での共同経営も含まれます。
よくあるケース
- 外国人2人が共同で会社を設立し、経営管理ビザを申請
- 外国人1人+現地パートナー(日本人)での共同経営
- 複数の外国人が取締役や執行役員として参画
このような体制でビザを申請する場合、各人がその会社で担う役割の明確化が不可欠です。
2. 経営管理ビザにおける「業務分担」とは何か?
共同経営でビザ申請をする場合、単に会社の役員に名を連ねるだけでは不十分です。入国管理局は次の点を重視します。
業務分担のポイント
- 役割・責任の明確性
→ 共同経営者それぞれが具体的にどの業務を担当し、意思決定に関与しているかを明確にすること。 - 経営・管理と判断できる活動であること
→ 商品発注、単純作業、会計記録だけでは“経営・管理”とは認められません。経営判断、事業戦略策定、意思決定、組織統括等が重要です。 - 各自の実務負担が合理的に存在すること
→ 会社の事業規模や売上・従業員数などと比較して、複数人で分担する必要性が審査される。
具体例:業務分担の構造
| 共同経営者 | 主な役割 | 対応業務例 |
|---|---|---|
| A氏 | 国際営業・マーケティング | 海外取引開拓・販路開拓 |
| B氏 | 管理統括・財務 | 財務戦略立案・会計管理・法令対応 |
| C氏 | オペレーション統括 | 在庫管理・人材採用・現場改善 |
※ 上記は審査上評価されやすい、経営的な意思決定権・責任範囲の分担例です。
3. 出入国在留管理庁(入管)が評価する審査ポイント
共同経営で重視される5つの視点
- 「合理的な共同経営の必要性」があるか
→ 事業の規模・内容から複数人で運営する合理性があるか。 - 各共同経営者の職務内容が明確か
→ 会社組織図/業務分担書/職務記述書などで証明可能か。 - 管理・経営への意思決定権を保有しているか
→ 取締役会での権限・決定プロセスの説明が可能か。 - 報酬や給与体系が合理的か
→ 役員報酬や給与が明確に設計されているか。 - 各自の業務量と責任がバランスしているか
→ 単純な分担ではなく、各人の役割に見合った業務量があるか。
認定されない業務例(評価対象外)
- 名義上の役員に過ぎない
- 単なる出資者
- 実際の管理・判断に関与していない
4. 共同経営でビザを取得するための具体的事例
事例①:外国人2人が共同で輸入会社を設立
- 両者が出資し、役員に就任
- A氏:通関・海外取引担当
- B氏:商品品質管理・経理担当
→ 個別に意思決定・戦略策定・業務執行が明確化され、双方のビザが許可された事例あり。
事例②:外国人1人+日本人パートナー
- 日本人が現地統括・社内統制、外国人が海外開拓
→ 海外戦略を明確化し、外国人のビザが許可されたケースあり。
※ 役割分担が“明確”であり、かつ“経営判断に関与”していることが認められやすいと考えられます。
5. 業務分担設計の実務ポイント
業務分担書の作り方(審査に強い設計)
作成時は以下を明確に記載すること:
- 役割名・職務内容の明確な説明
- 意思決定プロセスの説明
- 評価指標や責任範囲
- 報酬体系・給与設計
- 日々の業務フローと役割分担
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 共同経営者は何人までビザ申請できる?
A: 法令上の上限はありませんが、規模・必要性があることを説明する必要があります。 事業規模と比較して過剰人数と判断されると拒否される可能性があります。
Q2. 役員報酬は必須ですか?
A: はい。入管は実務参加の証として役員報酬が支払われているかを重視するケースがあります。報酬が不合理だと、審査が厳しくなります。
Q3. 単純な分担(営業と総務だけ)は認められますか?
A: 職務が単なる事務・ルーティンになると評価されにくいです。経営戦略、組織統括、意思決定など経営的判断が含まれる業務である必要があります。
Q4. 共同経営で2人とも一定の日本語能力が必要ですか?
A: 現行では少なくとも申請者または常勤職員の誰かが日本語能力を持つことが必要です(改正後要件)。
7. まとめ:共同経営は「実質」重視の時代
経営管理ビザにおける共同経営は、単なる名義的な役員ではなく、各自が実態として経営・管理に従事しているかどうかが評価されます。したがって、役割分担の明確化・意思決定プロセス・実務体制の証明が重要です。
共同経営の場合は、特に「なぜ複数人で経営する必要があるのか」を**事業計画書・役割分担書・組織図・報酬体系などで説明できるように整えておくことがポイントです。
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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