永住許可申請における「独立生計要件」と扶養人数別年収目安

対象読者

  • 永住ビザ(永住許可)をこれから申請する人
  • 就労ビザから永住ビザへ切り替えたい人
  • 扶養家族がいる人(配偶者・子ども・海外扶養親族)

1. 永住許可申請(永住ビザ)とは

**永住許可(永住ビザ)**とは、日本に期限なく滞在できる在留資格です。
在留資格の更新や就労制限がなくなるため、在留生活の安定性・利便性が飛躍的に高まります。

永住許可申請は法務省・出入国在留管理庁が審査を行い、複数の要件を満たす必要があります。


2. 永住許可の要件(公式)

出入国在留管理庁が公表しているガイドライン(令和7年10月30日改訂)によると、永住許可申請の要件は大きく次の3つです。

① 素行が善良であること

  • 日本の法律を遵守し、社会的に非難されない生活を営んでいること。
  • 前科や重大犯罪歴がある場合は不許可になる可能性。

② 独立の生計を営むに足りる資産又は技能

  • 公的扶助(生活保護など)に頼らず、安定した生活が将来にわたって見込めること
  • 収入/資産/職歴等を総合的に判断。

③ 日本国の利益に合致すること

  • 原則として、日本で 連続10年 在留していること(就労/居住資格で5年以上含む)。
  • 公的義務(税金/年金/保険料)を適切に履行していること。

公式要件は上記ですが、収入・年収に関する明確な数値基準は公開されていません。あくまで審査官の総合判断となります。

公式情報はこちら:


3. 「独立生計要件」とは何か?

「独立生計要件」とは、永住申請者が日本で公的負担を受けずに生計を営めることを示すもので、収入・税金・社会保険加入状況などが審査対象になります。

重要なポイント:

  • 収入や資産が安定しているか
  • 職業が安定しているか
  • 扶養家族と生活費のバランスが取れているか
  • 世帯全体の収入バランス(配偶者含む)が審査されることもある

4. 年収の判断基準:公式と実務上の目安

公式基準

現行のガイドラインには年収等の数値基準は記載されていません。つまり法律上「年収○○万円」という数字は規定されていません。

実務上の目安(多数の審査実例に基づく)

  • 年収300万円以上を目安とする事例が多い。
  • 扶養家族がいる場合、その人数に応じて「年収+α」を実務で評価することが一般的に多い。
  • 年収は「直近5年の年収」や「連続した安定した年収」として評価される傾向。

5. 扶養人数が増えると必要年収はどれだけ変わる?

実務の目安として、「扶養人数が1人増えるごとに年収+70〜80万円」が審査上の基準とされるケースが多いです。

その理由:

  • 扶養家族が増えると生活費負担が増えると審査されるため。
  • 住民税・所得税・社会保険料等の控除額も変動するため、可処分所得が下がる。

配偶者1人=年収+70万円
子ども/扶養家族1人=年収+70〜80万円
という目安で判断される例が多いですが、あくまで実務上の数字です。


6. 年収目安一覧(ケース別)

以下はあくまで審査実務上よく例示される目安であり、必ずこの金額で許可されるわけではありません。実際の審査は総合判断です。

扶養人数年収目安(実務)
単身約300万円
配偶者有り約370万円
配偶者+1子約440〜450万円
配偶者+2子約510〜530万円
多数扶養(例:5人以上)300万円+70×人数(例:5人で650万円以上)

※ 海外扶養家族も扶養と判断される場合あり。


7. 年収以外の審査ポイント

独立生計要件は年収だけで判断されるものではありません。以下の要素も重要です:

税金・社会保険の支払い状況

  • 過去の住民税・所得税・年金・健康保険の支払実績
  • 納税証明書・納税状況の提出が必要

直近の在留資格・就労状況

  • 最長の在留期間(3年/5年)を保有していることが望ましい
  • 就労ビザであれば転職後の安定性も評価対象

生活状況の安定性

  • 資産(預貯金・不動産等)や職歴が安定していること
  • 転職直後や起業直後は審査が厳しくなる場合もある

8. よくあるQ&A

Q1. 年収300万円以下でも永住申請は可能?
A1. 公式基準に数値はありませんが、審査官は「安定した生計が見込めるか」を重視します。収入が低い場合でも、配偶者収入合算や資産(預貯金等)が審査に影響する場合があります。

Q2. 扶養家族が海外にいる場合も年収基準は上がる?
A2. 母国の家族に送金していること等を証明できれば、実務上は扶養とみなされ、年収基準が上がる場合があります。

Q3. 配偶者ビザ(日本人の配偶者等)から永住申請する場合、独立生計要件はどうなる?
A3. 配偶者ビザの場合、独立生計要件は適用されない場合もあります。つまり年収基準は緩くなるとされる審査例もあります。

Q4. 年収は世帯収入?本人収入?
A4. 原則は「世帯収入」で判断されますが、配偶者が就労不可の資格(家族滞在等)の場合は本人の収入のみ評価されるケースもあります。


9. まとめ(申請成功のポイント)

永住許可申請の独立生計要件は公式に数値基準がありませんが、 審査実務においては年収300万円を基準とし、扶養1人につき70〜80万円程度を加算する評価が一般的とされています

また、申請成功のためには、以下の点も非常に重要です:

  • 過去の納税・社会保険加入の適正履行証明
  • 安定した職歴・収入の履歴
  • 扶養家族の生活費バランス・証明書類の充実
  • 直近5年の収入記録・住民税証明の提出

これらを準備することで、審査官に「安定した生計」という印象を与え、永住許可の成功率を高められます。

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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