外国人ミュージシャンの興行ビザ1号(在留資格「興行」基準1号)の許可要件とは?
外国人ミュージシャンが日本でライブ、コンサート、パフォーマンス活動を行う場合、在留資格 「興行」 のうち 基準1号(いわゆる 興行ビザ1号)が適用されます。
このビザは日本の文化交流を促進しつつ、外国人芸術家等の就労活動を認める制度ですが、要件の審査は厳格です。
(※以下、公式資料を参照しながら解説します)
参照リンク
- 📑 法務省 出入国在留管理庁「在留資格『興行』」(公式) — https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/entertainer.html
- 📄 法務省「在留資格『興行』に係る上陸基準省令等の改正」 — https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00150.html
目次
1. 「興行ビザ」とは?
在留資格「興行」は、外国人が 歌唱・演奏・ダンス・演劇等の興行活動 のために日本で活動することを認める在留資格です。
演奏家、歌手、ダンサー、俳優、スポーツ選手などが対象で、俗に エンターテインメントビザ と呼ばれます。
基本の在留資格該当例
- ライブ・コンサート出演者(ミュージシャン)
- 舞台俳優
- ダンサー
- スポーツ選手(興行性のある試合等)
- 上記の随行スタッフ(条件あり)
在留期間は 30日〜3年まで幅があります。
2. 興行ビザ1号とは?
興行ビザは上陸基準(入管法で定める審査基準)によって以下に分かれます:
| 区分 | 内容 |
|---|
| 1号(イ・ロ・ハ) | 演奏、舞台公演等 演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏 に該当する場合 |
| 2号 | スポーツ等の興行活動 |
| 3号 | 興行以外(宣伝、映画制作等) |
本記事は 「1号」 の要件を解説します。
3. 興行ビザ1号 許可要件の全体像
基準 1号 はさらに 「イ」「ロ」「ハ」 の3つに分類されます。
ミュージシャンが主に該当するのは 「基準1号イ」 または 「基準1号ロ」 です。
3-1. 基準1号イ(最も一般的な公演ケース)
条件
外国人ミュージシャンが 日本の公私の機関との契約に基づき、演奏等を行う場合 で、
公演場所が 風俗営業法(第2条第1項1〜3号)に規定する営業施設以外 で行われること。
「風俗営業法の営業施設」とは?
風営法にいう営業施設とは、例として:
- キャバレー
- キャバクラ
- スナック
- 遊興を伴う飲食店等
など、接待・有償飲食を伴う営業施設です。
これらの施設では、興行活動としての認定が難しいとされています。
3-2. 基準1号ロ(特定の公演条件)
基準1号ロは以下のようなケースに該当します:
- 国、地方公共団体が主催する公演
- 文化交流目的の公演
- 大規模施設(敷地面積10万㎡以上)における継続的公演
- 客席で飲食有償提供がない施設での公演(収容人数100人以上条件など)
- ギャラ(日額50万円以上)の活動で30日以内滞在 など
※ これらは 一定の例外条件として要件が緩和される場合 を示しています。
基準1号ハ(特殊ケース)
基準1号ハは、特定の条件を満たしつつ 基準1号イ・ロに該当しない活動 の場合などに使われます。
本記事では一般的なミュージシャンケースではなく、実務要件が複雑になるため別途専門相談が必要です。
4. 興行ビザ1号 許可要件 詳細
① 契約関係
- 日本の公私の機関との契約書が必要
→ 雇用や出演契約を正しく締結し、契約書を証拠として添付する必要があります。
(契約内容、報酬、仕事内容が明確であること)
② 公演内容・場所
- 演奏・公演活動が ライブ・コンサート・ステージ等として成立していること
- 公演場所が 風営法の営業施設 に該当しない(または例外条件に該当)こと
③ 実績・能力の証明
1号申請では ミュージシャン本人の能力や実績を証明 する必要があります。
例:
- 過去の演奏実績(海外・国内)
- 作品履歴、受賞歴
- 学歴(音楽大学等)
- メディア掲載歴、プロとしての活動証明
など。これらが審査で重視されるポイントです。
④ 収入・報酬
- 基準1号ロでは 報酬額(日額50万円以上) が評価要件になるケースがあります。
ただし全てのケースに該当するわけではないので、個別審査要素として提出します。
⑤ 公演期間・滞在期間
- 日本滞在予定期間(30日〜3年程度)を明確に記載し、
その間の活動計画書を提出することが要件です。
5. 必要書類(概略)
興行ビザ1号の申請には以下のような書類が必要になります:
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 契約書/出演同意書
- 活動計画書(演奏日程等)
- 所属団体紹介・過去活動証明
- 報酬に関する証明(契約金額、支払証拠)
- 公演場所の詳細(会場情報)
- パスポート・身分証明書類
※ 必要書類はケースにより異なります。公式資料を必ず確認してください。
6. よくあるQ&A
Q1. 興行ビザ1号と芸術ビザは何が違う?
興行ビザは 観客前で収入を得る活動 に使い、
「芸術」ビザは 収入を伴わない創作活動 や美術・文芸に用いられます。
Q2. クラブやライブハウスの公演は取得できる?
基準1号イでは 風営法適合外施設での公演 が基本です。
クラブ等の場合は 基準1号ロの例外条件 を満たす必要があります。
Q3. 申請はどこで行う?
在外公館(海外申請)または 地方出入国在留管理局 で申請します。
Q4. 審査期間はどのくらい?
通常 1〜3ヶ月程度 ですが、書類不足や内容精査により延びる場合があります。
7. 審査ポイント解説(行政書士視点)
① 実績証明の重要性
ミュージシャンの場合、
過去の 公演記録・メディア露出・プロ契約歴 などが最重要です。
単なるアマチュア活動のみでは厳しい審査になります。
② 風営法の要件は非常に重要
公演場所の判定が可否を分けるポイントです。
ライブハウス、バー等は単なる出演契約だけでは不十分なケースがあります。
③ 契約内容の明確化
契約書に報酬、出演条件、解約条件等を明記し、
どのような責任と役割で出演するかを明確にする必要があります。
8. まとめ:許可要件のポイント
| ポイント | 要件 |
|---|---|
| 契約書 | 日本の公私団体との明確な契約 |
| 活動内容 | 公演・演奏など観客前で行う活動 |
| 公演場所 | 風営法の営業施設か否かの確認 |
| 実績 | 履歴証明(演奏・出演) |
| 報酬 | ケースに応じて証明資料 |
| 活動計画 | 滞在と公演スケジュール |
9. 関連記事・参考リンク
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参考リンク:
- 出入国在留管理庁|在留資格「興行」に係る上陸基準省令等の改正について
- 出入国在留管理庁:在留資格「興行」
- 出入国在留管理庁|在留資格「興行」(基準1号イ)
- 出入国在留管理庁|在留資格「興行」(基準1号ロ)
- 出入国在留管理庁|在留資格「興行」(基準1号ハ)
最後に(重要)
興行ビザ1号は 審査が非常に厳格 です。
ミュージシャンとしての実績の裏付け、公演内容の明確性、日本側契約者の適正、そして公演場所の法令適合性の証明が不可欠です。
必要書類・審査要件は細かく、ケースごとに異なるため、不安がある場合は 専門行政書士や入管相談窓口 への相談をおすすめします。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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