ベトナム人が日本で帰化するための完全ガイド(要件・手続き・注意点)
日本で暮らすベトナム人の中で「日本国籍を取得したい」と考える人が増えています。この記事では、帰化(日本国籍取得)の**基本的な要件・必要書類・手続きフロー・よくある質問(Q&A)**まで、丁寧に解説します。
目次
1. 帰化とは(日本国籍取得の意義)
帰化(naturalization) とは、日本国外籍者が日本国籍を取得する制度です。これにより日本国民として戸籍に記載され、選挙権などの権利や義務が生じます。帰化は、法務大臣の「許可」によって初めて成立します。
※出生や両親が日本人である場合の国籍取得とは別制度です。
2. 帰化の基本的な法律要件(国籍法)
帰化は 日本の国籍法(Nationality Act) に基づき判断されます。法務大臣が帰化許可を出すには、以下の条件を満たす必要があります。※以下は日本国籍法第5条に基づく要件です。
2-1. 継続的な居住要件(住所)
- 原則として 日本に5年以上継続して住所があること
※5年以上の間、合法的な在留資格で居住している必要があります。
※この居住期間は業務・学業・配偶者滞在なども含みます。
2-2. 年齢と行為能力(能力)
- 申請者は 18歳以上で本国法において行為能力を有すること
※成年年齢が2022年4月に18歳に引き下げられました。
2-3. 素行が善良であること(行為)
- 犯罪歴がないことや社会的に悪影響を与える行為がないこと
- 税金や社会保険料の未納がないことも評価対象になります。
2-4. 生計を営む能力(経済的基盤)
- 自身・配偶者・家族の収入や資産で安定した生活ができること
※一般的には働いていること、または家族の支援で生活できることが必要です。
2-5. 多重国籍の解消条件
- 原則として 日本国籍を取得することで他国籍を失うことが望ましい
※ただし、母国が国籍放棄を認めない場合など特別な事情があれば例外として認められることもあります。
2-6. 憲法遵守(政治的条件)
- 日本国憲法下の政府体制を破壊しようとする活動に関与していないことが必要です。
3. ベトナム人が帰化申請で意識すべきポイント
以下に、ベトナム人が帰化申請する際に特に注意すべきポイントを解説します。
ベトナム国籍の“放棄手続き”
日本では帰化後に原国籍を失うことが原則ですが、ベトナム側の国籍放棄手続きを予め行う必要があります。放棄手続きや書類準備についてはベトナム側の規則に従い、各書類の和訳が必要になる場合もあります。
日本語の能力
国籍法上の必須要件ではありませんが、生活に支障がない程度の日本語力(読み・書き・会話)があることが高評価につながります。
長期在留と滞在資格
居住要件を満たすためには在留資格の変更・更新が必要になる場合があります。例えば技能実習、留学、就労ビザ、配偶者ビザなどの期間を通算して算定します。
4. 必要書類(ベトナム人向け)
帰化申請には多数の書類が必要で、国籍証明や住所証明などが求められます。代表的なものは以下です。
※以下は代表例であり、最終的な必要書類は申請先の法務局で必ず確認してください。
本人の身分関係
- 申請書本体
- パスポートの写し
- 在留カードの写し
- 住所証明書(住民票・在留カード記載事項証明など)
母国ベトナムの書類
- ベトナム国籍証明書
- 出生証明書(本人・家族)
- 戸籍に相当する書類
- 国籍放棄申請関係書類(ベトナム政府発行)
※日本語翻訳と公証が必要になる場合もあります。
経済基盤・生活証明
- 納税証明書
- 所得証明
- 勤務先の給与証明
- 可能であれば職務経歴証明
5. 帰化申請手続きの流れ
日本での帰化申請手続きは以下のステップで行われます。
Step1. 事前相談
- 法務局・地方法務局で帰化申請の相談を行います。
- 書類のチェックや必要な書類のアドバイスを受けましょう。
Step2. 書類準備
- 必要書類を集めて申請書を作成します。
- ベトナム側書類は原本・翻訳・公証を用意する必要があります。
Step3. 申請提出
- 申請者本人(15歳以上)は法務局に出頭して申請します。
※15歳未満は親権者が申請します。
Step4. 審査・面談
- 書類提出後、複数回の面談(ヒアリング)が行われることが一般的です。
- 生活実態や仕事の状況、帰化理由について質問されることがあります。
Step5. 帰化許可の決定
- 許可されると法務大臣から帰化許可が下ります。
- 許可後、戸籍届出などの手続きを行います。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 「申請すれば必ず帰化できるのでしょうか?」
いいえ。帰化は許可制であり、要件を満たしていても必ず許可されるとは限りません。法務局の総合判断によります。
Q2. 「居住年数は絶対に5年以上ですか?」
原則として5年以上必要ですが、申請時点での状況や婚姻関係など特例が適用される場合があります。
Q3. 「在留資格は何でも大丈夫ですか?」
合法的な在留資格(技能実習・就労・配偶者など)であれば原則計算可能です。ただし不法滞在では申請できません。
Q4. 「ベトナムの国籍を放棄しないといけませんか?」
原則は国籍放棄が必要ですが、国によって放棄が困難な場合は例外として認められることがあります。
7. まとめとおすすめの相談先
帰化は単なる手続きではなく、人生を変える大きな一歩です。特にベトナム人の場合、母国の書類や翻訳・国籍放棄手続きが複雑になる場合があります。信頼できる専門家(行政書士・弁護士)に相談することが成功の近道です。
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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