短期滞在ビザの身元保証人の保障内容は?|責任範囲・必要書類・注意点を専門家が徹底解説
短期滞在ビザ(Short Stay Visa)は、観光・親族訪問・短期商用のために日本に滞在する際に必要となるビザです。
しかし「身元保証人が求められる理由」「身元保証人にどこまで責任が及ぶのか」という点は、一般の方には分かりにくいポイントです。
本記事では、**身元保証人が負う責任の範囲(=保障内容)**を中心に、実際にトラブルになりやすい点や、審査に影響するポイントまで徹底解説します。
この記事の対象者
- 親族や友人を日本へ招へいする予定がある方
- 招へい人として必要な対応を知りたい方
- “身元保証人の責任範囲”について正確な情報を知りたい方
- 年収・資産要件との関係を理解したい方
目次
1. 短期滞在ビザとは?
短期滞在ビザ(Short-Term Stay)は、主に以下の目的で日本に入国する際に必要となるビザです。
- 観光
- 親族・知人訪問
- 商用(会議、商談、検品など)
- 文化・スポーツ交流
- 医療滞在の付き添い など
滞在期間は 15日/30日/90日 のいずれかで、原則として就労は不可です。
2. 「身元保証人」とは?
短期滞在ビザを申請する際、特に「親族訪問」「知人訪問」などの場合、
日本側に「身元保証人(Guarantor)」の提出が求められることがあります。
身元保証人は、外務省のガイドラインで以下の役割を持ちます。
身元保証人の役割
- 招へいされた外国人が日本で問題を起こさないよう責任を持つ
- 金銭的に困窮した場合に支援できる立場であることを示す
- 滞在費や帰国費用を保障する意思を示す
3. 身元保証人の「保障内容」(責任範囲)を徹底解説
結論
短期滞在ビザの身元保証人が負う保障内容は以下の3つです。
(1)滞在費の保障
外国人が日本滞在中に生活費が不足した場合、
身元保証人が費用を支援する義務(道義的責任)があることを示すものです。
ただし、後述しますが 法的強制力のあるものではありません。
(2)帰国旅費の保障
外国人が予定通り帰国できない場合(例:資金不足、病気など)、
身元保証人が 帰国旅費を負担できる資力があることが求められます。
航空券代・交通費などが含まれます。
(3)法令遵守の保障
外国人が日本の法律に違反しないよう注意を行い、
万一問題が生じた場合には対応を行う意思を示します。
例)
- 不法滞在の防止
- 不法就労の防止
- 日本の刑法・行政法令違反の防止
4. 保障内容に関する「よくある誤解」
多くの相談者から寄せられる誤解は以下の通りです。
誤解①:身元保証人は法的責任を負う → ×
外務省は明確に以下を示しています。
「身元保証は法的強制力を持つものではありません」
ただし“道義的責任”は存在する
トラブルが起きると、今後のビザ申請に不利になる可能性があります。
誤解②:借金を肩代わりしなければならない → ×
法律上、借金の肩代わりを強制されることはありません。
誤解③:必ず高年収でないと身元保証人になれない → ×
正確には
滞在費・帰国費用を負担できる程度の安定収入があれば十分
です。
5. 身元保証人に必要な年収・資産要件は?
結論:
具体的な年収基準は法律に定めがありません。
しかし、実務上の目安としては…
年収の実務目安
- 300万円〜400万円以上 … 問題なく審査が通りやすい
- 250万円前後 … 招へい人が費用負担する場合は許可可能
- 200万円以下 … 家族全体の収入でカバーできれば可能性あり
- 無収入 … 原則NG
この項目の審査ポイント
審査では以下が重視されます。
- 税金・住民税の納付状況
- 安定した収入があるか
- 不自然に大きい残高証明などとの整合性
- 招へい人との関係性の強さ
6. 身元保証人に必要な書類一覧
外務省基準に基づき、以下の書類が一般的に必要となります。
必須書類(最小限)
- 身元保証書(指定書式)
- 住民票
- 課税証明書・納税証明書
- 在職証明書・営業許可証(自営業)
追加書類(審査強化時)
- 源泉徴収票
- 給与明細
- 預金残高証明書
- 戸籍謄本(親族関係の確認)
7. 身元保証人になれる人・なれない人
身元保証人に適している人(OK例)
- 日本国籍者
- 永住者
- 10年以上在留している定住者
- 税金・年金の滞納がない人
- 収入が安定している人
NG例
- 生活保護受給者
- 無収入の学生・主婦
- 税金の滞納がある人
- 在留期間が短い外国人
- 反社会的勢力
8. 実務で起こりがちなトラブルと対処法
ケース①:帰国しない(不法残留)
→ 今後、招へい人・保証人ともに審査が厳しくなります。
ケース②:申請理由書の説明不足で不許可
→ 招へい理由書の説得力が最重要ポイント。
ケース③:年収不足による不許可
→ 招へい人が費用負担者となることで解決可能。
9. ビザ審査を通すためのポイント
- 行政書士など専門家の記名押印がある書類は信頼性が高い
- 説明資料は「事実ベース」で矛盾なく整理する
- 招へい理由書は写真・通話履歴など客観資料を添付する
- 公的資料(外務省・法務省)を引用し、情報の真偽を補強
10. Q&A(専門家による回答)
Q1:身元保証人に法的義務はありますか?
→ ありません。道義的責任のみです。
Q2:低年収でも保証人になれますか?
→ 可能です。
滞在費の負担者を招へい人にするなど工夫できます。
Q3:無職でも保証人になれますか?
→ 原則不可です。
収入証明が必須となるためです。
Q4:外国人でも保証人になれますか?
→ 永住者であれば可能。
短期・技能実習・留学など短い在留資格の方は原則不可です。
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12. 参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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