家族帯同が認められる在留資格とは?配偶者・子どもを日本に呼ぶ方法を徹底解説

家族の帯同が認められているビザ(在留資格)とは — 概要

日本において外国人が就労・在留する際、 配偶者や子どもなど家族を日本に呼び寄せて一緒に暮らす ためには、「家族帯同が認められる在留資格」を保持している必要があります。
この「家族帯同」は、一般に「家族滞在」という在留資格を、配偶者・子どもに対して取得することで実現します。

しかし、どの在留資格が家族帯同を認められているかには明確な区分があります。本記事では、その対象在留資格と条件、注意点を詳しく解説します。


家族帯同が認められている主な在留資格一覧

以下は、家族帯同が可能とされる代表的な在留資格です(いずれも主となる外国人が「帯同できる資格」を持っている場合に限ります)。

主な在留資格

  • 教授/研究者(Professor / Researcher)
  • 芸術(Artist)/宗教活動(Religious Activities)/報道(Journalist)/興行(Entertainer) などの在留資格
  • 高度専門職(Highly Skilled Professional)
  • 経営管理(Business Manager)/法律・会計業務(Legal/Accounting Services)/医療(Medical Services)/介護(Care Worker) 等の専門就労資格
  • 技術・人文知識・国際業務(Engineer / Specialist in Humanities / International Services)
  • 企業内転勤(Intra‑Company Transferee)
  • 技能(Skilled Labor)/「技能」系在留資格
  • 特定技能2号(Specified Skilled Worker – Category 2)
  • 非就労だが長期滞在可能な在留資格として、文化活動(Cultural Activities)/留学(Student)など — ただし条件が厳格。

「家族滞在」とは — 基本的な仕組みと制限

  • 「家族滞在」は、上記ような「帯同可能な在留資格」を持つ外国人の 配偶者 および を対象に発行される在留資格です。
  • 対象家族は、 「婚姻関係にある配偶者」 と、 実子・非嫡出子・養子を含む「子」 に限られ、親や兄弟姉妹などは含まれません。
  • 配偶者や子どもが「家族滞在」で日本に滞在する場合、原則として 就労は認められません。ただし、一定の条件下で 資格外活動許可 を申請し、パートタイムなどを行うケースが一般的です(例えば週28時間までなど)。
  • 日本への帯同を希望する場合は、主たる在留資格の申請と同時、あるいは後日改めて「家族滞在」の申請を行います。

注意が必要な在留資格 — 家族帯同できない、または制限のあるもの

一方で、以下の在留資格では、 原則として家族帯同は認められません。これを誤解して申請すると、配偶者・子どもの呼び寄せができないため注意が必要です。

× 家族帯同が基本認められない/難しい在留資格

  • 特定技能1号(Specified Skilled Worker – Category 1)
  • 技能実習(Technical Intern Training)や実習・研修目的の在留資格
  • 「外交」や「公用」などのステータス(Diplomat / Official)については、家族も同等の資格を必要とするため、一般的な「家族滞在」とは区別される。

特に「特定技能1号」は、日本への外国人労働受け入れの主要制度のひとつですが、家族帯同が原則できない点で注意が必要です。

ただし、ごく例外的な事情(人道上の配慮など)が認められれば、在留資格を「特定活動(Designated Activities)」に変えて帯同を認められるケースもあります。


特別ケース:高度専門職と親の帯同 & 配偶者の就労可能性

最近の制度では、特に高度な専門性を持つ外国人(高度専門職)に対し、配偶者・子どもだけでなく 親の帯同 を認めるケースがあります。

  • 親を帯同させるには条件があり、「扶養」「介助」「養育目的」などが明示され、世帯年収なども一定の水準が求められます。
  • また、高度専門職の配偶者は、在留資格「特定活動」を通じて、研究・教育・技術・興行といった就労系資格に類する活動が認められる制度もあります。
  • つまり、高度専門職の場合、単なる「扶養のための帯同」にとどまらず、配偶者が日本で就労する可能性も考えられる — これが他の在留資格との大きな違いです。

このような制度の柔軟性・拡張性は、特に「専門性の高い外国人の受け入れ」「家族との安定した生活基盤の確保」という観点から重要であり、近年注目されています。


なぜ「家族帯同可否」を確認することが重要か — 実務上の注意点

  1. 就労目的か、家族帯同目的かで在留資格が変わる
     たとえば「就労ビザ」と「家族帯同ビザ」は全く異なる。家族を呼ぶには「家族帯同可能な在留資格」でないと、配偶者・子は別個に別の資格を申請する必要がある。
  2. 収入・生活基盤の証明が必須
     家族を呼ぶには、主たる外国人が日本で安定した収入と住居を持ち、家族を養える能力があることを示す書類(源泉徴収票、住居契約書など)の提出が求められます。これが不十分だと許可が出ない可能性があります。
  3. 帯同できる家族の範囲が限定される
     配偶者と子ども以外(両親、兄弟姉妹など)は基本対象外。ただし、特例(高度専門職の親の帯同など)もあるので、状況に応じた確認が必要。
  4. 帯同家族の活動制限
     家族帯同で来日した配偶者・子は、原則就労不可。ただし、条件付きでパートタイム就労や資格外活動の許可を得るケースもあります。
  5. 制度変更や資格変更による影響
     たとえば、もし在留資格を「就労ビザ」から「特定技能1号」に変更した場合、家族の「家族滞在」資格が維持できない可能性があります。実際、特定技能1号への変更時に配偶者・子の在留継続が認められない旨(原則)を指摘する専門家もいます。

Q&A — よくある質問とその回答

質問回答
Q1. 全ての在留資格で家族帯同できますか?いいえ。家族帯同が認められる在留資格は限定されています。たとえば「特定技能1号」「技能実習」では原則帯同不可です。
Q2. 帯同できる家族の範囲は?婚姻関係にある配偶者、または実子・非嫡出子・養子などの子ども(扶養対象)に限られます。親や兄弟姉妹は原則対象外です。
Q3. 帯同家族は日本で働ける?原則、就労はできません。ただし、条件を満たして資格外活動許可を取得すれば、パートタイムなどの就労が可能になる場合があります。
Q4. 子どもが成人でも帯同できる?はい。ただし、扶養関係や日本での生活実態、資力の有無などを審査される場合があります。
Q5. 「特定技能1号」から「特定技能2号」に変われば家族帯同できる?はい。特定技能2号では家族帯同が認められています。なお、1号から2号への移行後は、家族は「家族滞在ビザ」で帯同可能になります。
Q6. 高度専門職の場合、親も帯同できる?条件を満たせば可能です。親が「特定活動(老親扶養など)」という在留資格を取得して帯同できます。

実務チェックリスト — 帯同を検討する際に確認すべきこと

  1. 主たる外国人の在留資格が 家族帯同可能な資格 であるかを確認する
  2. 帯同を希望する家族が 配偶者または子ども に該当するか確認する
  3. 主たる外国人の 収入証明住居証明 を準備する
  4. 配偶者・子どもの 身分関係を証明する書類(婚姻証明・出生証明など)を準備
  5. 帯同後の 就労可否生活・教育の見通しを考えておく
  6. 将来的に在留資格を変更・更新する可能性がある場合、その影響も見越す

なぜこの知識が重要か — あなたのようなビザ申請者へ

あなたがこれまで関心を持っていたように(就労ビザの説明記事、永住・配偶者ビザ、特定技能ビザ、子どもの永住など)、外国人の在留資格は人生設計や家族の将来設計に大きく影響します。

  • 家族帯同が可能な在留資格を選ぶことで、「日本で安定した生活と家族と一緒に暮らす」というライフプランが実現可能
  • 逆に、帯同できない資格を選ぶと、たとえ本人が安定収入を得られても家族との同居が難しい
  • また、将来的な資格変更(たとえば就労ビザ→特定技能、あるいはその逆)によって家族帯同の可否が変わる可能性もある

そのため、ビザの種類だけでなく、家族構成や将来設計、収入の安定性、生活見通し をふまえて在留資格を検討することが重要です。


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結び

日本で外国人として生活・就労を考えるにあたって、家族帯同の可否は非常に重要な要素です。
単に「働くための在留資格」を選ぶだけでなく、「将来、家族とどう暮らしたいか」「子どもの教育」「親の同居可能性」などライフプランを見据えて適切な在留資格を選ぶことで、安心で継続的な日本での暮らしが実現できます。

特にこれから就労ビザ申請や在留資格変更を考えている方は、今回のような「家族帯同可否の判別基準」を早めに押さえておくことを強くおすすめします。

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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