興行ビザ3号の在留期間とは?短期・長期申請のポイントを徹底解説
目次
興行ビザとは ─ 基礎知識
在留資格「興行」の概要
- 「興行ビザ」は、外国人が日本国内で「興行または芸能活動」に従事するための在留資格です。
- 対象となる活動は多岐にわたり、たとえば俳優、歌手、ダンサー、モデル、プロスポーツ選手、コンサート、公演、スポーツ試合、広告撮影、映画・テレビ番組の制作・出演などが含まれます。
- ただし、「興行ビザ」の中でも細かい種類(区分)があり、活動内容によって要件が異なります。新制度では、基準(旧「号」)で分類。たとえば、演劇やライブ出演などの「本格的な興行」は「基準1号」「基準2号」、そして「撮影・宣伝・レコーディング等」は「基準3号」(いわゆる“興行ビザ3号”)に該当することがあります。
つまり、「興行ビザ3号」と言ったときは、本番の舞台出演などではなく、映画撮影・CM・広告撮影・宣伝・レコーディング等が中心の活動を想定していることが多い、という点に注意が必要です。
興行ビザ3号で認められる「在留期間」
在留期間の種類
公式には、在留資格「興行」で認められる在留期間は、以下の通りです。
| 在留期間の種類 | 補足 |
|---|---|
| 3年 | 比較的長期契約・継続的な活動、安定性・実績あり |
| 1年 | 契約内容や招聘機関によって中期間での活動が想定される場合 |
| 6ヶ月 | 半年程度の活動、または長期だけど更新を前提とした契約時など |
| 3ヶ月 | 短期の撮影・宣伝・案件など |
| 15日 | 単発あるいは超短期の活動、公演/撮影などのスポット案件 |
※ただし、書類や契約内容、招聘機関の性質、活動内容、過去の実績などをもとに、最終的な在留期間は出入国在留管理局(以下「入管」)が個別に判断します。したがって、希望どおりの期間が認められるとは限りません。
なぜ幅があるのか
在留期間に幅がある理由としては、以下のような判断要素が入管で考慮されるためです。
- 契約期間や活動スケジュール(例えば、撮影日数、イベント日数、ツアーまたは単発か)
- 招聘機関(または契約機関)の規模、財務状況、過去の受け入れ実績・信頼性など
- 招聘内容の具体性(契約書、公演・撮影スケジュール、報酬の裏付け、施設・場所の確認など)
- 過去の活動実績や同様の興行履歴(日本国内での継続的活動実績)など
結果として、単発の撮影・宣伝なら「30日」や「3か月」、年間契約や複数回の契約実績がある場合は「1年」や「3年」が認められるケースもある、というわけです。
興行ビザ3号での「更新・延長」とその可能性
更新(在留期間更新申請)は可能
すでに「興行ビザ3号」で在留しており、引き続き契約や活動が続く場合は、在留期間の更新(延長)申請が可能です。
ただし、更新時にも以下のような条件が再チェックされます。
- 契約内容の継続または新規契約の有無
- 招聘機関の安定性・資本金や経営状況の確認
- 過去の活動実績、報酬支払い実績、契約内容の履行状況など
このため、更新を見据える場合は、契約書、出演依頼書、報酬支払証明、スケジュール記録、公演・撮影の実績証明など、活動履歴をしっかり残すことが重要です。
初回から長期間(3年など)が付与されるのは「まれ」
「3年」の在留期間が付与されるのは可能ですが、初回から3年が認められるケースはあまり多くなく、過去の実績・契約内容・招聘機関の信頼性などがかなり高い場合に限られます。
そのため、初めて日本での興行活動を申請する場合、多くは「3か月、6か月、1年」の期間が認められ、実績を重ねたうえで更新を重ねることで長期間の在留を目指すケースが一般的です。
Q&A — よくある質問
Q1. 「興行ビザ3号」で日本にどれくらい滞在できるか?
A1. 30日・3か月・6か月・1年・3年のいずれかが在留期間として認められます。ただし、実際の期間は契約内容、活動内容、招聘機関の状況などを総合的に判断して入管が決定します。
Q2. 単発のテレビ出演やCM撮影だけでも興行ビザ3号は申請できるか?
A2. はい。本来の「演劇・ライブ」などの公演とは異なり、映画撮影、テレビ出演、CM撮影、広告撮影、宣伝・プロモーションなどの場合は、興行ビザ3号(基準3号)が該当する可能性があります。
ただし、報酬の支払い形態、契約書の有無、撮影スケジュールや施設の適正など、必要書類をきちんと整備する必要があります。
Q3. 日本での活動が不定期でも、複数回の撮影案件があれば在留期間は長くできるか?
A3. 可能性はあります。ただしその場合、申請時に「年間の活動スケジュール」「複数案件の予定」「招聘機関の安定性」「報酬の裏付け」「過去の実績」などをまとめて説明する必要があります。入管が「継続的な活動」と認めれば、1年や3年の在留期間が付与されることもあります。
Q4. 興行ビザ3号の在留期間が切れたらどうする?更新はできるか?
A4. 更新申請(在留期間更新許可申請)は可能です。ただし継続的な契約や活動実績、報酬支払い実績、契約書類の更新などが前提となります。更新を重ねることで、長期にわたる日本滞在が可能です。
なぜ「在留期間」が短い・不安定なのか ─ 入管の判断基準
「なぜ期間が30日〜最大3年と幅があるのか」、その背景には以下のような事情があります。
- 契約の一時性・不定期性:撮影や宣伝などは単発またはスポットであることが多く、全体のスケジュールが流動的 → 短期間の在留を前提とする必要性。
- 招聘機関や事業者の責任:日本国内での受け入れ機関(プロダクション、広告代理店、映画会社など)の信用性・経営状況が重要。契約や報酬支払いに関して過去にトラブルがあれば、長期在留は難しくなる。
- 社会的・制度的な慎重さ:特に興行のように文化・芸能・スポーツが絡む分野では、不正就労や搾取、契約トラブルなどのリスクが常にあるため、法令遵守の観点から個別審査が慎重。
- 在留目的の明確さ:単なる観光や短期の活動か、継続的な活動か。目的があいまいなまま長期間を認めると、資格の濫用や制度の本来目的から外れる可能性がある。
これらを避けるため、出入国在留管理局は「契約内容・実績・招聘機関・社会性・報酬支払い実績」などを厳格に審査し、在留期間を決定しています。これは、制度の健全性・適正運用を維持するために不可欠な措置です。
実務者・申請者が押さえておくべきポイント
- 契約書やスケジュール表、報酬証明、招聘機関の登記簿・決算書などは必ず準備する。単発案件でも、「いつ・どこで・どのような活動を・誰と・報酬はいくらか」を明確に。
- 撮影・宣伝・広告・プロモーション等の場合は「3号(基準3号)」が該当する可能性が高いため、申請時にその旨を明記し、活動内容を細かく説明。
- 更新を見据えるなら、契約・報酬支払い・活動履歴をこまめに記録・保存する。継続実績が、長期在留許可につながる。
- 初回からの長期申請(3年など)を期待せず、まずは短期〜中期で取得し、実績を積むスタンスが現実的。
- 申請前に専門家(行政書士など)への相談も有効。特に招聘機関の信用性や契約内容、報酬の根拠など、不明瞭な部分がある場合は専門家の助言を得ることで許可取得の可能性を高められる。
まとめ
- 興行ビザ3号では、在留期間として「30日、3か月、6か月、1年、3年」のいずれかが認められ得る。
- どの期間が許可されるかは、契約内容・活動内容・招聘機関の状況・実績などを総合判断して決定されるため、一律ではない。
- 単発の撮影・宣伝案件であれば短期、継続的な契約や実績があれば長期滞在も可能。
- 更新申請を通じて日本での活動を継続する道もあるが、契約書・報酬実績・活動履歴の管理が重要。
- 初めての申請では、現実的に「短期〜中期滞在」で実績を積む姿勢が堅実。
関連記事・参考リンク
関連記事:
- 興行ビザ3号取得の全手順|在留資格認定証明書から来日までの流れ
- 興行ビザ3号でできる仕事(興行以外の芸能活動)・許可要件・必要書類を専門家が徹底解説
- 興行ビザ3号(興行活動以外の芸能活動)の許可要件・必要書類を専門家が徹底解説
- 【完全ガイド】興行ビザでできる仕事とは?申請要件・業務範囲・注意点を解説
- 【完全ガイド】興行ビザ(在留資格「興行」)の許可要件と実務ポイント|エンタメ業界で外国人を雇用するための最新情報
参考リンク:
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
無料相談
| まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。 |

