研究生留学の留学ビザ申請に必要な書類は?|最新の申請条件・不許可回避ポイントまで徹底解説【専門家監修】


日本の大学で研究活動を行う「研究生」は、大学院進学前の準備段階として日本人・外国人を問わず人気の制度です。
しかし、研究生として入学許可を得ても、留学ビザ(在留資格「留学」)の申請書類に不備があると不許可になることがあります。

本記事では、以下を専門的かつわかりやすく解説します。

  • 研究生の留学ビザに必要な書類一覧(大学提出用、入管提出用の両方)
  • 審査で重視されるポイント(不許可を回避する実務)
  • 大学院受験予定者が注意すべき点
  • よくあるQ&A(大学別の違い、費用証明など)

行政書士による解説として、信頼性と最新制度に基づいて制作しています。


1.研究生とは?留学ビザは「留学」資格で申請する

研究生とは、日本の大学や大学院で 指導教員の下で研究を行う非正規生(科目等履修生) のことです。
学位取得は目的ではなく、大学院進学前の研究準備として受け入れられるケースが一般的です。

研究生でも取得する在留資格は「留学」

大学に所属するため、申請する在留資格は 在留資格「留学」 になります。

指導教員の受入書類が必要な点は、学部生・大学院生のビザと異なります。


2.研究生留学ビザの申請に必要な書類一覧【大学・入管共通】

研究生として留学ビザを申請する場合、提出書類は 大学がCOE(在留資格認定証明書)を代理申請する場合と、
本人が直接ビザ申請だけを行う場合で分かれます。

ここでは、どの大学でも共通する基本書類を網羅します。


(1)大学で必要となる書類(研究生受入のため)

大学へ提出しない限りビザは申請できません。

大学提出書類(一般的な例)

書類名説明
研究生願書大学指定の様式で志望理由や研究計画を記載
研究計画書(研究課題)研究テーマ・先行研究・方法などを記載
指導教員の受入承諾書研究指導を行う教授の署名が必要
最終学歴の卒業証明書・成績証明書原本と日本語訳が必要(国によって公証が必要)
パスポートのコピー顔写真ページ
経費支弁書(資金証明)在日中の経済能力を証明
財政能力を証明する資料銀行残高証明、送金証明、スポンサーの収入証明など
住民票の写し(日本在住の保証人)※必要な大学のみ保証人制度がある大学の場合

大学ごとに追加資料(語学証明書など)が必要な場合があります。


(2)入管(COE申請)で必要となる書類

大学がCOEを代理申請する場合、下記を提出します。

COE申請書類(研究生の場合)

書類名説明
在留資格認定証明書交付申請書(様式1号)大学が作成
写真(縦4cm×横3cm)3か月以内
パスポートコピー顔写真ページ
入学許可書(受入許可書)研究生としての受入許可
履歴書(大学指定)研究内容や目的など
研究計画書明確で実現可能な内容が必須
経費支弁書資金をどのように確保するかを説明
資金証明(銀行残高証明等)残高目安:150万~200万円以上が安全
住居予定地の記載大学寮・民間アパートなど

(3)ビザ申請(日本大使館・領事館)で必要な書類

COE交付後、在外公館でビザを申請します。

ビザ申請書類

書類名説明
査証(ビザ)申請書在外公館様式
パスポート有効期限が十分に必要
証明写真3.5cm×4.5cm(国により規格異なる)
在留資格認定証明書(原本)入管で交付される
入学許可書(写し)念のため提出

3.大学提出書類と入管提出書類の違いは?

研究生の場合、

大学提出書類=受入のための審査書類

入管提出書類=日本に滞在するための審査書類

となり目的が異なります。

大学が許可しても、入管が許可しないケースがあります。

入管は以下を重点的に審査します。

  • 本当に必要な研究活動か?
  • 経済能力は十分か?
  • 来日目的は正当か?

これが次の不許可回避ポイントにつながります。


4.研究生ビザで審査される主要ポイント(不許可を避ける実務)

研究生ビザは学部・大学院より 審査が厳しめ と言われています。
理由は「研究生は非正規学生で入学が容易なため、偽装留学のリスクがあるから」です。

(1)研究計画書の信ぴょう性

  • 内容が薄い
  • 指導教員との関係が不明確
  • 実現可能性が低い

こうした計画書は不許可リスクが高いです。


(2)経済能力の証明不足が不許可の原因第1位

研究生ビザで特に多い不許可理由:

✔ 銀行残高が少なすぎる
✔ 残高証明の直前入金(不自然)
✔ 送金者と留学生の関係が不明
✔ スポンサーの収入が低すぎる

目安:150万~200万円以上の残高


(3)研究目的が曖昧で「就労目的」と疑われるケース

例:

  • 日本で働きたい → 研究テーマが就職色強すぎる
  • 実務訓練に近い内容(職業訓練)

研究生は 純粋に学術研究のための制度 であり、キャリア目的を強調しすぎると逆効果です。


5.出願者の国によって追加資料が必要になる理由とは?

フィリピン、ベトナム、バングラデシュ、ネパールなどの一部の国では、
以下の追加資料を求められる場合があります。

  • 出生証明書
  • 家族関係証明書
  • 経済的背景を証明する追加資料
  • 在学証明書や職歴証明書

これは ビザ審査強化対象国 が存在するためで、外務省が国別に取り扱いを定めています。


6.大学院進学予定者が必ずすべき準備と注意点

多くの研究生は 1年以内に大学院受験 を予定しています。

(1)研究生期間中にすべき3つの準備

  1. 指導教員と研究テーマの方向性を深める
  2. 英語・日本語試験対策(JLPT・TOEFLなど)
  3. 修士課程の過去問研究

(2)研究生が大学院に進学するメリット

  • 指導教員との関係構築ができる
  • 研究テーマを固めて出願できる
  • 日本での生活に慣れるので不許可リスクが減る

7.よくある質問(Q&A)

Q1.研究生ビザの審査期間はどれくらい?

通常:1~3か月
繁忙期(1〜4月)は3か月以上かかることがあります。


Q2.研究生の指導教員はどうやって見つける?

大学の研究室ページから教授に直接連絡するのが一般的です。


Q3.研究生でもアルバイトはできますか?

原則 資格外活動許可 を取得すれば週28時間以内で可能。
ただし、研究が主目的であることが必須。


Q4.奨学金がある場合、資金証明は必要?

奨学金証明書があれば残高は少なくても構いませんが、
生活費の不足分が明確に説明できる必要があります。


Q5.研究生ビザは更新できますか?

可能です。ただし次の点が確認されます。

  • 研究が継続されているか
  • 出席状況
  • 研究成果の有無

※出席率が低いと不許可になる場合があります。


まとめ|研究生の留学ビザは「書類の質」が合否を左右する

研究生として日本に留学するためには、大学提出書類と入管提出書類の双方を丁寧に準備することが不可欠です。

特に審査で重視されるのは以下の3つ:

研究計画書の質

経済能力(残高証明・支弁能力)

来日目的の明確性と信ぴょう性

研究生は非正規生のため、入管は通常より慎重に審査します。
「研究のために来日する」という目的を一貫して示すことが重要です。

関連記事

参考リンク

出入国在留管理庁|在留資格「留学」

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。

お問い合わせ