イギリス人の親族を日本に呼ぶには?必要な手続き・ビザ完全ガイド|査証免除でも注意すべきポイント
イギリス人の家族・親族を日本へ呼び寄せたい場合、短期滞在なのか長期滞在なのかによって手続きが大きく変わります。
特にイギリスは査証免除国のため、「ビザ不要で入れるのでは?」と誤解されがちですが、実際には目的によって適切な手続きが必要です。
本記事では、
- イギリス人親族を日本に呼ぶための具体的な手続き
- 必要書類・審査の流れ・注意点
- 短期/長期滞在ビザの違い
- 家族滞在ビザや日本人の配偶者等、定住者などの制度
をすべて網羅し、わかりやすく解説します。
目次
1|イギリス人の親族を日本に呼ぶ方法は「短期滞在」と「長期滞在」で異なる
イギリス人を日本に呼ぶ方法は大きく分けて2つです。
①短期滞在(ビザ免除/親族訪問)→最大90日
- 観光
- 親族訪問
- 友人訪問
②長期滞在(在留資格)→90日を超える滞在
- 日本人の配偶者等
- 家族滞在
- 就労ビザ(技人国 / 特定技能 / 経営管理等)
- 留学ビザ
イギリス人は短期滞在の場合、原則としてビザ免除が適用されます。
しかし、長期滞在は必ず「在留資格」が必要となります。
2|イギリスの査証免除:最大90日滞在できる制度
イギリスは日本の**査証免除国(ビザ免除国)**であり、
最大90日間、ビザなしで日本に滞在できます。
ただし、次のような制限があります。
| 行為 | 可能? |
|---|---|
| 観光 | ◎ 可 |
| 親族訪問 | ◎ 可 |
| 友人訪問 | ◎ 可 |
| アルバイト・就労 | ✕ 不可 |
| 日本での長期同居 | ✕ 不可 |
| 日本での婚姻後に同居 | ✕ 不可(配偶者ビザが必要) |
短期滞在でできることは「観光・親族訪問・商用(短期)」のみです。
3|イギリス人親族を短期で日本に呼ぶ方法(親族訪問)
イギリス人の場合「短期滞在ビザ」は原則不要
ただし、
- 滞在理由を明確に証明する必要がある場合
- 親族による書類提出を求められる場合
があります。
必要書類の例:
(1)イギリス人本人が準備する書類
- パスポート
- 航空券予約(往復)
- 日本滞在予定表
- 宿泊先情報
(2)日本側が準備する書類(求められた場合)
- 招へい理由書
- 身元保証書
- 親族関係を証明する書類(戸籍謄本/出生証明書)
- 住民票
- 在職証明書・所得証明書
「短期滞在ビザ申請が必要なケース」と判断されることもあるため注意。
4|イギリス人親族を長期で呼び寄せる(配偶者・家族滞在・就労など)
長期滞在には必ず「在留資格」が必要です。
ここでは代表的なケースを解説します。
4-1|日本人の配偶者を日本に呼ぶ(日本人の配偶者等ビザ)
イギリス人の配偶者を日本に呼ぶ場合、
日本側で「在留資格認定証明書(COE)」を取得し、イギリスでビザ申請をします。
必要書類(例)
- 婚姻証明書(日本 or イギリス)
- 夫婦の写真・メッセージ履歴
- 交際歴の説明書
- 日本人側の収入証明
- 住居の書類
偽装結婚チェックが非常に厳しいため、立証資料が必須。
4-2|日本で働きたいイギリス人を呼ぶ(就労ビザ)
就労ビザには以下の種類があります。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 経営管理
- 介護
- 特定技能1号・2号
- 教育
- 興行
ポイントは
「雇用先が在留資格に合った業務内容を証明できるか」
という点です。
4-3|家族を呼び寄せる(家族滞在ビザ)
日本に在留する外国人が、
- 配偶者
- 子
を呼び寄せるためのビザです。
注意点
- 同居の必要あり
- 扶養できる収入が必須
- 両親(父母)は通常対象外
4-4|日本人の子供がイギリス人親を呼ぶ(長期滞在は困難)
原則、イギリス人の親が長期滞在できる制度はありません。
例外としては以下だけです。
- 介護を必要とする特殊事情
- 特定活動(告示外)
実務上は 短期滞在(90日)を繰り返すしかない ケースが多いです。
5|ケース別:イギリス人親族に必要なビザ一覧
| 呼ぶ相手 | 必要な手続き・ビザ |
|---|---|
| 配偶者(イギリス人) | 日本人の配偶者等ビザ |
| 子 | 日本人の配偶者等 / 永住者の配偶者等 / 定住者 |
| 親 | 原則不可(短期滞在のみ) |
| 兄弟 | 短期滞在のみ |
| 婚約者 | 原則短期滞在のみ(結婚準備) |
| 友人 | 短期滞在(免除) |
| 就労目的の本人 | 就労ビザ |
6|イギリス人のビザ申請でつまずくポイント10選
- 日本人の配偶者等ビザの偽装結婚チェックが厳しい
- 交際歴を証明できない
- 日本人側の収入不足
- 在職証明・源泉徴収票がない
- 海外資料が英語のままで日本語訳がない
- 出生証明書の公証がない
- 家族滞在で両親は呼べない
- 短期滞在を繰り返して長期滞在とみなされる
- 帰国後の生活計画の説明不足
- 航空券予約をつけていない
7|申請の流れ(短期滞在/長期滞在)
短期滞在(観光・親族訪問)
- 航空券・滞在計画を作成
- 日本側が招へい理由書を準備(必要な場合)
- イギリス出国 → 日本に入国(査証免除)
- 日本で最大90日滞在可能
長期滞在(ビザ取得)
- 日本側で「在留資格認定証明書」を申請
- 1〜3か月で審査
- イギリスの日本大使館でビザ申請
- 日本へ入国
- 在留カードが発行される
8|専門家に依頼するメリット
- 許可率が大幅に上がる
- 必要資料の不足を事前に排除
- 申請理由書・交際経緯書の作成が的確
- 英文資料の翻訳・公証もサポート
- 税務資料や収入要件の相談が可能
- 入国管理局との追加対応も任せられる
「イギリス人の配偶者ビザ」「家族滞在」「短期滞在の招へい」は
難易度が高いため、専門家の関与により不許可リスクを大幅に下げることができます。
9|よくある質問(Q&A)
Q1|イギリス人は本当にビザなしで日本に入れますか?
はい。観光・親族訪問はビザ免除で最大90日滞在可能です。
Q2|短期滞在の延長は可能ですか?
原則不可です。
やむを得ない事情(病気など)の場合のみ審査で認められます。
Q3|親や兄弟を長期で日本に住ませることはできますか?
原則できません。
長期滞在は配偶者・子のみが対象です。
Q4|イギリス人の婚約者を呼ぶにはどうすれば?
婚約者にはビザがないため、
短期滞在ビザで来日 → 日本で婚姻 → 配偶者ビザ申請
という流れになります。
Q5|配偶者ビザの審査は厳しいですか?
非常に厳しいです(偽装結婚対策のため)。
交際歴の説明・証拠資料が重要になります。
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参考リンク
まとめ
イギリス人はビザ免除国であるため、
短期滞在は非常に簡単ですが、
長期滞在になると専門的なビザ申請が必要になります。
目的別の要点を整理すると以下の通りです。
- 観光・親族訪問 → 査証免除で90日滞在可能
- 結婚して一緒に住む → 日本人の配偶者等ビザ
- 日本で働く → 就労ビザ(技人国・特定技能等)
- 外国人が家族を呼ぶ → 家族滞在ビザ
- 親を長期で呼ぶ → 原則不可
イギリス人親族を呼ぶ場合、ケースによって必要な書類や審査内容が大きく変わるため、
迷ったら専門家へ相談することをおすすめします。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

