永住者の配偶者ビザで偽装結婚と疑われるケースとは?徹底解説


1.配偶者ビザ審査における「婚姻の信ぴょう性」とは?

永住者の配偶者ビザ(在留資格「永住者の配偶者等」)を取得する際、最も重要な審査ポイントは**「婚姻の信ぴょう性」**です。
これは、婚姻が形式上ではなく、実質的に夫婦として生活しているかを確認するものです。

入管(法務省入国管理局)は、以下の観点で信ぴょう性を判断します。

  • 同居状況の実態
    同居している場合は住民票、賃貸契約書、公共料金の名義など
  • 生活費の共有状況
    銀行口座の共有、家計の分担状況
  • 交際履歴や出会いの経緯
    交際期間や出会いのきっかけ、双方の家族との関係
  • 婚姻届提出の実態
    正式な婚姻届が提出されているか

ポイント: 形式上の婚姻だけでは配偶者ビザは取得できません。審査官は生活実態を重視します。


2.偽装結婚と疑われる代表的なケース

入管局は、以下のようなケースで「偽装結婚」と疑う傾向があります。

(1)短期間での婚姻

  • 出会ってすぐに婚姻した場合、生活実態が不明確になりやすく、審査官に疑念を持たれやすい。

(2)同居歴がない

  • 同居や長期間の交際がなく、生活実態が確認できない場合。

(3)金銭のやり取りが疑わしい

  • 結婚の目的が「在留資格取得のため」と推定される場合。
  • 現金授受や契約書など、生活費のやり取りに不自然さがある場合。

(4)家族・友人からの証言がない

  • 配偶者や申請者の家族、友人からの関係証明が乏しい場合。

(5)婚姻届の書類に不備や不自然な点

  • 記載内容に矛盾がある、住民票や戸籍の情報が不一致、偽造疑惑。

(6)短期間での離婚・再婚歴が複数ある場合

  • 直近で離婚や再婚を繰り返している場合、婚姻の実態を疑われやすい。

(7)国外在住での婚姻手続きのみ

  • 夫婦が海外に居住し、日本国内での共同生活の証明が乏しい場合。

3.永住者の配偶者ビザで特に注意すべきポイント

永住者の場合、日本人配偶者の場合よりも入管審査が慎重になるケースがあります。

  1. 長期滞在実績
    永住者の配偶者ビザは、永住者の生活安定性を前提に審査されます。短期間の婚姻や同居歴の不足は特に不利。
  2. 生活の実態証明
    永住者の住所、勤務状況、生活費負担の状況など、生活実態を示す証拠が重要です。
  3. 海外在住婚
    海外在住の場合、写真やビデオ通話、旅行履歴などで関係の実態を補強する必要があります。

4.審査で提出すべき証拠書類一覧

同居・生活の実態を示す書類

  • 住民票(世帯全員記載)
  • 賃貸契約書
  • 光熱費・通信費の請求書

生活費・経済面の証拠

  • 銀行口座明細(生活費のやり取りを確認)
  • 給与明細・源泉徴収票

交際・婚姻の実態

  • 写真(旅行、イベント、家族との集合写真)
  • メール・LINEのやり取り(一定期間)
  • 出会いの経緯、婚約期間の説明

家族・友人の証明

  • 関係者からの証明書
  • 日本語または英語での翻訳付き

5.偽装結婚と疑われないための実務的対策

  1. 婚姻前からの関係証明
    • 出会いの経緯や交際期間を資料で示す。
  2. 生活実態を証明
    • 同居状況や生活費の分担を具体的に提示。
  3. 家族・友人の協力
    • 家族や知人からの証明を添付し、社会的実在性を示す。
  4. 書類の正確性
    • 記載内容に矛盾がないか、誤字脱字も含めて再確認。
  5. 専門家による事前確認
    • 行政書士による書類チェックで審査リスクを低減。

6.よくあるQ&A

Q1. 海外在住でも配偶者ビザは取れますか?

A: はい。永住者の配偶者ビザは海外在住でも申請可能ですが、同居実態や関係の信ぴょう性を証明する書類が特に重要です。

Q2. 短期間で婚姻した場合はどうすれば良いですか?

A: 婚姻前の交際期間や、共同で過ごした記録(写真、旅行履歴、通信履歴など)を提出すると信ぴょう性が向上します。

Q3. 親族の承諾や証明書は必須ですか?

A: 法的に必須ではありませんが、家族や友人の証言は信ぴょう性の補強として非常に有効です。

Q4. 経済力が乏しい場合はどうすれば良いですか?

A: 生活費分担や送金記録を提出する、または支援者を立てることで補強可能です。


7.まとめと専門家への相談の重要性

永住者の配偶者ビザ審査では、婚姻の形式だけでなく実態が重視されます。
偽装結婚と疑われると、審査が長引くか、最悪の場合不許可になる可能性があります。

ポイントの整理

  • 婚姻の信ぴょう性を示す証拠を揃える
  • 同居・生活費・交際歴の記録を明確化
  • 家族・友人の証言で社会的実在性を補強
  • 書類は正確に作成し、専門家のチェックを受ける

配偶者ビザ申請は複雑なため、行政書士などの専門家に相談することが安心です。特に海外在住婚の場合は、書類不足や説明不足で不許可になるリスクが高いため、事前準備が不可欠です。


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      「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
    「記事監修」
    加納行政書士事務所
    運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

    代表
    特定行政書士 加納 裕之  
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     同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
     明治大学法科大学院修了
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     行政書士(特定付記)、TOEIC805点
    「専門分野」
     入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法