介護ビザで働ける仕事内容の範囲|訪問介護(ホームヘルパー)は可能?
目次
1. 介護ビザとは何か
在留資格「介護(介護ビザ)」は、外国人が日本で介護福祉士として就労するための専門的就労ビザです。2017年9月に創設され、高齢化社会での人材不足に対応することを目的としています。
特徴
- 在留期間は1年~5年で更新可能
- 家族帯同も可能(在留資格「家族滞在」)
- 日本で介護福祉士として専門職としての就労が認められる
詳細は、出入国在留管理庁の公式ページをご参照ください。
2. 介護ビザで働ける職種・仕事内容
対象資格
- 介護福祉士(国家資格)を有する外国人のみ
- 初任者研修や実務者研修のみでは介護ビザは取得できません
主な仕事内容
- 施設介護
- 特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホームなどでの業務
- 入浴介助、排泄介助、食事介助、移動支援
- 利用者とのコミュニケーション、健康状態の観察
- 訪問介護(ホームヘルパー)
- 利用者の自宅での身体介護・生活援助
- 入浴、排泄、食事、着替えなどの身体介護
- 掃除、洗濯、買い物などの生活援助
- 介護補助業務
- 書類記録やケアプランの補助
- 利用者の生活環境整備
ポイント:介護ビザでは、医療行為(注射、投薬など)は行えません。身体介護・生活支援に限定されます。
3. 訪問介護(ホームヘルパー)での就労は可能か
結論:訪問介護としての就労は可能です。
条件
- 訪問介護事業所に雇用されること
- 個人宅での単独派遣は不可
- 必ず介護保険法に基づく事業所に所属する必要があります
- 介護福祉士の資格を保有すること
- 介護ビザ取得の前提条件
- 業務範囲の制限
- 医療行為は禁止
- 身体介護・生活援助のみ
厚生労働省「訪問介護に関する情報」を参照してください。
4. 介護ビザ取得の条件
介護ビザを取得するための条件は以下の通りです。
- 雇用契約があること
- 日本国内の介護施設または訪問介護事業所に雇用されること
- 介護福祉士の資格を有すること
- 外国人の場合、日本の国家試験合格が必要
- 日本語能力
- 利用者と安全にコミュニケーションできること
- 日本語能力試験N3以上が望ましい
- 学歴・実務経験
- 高校卒業以上が基本
- 実務経験は要件緩和の可能性あり
5. 介護ビザ申請に必要な書類
介護ビザ申請には、以下の書類が必要です。
- 在留資格認定証明書交付申請書
- パスポートおよび写真
- 雇用契約書
- 介護福祉士資格証明書(国家資格)
- 履歴書・職務経歴書
- 日本語能力証明(JLPTなど)
詳細は、出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」を確認してください。
6. 介護ビザで働く際の注意点
- 就労範囲の限定
- 介護福祉士としての介護業務以外はできません
- 副業は禁止
- 在留資格の更新
- 在留期間満了前に更新申請が必要
- 雇用契約内容変更時は届出が必要
- 資格維持
- 日本での介護キャリアアップのため、研修やスキル向上が推奨
7. 介護ビザと他の在留資格との違い
| 在留資格 | 就労範囲 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 介護 | 介護福祉士としての介護業務 | 国家資格保有者のみ、家族帯同可能 |
| 特定技能1号 | 介護、建設、農業など16分野 | 1号は最大5年、介護分野で就労可能 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 一般的な事務・技術職 | 医療・介護には原則不可 |
| 留学 | 学業中心 | アルバイトは週28時間以内のみ可 |
介護ビザは、特定技能よりも長期的・専門的に介護職として働ける点が特徴です。
8. Q&A:よくある質問
Q1:訪問介護だけで働けますか?
A1:可能ですが、訪問介護事業所に所属することが前提です。
Q2:介護ビザで副業はできますか?
A2:できません。介護福祉士としての業務に限定されます。
Q3:家族を帯同できますか?
A3:はい、在留資格「家族滞在」で配偶者・子供を帯同可能です。
Q4:初任者研修だけでは介護ビザは取得できますか?
A4:いいえ、介護ビザ取得には介護福祉士の資格が必須です。
Q5:訪問介護で医療行為はできますか?
A5:できません。注射や投薬などは医療従事者のみが可能です。
9. まとめ
- 介護ビザは、介護福祉士資格を有する外国人のみが対象
- 訪問介護(ホームヘルパー)として働くことも可能だが、事業所への所属と資格が必須
- 就労範囲は介護業務に限定され、医療行為や副業は禁止
- 資格取得や日本語能力向上は、ビザ更新やキャリアアップに有利
介護ビザは、日本で専門性の高い介護職として安定的に働ける在留資格です。訪問介護や施設介護での就労を検討する場合は、資格や事業所の確認を事前に行いましょう。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

