【完全ガイド】高度専門職ビザのポイント制とは?取得基準・ポイント計算方法・必要書類をわかりやすく解説

日本で高度人材として働く外国人に大きなメリットを与える 「高度専門職ビザ(高度人材ポイント制)」
実は、通常の就労ビザとは異なり 「ポイント制」 によって取得の可否が決まる特別な制度です。

本記事では、
✔ 高度専門職ビザのポイント制とは?
✔ どのくらいポイントを取れば良い?
✔ 年収・学歴・研究実績などの具体的な配点
✔ 申請時に注意すべき審査ポイント
✔ 必要書類一覧
✔ 取得後のメリット
などを 専門家目線 で徹底解説します。


1|高度専門職ビザとは?

高度専門職ビザは、日本政府が優秀な外国人材を誘致するために設けた特別な就労ビザで、
在留資格「高度専門職」 として運用されています。

通常の就労ビザと異なり、
ポイント制で70点以上になると取得でき、数多くの優遇措置が付くのが最大の特徴 です。


2|高度専門職ビザのポイント制とは?

高度専門職ビザのポイント制とは、外国人労働者の能力・経歴を数値化して評価する制度です。

項目ごとにポイントが加算され、合計70点以上で高度専門職ビザを取得できます。

評価項目は以下のとおり:

主なポイント項目

評価項目内容の例
学歴修士・博士の学位、専攻
職歴マネジメント経験、研究・実務年数
年収年収300〜1,000万円超で評価
研究実績受賞歴、論文、特許
日本語能力N1〜N3で加点
年齢若いほどポイントが高い

※公式基準:出入国在留管理庁「高度人材ポイント制」


3|合格ラインは「70点」|不足している場合は加点対策が可能

高度専門職ビザを取得するには
申請時点で70点以上 が必須。

ただし、
1年又は3年以内に70点に到達予定である場合の証明があれば審査が通るケースもあります(実務上)


4|ポイント計算の対象項目(詳細)

以下、項目ごとの典型的な配点を詳しく解説します。

4-1|学歴のポイント

学歴ポイント
博士号30点
修士号20点
学士10点

技術分野では理系学位、国際業務では語学・国際関連学位などが有利。


4-2|年収のポイント

年収は非常に重要な項目です。

年収(予定年収)ポイント
300万円以上10点
400万円以上15点
500万円以上20点
600万円以上25点
700万円以上30点
1,000万円以上40点

※年収は「源泉徴収票」ではなく 雇用契約書の予定年収 で評価されます。


4-3|職歴(実務経験)のポイント

実務経験ポイント
10年以上20点
7年以上15点
3年以上10点

管理職・研究職の場合はさらに加点があります。


4-4|研究実績・資格のポイント

・特許
・論文
・学会賞
・国家資格(情報処理技術者試験など)
があるとさらにポイントが加算。


4-5|年齢ポイント

若いほどポイントが高い。

年齢ポイント
29歳以下15点
30〜34歳10点
35〜39歳5点

4-6|日本語能力

日本語レベルポイント
N115点
N210点

5|ポイント計算の具体例

例:30歳エンジニア・年収600万円・修士号持ち

項目内容ポイント
学歴修士号20点
年収600万円25点
年齢30歳10点
職歴5年10点
日本語N210点
合計75点で合格

多くのIT技術者はこのモデルで余裕を持って70点に到達します。


6|高度専門職ビザのメリット

高度専門職ビザには、一般の就労ビザにはない特別な優遇が多数あります。

在留期間が「最長5年」

安定した在留資格。

永住権が最短1年で申請可能

通常の永住は10年以上が基本。

高度専門職2号で在留期限なし

無期限で日本に滞在できる特別な資格。

家族の帯同が柔軟

両親・家事支援者(メイド)を呼ぶことも可能。

配偶者も就労制限が緩和

配偶者の就労範囲が広がる。


7|審査で見られる重要ポイント

出入国在留管理局は ポイントの数字だけでなく、内容の妥当性 を慎重に審査します。

□ 年収は本当に実現可能か?

勤務内容・企業規模と年収のバランス。

□ 経歴証明の信頼性

在職証明書や学歴証明を厳密に確認。

□ 会社の安定性

会社の規模・売上・継続性など。

□ 虚偽申請は厳罰

ポイントの水増しは絶対に禁止。


8|高度専門職ビザの必要書類一覧

申請内容により異なりますが、一般的には以下:

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • ポイント計算表
  • 大学の卒業証明書・成績証明書
  • 職歴証明書
  • 雇用契約書(年収明記)
  • 日本語能力試験(JLPT)合格証書
  • 特許・論文・受賞歴の証明書
  • 会社の登記事項証明書
  • 会社の決算書

9|申請の流れ

  1. ポイントの確認
  2. 必要書類の収集
  3. 出入国在留管理局へ申請
  4. 審査(1〜3ヶ月)
  5. 在留カードの受け取り

10|よくあるQ&A

Q1:70点に届かない場合は取得できませんか?

A:将来70点に届く予定の証明があれば通ることがあります(実務上)。

Q2:日本語能力は必須ですか?

A:必須ではありませんが、ポイントが大きく有利です。

Q3:ITエンジニアがもっとも取得しやすいのは本当?

A:はい。年収・学歴・年齢で高得点になりやすいためです。

Q4:永住まで1年は本当ですか?

A:高度専門職1号で70点/80点以上の方には特例があります。


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      「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
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