【夜間学校留学でも留学ビザは取れる?】夜間コースでの在留資格「留学」取得条件を徹底解説

1.留学ビザとは?

「留学ビザ」とは、正式には**在留資格「留学」**を指し、日本で教育を受けるために中長期滞在を希望する外国人に交付される在留資格です。

このビザを持つことで、大学・専門学校・日本語学校などで学ぶことが可能になります。入国管理局(出入国在留管理庁)の定義では、次のように定められています。

「本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動」(出入国在留管理庁「在留資格一覧」より)
参考: 出入国在留管理庁|在留資格一覧


2.夜間学校でも留学ビザは取得できる?

結論から言えば、夜間学校であっても一定の条件を満たせば留学ビザの取得は可能です。

ただし、すべての夜間コースが対象になるわけではありません。
文部科学省が認可した正式な教育機関であり、かつ**「教育を受けることを主たる目的」として入学すること**が必要です。

2−1.夜間コースでも留学ビザが許可される代表例

以下のようなケースでは、実際に留学ビザが認められています。

教育機関留学ビザ対象の可否備考
夜間制の大学大学は日中・夜間問わず対象
夜間制の専門学校学校による(届出済み校のみ)
夜間制の日本語学校×原則として不可(昼間課程のみ対象)

特に注意すべきは日本語学校です。出入国在留管理庁の基準では、授業が主に夜間(午後7時以降)に行われる日本語学校は、留学ビザの対象外とされています。
これは、「本来の目的が就労ではなく学習であるか」を厳格に審査するためです。


3.夜間学校で留学ビザが取れない理由

夜間コースが認められにくいのは、**留学ビザの本質が「学業を主とした在留活動」**であるためです。
夜間学校の場合、昼間に仕事をして夜に授業を受けるケースが多く、
「勉強よりも就労が主目的なのでは?」と判断されることがあります。

審査で不許可になりやすいケース

  • 昼間にフルタイムで働く予定を申告している
  • 授業時間が週20時間未満
  • 学費支払い能力の証明が不十分
  • 日本語学習歴がない

これらに該当すると、「学業を主目的としていない」として不許可になることがあります。


4.夜間コースで留学ビザを取得するための条件

夜間学校であっても、次の条件を満たしていれば許可される可能性があります。

4−1.正式な教育機関であること

文部科学省または都道府県知事から設置認可を受けている学校であることが必要です。
たとえば、夜間制の大学・専門学校はこれに該当します。

一方で、私塾やカルチャースクール、無認可の語学スクールでは留学ビザは認められません。

4−2.授業時間とカリキュラムが基準を満たしていること

授業が週20時間以上行われている必要があります。
(これは出入国在留管理庁が定める「教育を受ける活動」としての最低基準です。)

4−3.生活費・学費の支弁能力

学費や生活費を十分に賄える資金計画を示す必要があります。
特に夜間コースは昼間働くことを前提とするケースが多いですが、フルタイム労働は不可です。
アルバイトを行う場合は、別途「資格外活動許可」が必要です。

4−4.学習目的が明確であること

「なぜ夜間コースを選んだのか」を明確に説明できることも重要です。
たとえば以下のような理由が妥当とされます。

  • 日本で専門スキルを学びたいが、昼間にインターンシップ経験を積みたい
  • 夜間制の大学で社会人経験を生かした専攻を選びたい

5.夜間学校留学の申請時に必要な書類

夜間学校で留学ビザを申請する際には、通常の留学ビザ申請と同様の書類に加えて、
「学習目的」や「生活計画」が重視されます。

主な提出書類は以下の通りです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 入学許可証(学校発行)
  • カリキュラムおよび授業時間表
  • 経費支弁書・残高証明書
  • 学習理由書(なぜ夜間コースを選んだのか)
  • 日本語学習歴を証明する書類

6.許可を得やすくするポイント

6−1.昼間の活動内容を明確に

「昼間に何をしているのか?」は審査の重要ポイントです。
昼間はフルタイムで働くのではなく、自主学習や研究活動、インターンシップなどを計画している旨を説明すると良いでしょう。

6−2.日本語力を証明する

N5〜N2レベルの日本語能力試験(JLPT)合格証があると、
「学業を継続できる能力がある」としてプラスに評価されます。

6−3.信頼性の高い学校を選ぶ

過去に不法就労や在籍率の問題で指摘を受けた学校は、審査でマイナス評価になります。
文部科学省の「日本語教育機関一覧」や「専門学校一覧」で確認しておきましょう。


7.夜間コースから他の在留資格への変更は可能?

夜間制の専門学校や大学を卒業した後、
「技術・人文知識・国際業務ビザ」や「特定技能」などの就労ビザに変更することも可能です。

ただし、学習内容と就職先の業務内容が関連している必要があります。
関連性が不十分な場合、就労ビザへの変更は難しくなります。


8.よくある質問(Q&A)

Q1.夜間の日本語学校で学びたい場合、留学ビザは絶対に取れませんか?
A:はい。原則として、夜間授業中心の日本語学校では留学ビザは認められません。昼間課程への入学が必要です。

Q2.昼間働きながら夜間大学に通うことは可能ですか?
A:資格外活動許可を得れば、週28時間以内のアルバイトが可能です。ただし「学業が主」であることが条件です。

Q3.夜間制大学院(社会人向けMBAなど)でも留学ビザは出ますか?
A:大学院の場合、夜間でも教育活動として認められるため、留学ビザが交付されます。


9.まとめ:夜間学校での留学ビザ取得は「可能だが条件付き」

夜間学校であっても、教育内容・学習目的・生活計画が明確であれば留学ビザの取得は可能です。
ただし、

  • 日本語学校の夜間課程は不可
  • 学業が主目的であることの証明が必要
  • 経費支弁能力が審査される
    という点に注意が必要です。

夜間コースでの留学を検討している方は、まず学校が留学ビザ申請対象校かどうかを確認し、
在留資格認定証明書の申請前に専門行政書士へ相談することをおすすめします。


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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
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 明治大学法科大学院修了
「資格」
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