【完全ガイド】永住申請が不許可になった場合の再申請方法と注意点
~不許可理由を正確に把握し、次の申請で確実に許可を得るために~
目次
1.永住申請はなぜ不許可になるのか?
永住許可申請は、入管が厳しく審査する手続きです。
許可率は申請内容によって大きく変動し、形式的に書類を揃えただけでは認められないことも珍しくありません。
主な不許可理由は次の通りです:
| 不許可理由 | 内容の概要 |
|---|---|
| ① 生計要件の不備 | 年収が安定していない、または所得が基準未満(例:300万円前後) |
| ② 納税・社会保険の未納 | 住民税・国民年金・健康保険料の未納または滞納 |
| ③ 素行要件の不備 | 違反歴、交通違反の多さ、虚偽申請など |
| ④ 在留期間の不足 | 10年未満、配偶者ビザ3年未満など要件を満たしていない |
| ⑤ 書類の不備 | 提出書類の誤りや説明不足、整合性の欠如 |
特に多いのが「納税未納・年収不足」と「理由書の説得力不足」です。
2.不許可通知を受け取った後にすべきこと
不許可になったからといって、すぐに再申請しても許可されるわけではありません。
まずは、不許可の理由を正確に知ることが最優先です。
不許可通知書の確認
入管から届く「結果通知書」には、結果欄に「不許可」と記載されています。
この書面自体には理由は書かれていませんが、入管窓口で本人または代理人が理由説明を受けることができます。
重要
「理由説明」を受けられるのは、原則として申請本人または申請取次行政書士のみです。
3.不許可理由の確認方法とその見方
(1)理由説明の申し出方法
不許可通知を受け取った後、管轄の入管へ電話予約を行い、説明日を指定してもらいます。
窓口で職員から口頭で説明を受け、必要に応じてメモを取ることが可能です。
(2)説明で確認すべきポイント
- どの要件を満たしていないのか(例:生計・納税・素行)
- 修正または改善が必要な期間(例:1年分の納税履行など)
- 再申請のタイミング目安
- 追加で求められる可能性がある書類
説明を受ける際は、感情的にならず、冷静に情報を整理することが大切です。
4.再申請までに改善すべきポイント
不許可理由が明確になったら、再申請前にしっかりと改善期間を設けましょう。
主な改善ポイント
| 不許可理由 | 改善のための具体的行動 |
|---|---|
| 納税未納 | 未納分をすべて納付し、直近5年間は未納滞納がない状態にする |
| 年収不足 | 転職・昇給・副業等により安定収入を確保 |
| 年金未納 | 未納分を納付し、直近5年間は未納滞納がない状態にする |
| 交通違反 | 一定期間違反なしを継続(目安:1年程度) |
| 書類不備 | 専門家に確認して理由書を再構成 |
【専門家の視点】
再申請では、「前回の問題をどのように改善したか」を具体的な証拠で示すことが重要です。
たとえば、源泉徴収票や課税証明書を添えて、収入の安定を証明するなど、客観的資料が鍵になります。
5.再申請のタイミングはいつがベストか?
再申請は、「不許可後すぐ」よりも「改善を終えてから」が鉄則です。
一般的な目安:
- 生計・納税関係の不備:1年後~5年後
- 素行・在留年数関係:1年以上経過後
- 書類不備のみの場合:即再申請も可(ただし修正が十分であることが前提)
同じ内容で短期間に再申請しても、「前回と同じ判断」で再び不許可となることが多いです。
6.行政書士に相談するメリット
不許可理由を正確に分析し、改善方針を立てるには専門知識が必要です。
行政書士(入管取次資格者)に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
メリット一覧
- 入管とのやり取りや理由説明の同席が可能
- 不許可理由に基づいた「再申請戦略」を提案
- 書類作成・理由書作成のプロがサポート
- 最新の入管運用傾向を踏まえた申請内容に最適化
ポイント
不許可から許可を得た再申請事例は多数あります。重要なのは、**「どの要件を、どの期間で改善するか」**を明確にすることです。
7.再申請時に提出すべき追加書類の例
再申請の際は、前回提出した書類に加えて、次のような改善証拠資料を添付します。
- 納税証明書(完納を証明)
- 国民年金・健康保険の納付証明書
- 最新の源泉徴収票・確定申告書
- 住民税課税証明書(最新年度分)
- 勤務先の在職証明書
- 理由書(改善経過を詳細に説明)
理由書は「前回の不許可理由をどのように解消したか」を中心に書くことが重要です。
8.よくある質問(Q&A)
Q1:不許可になっても再申請は何回でもできますか?
→ はい、回数制限はありません。ただし、同じ内容で繰り返すのは無意味です。改善がない場合は再度不許可となります。
Q2:再申請までどのくらい待つべきですか?
→ 不許可理由によりますが、1年程度が一般的です。改善が早い場合は3か月程度での再申請も可能です。
Q3:不許可理由の説明でメモを取ってもいいですか?
→ 可能です。職員の発言内容を正確に記録し、次回申請の参考にしましょう。
Q4:再申請は自分でできますか?
→ 可能ですが、再申請はより厳しく見られます。専門家が添削した理由書を添えることを強くおすすめします。
Q5:不許可のまま在留期限が近づいたら?
→ 在留資格の更新を優先し、永住は後で再チャレンジするのが安全です。
9.まとめ:不許可でもあきらめず、確実に再チャレンジを
永住申請の不許可は、**「終わり」ではなく「改善のチャンス」**です。
入管は「要件を満たせば許可する」という明確な審査方針を持っています。
不許可理由を正確に把握し、改善内容を証明すれば、再申請で許可されるケースは少なくありません。
焦らず、次の申請に向けて準備を整えましょう。
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| 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
