【フランス人との国際結婚】日本とフランスでの婚姻手続き・必要書類・在留資格まで徹底解説

フランス人と日本人の国際結婚をお考えの方へ。日本・フランス両国での婚姻手続き、必要書類、婚姻届受理証明、在留資格「日本人の配偶者等」の取得方法まで行政書士が詳しく解説。文化・法律の違いを理解し、スムーズな結婚手続きを実現しましょう。


はじめに:フランス人との国際結婚には「二国間の理解」が不可欠

国際結婚は、愛だけでなく法律・文化・行政の壁を乗り越える手続きです。
特に「日本人とフランス人」の組み合わせは、双方の婚姻制度が異なるため、慎重な準備が求められます。

日本では婚姻届を市区町村に提出することで婚姻が成立しますが、フランスでは婚姻能力証明や婚姻公告など、独自の手続きが必要です。
また、婚姻後に日本で暮らすのか、フランスで暮らすのかによって、必要書類や在留資格の種類も大きく変わります。


フランス人との結婚手続きの基本的な流れ(日本国内で婚姻する場合)

1.日本で婚姻届を提出する

日本でフランス人と結婚する場合は、まず市区町村役場に婚姻届を提出します。
このとき、両国の書類を整えることが必要です。

(1)日本人側の必要書類

  • 戸籍謄本(本籍地以外で届出する場合)
  • 身分証明書(マイナンバーカードなど)

(2)フランス人側の必要書類

  • パスポート
  • 婚姻要件具備証明書(Certificat de Capacité à Mariage)
    ※フランス大使館・領事館で取得できます。
  • 独身証明書(Attestation de Célibat)
  • 出生証明書(Copie Intégrale d’Acte de Naissance)
     → 日本語翻訳と公証が必要な場合があります。

婚姻届には2名の証人が必要で、署名・押印が求められます。


2.婚姻届受理証明書の取得

婚姻届が受理されると、日本法上の婚姻が成立します。
この段階で「婚姻届受理証明書」を取得しておきましょう。
フランス側で婚姻登録を行う際や、在留資格申請時に必要です。


3.フランス側での婚姻登録

日本で婚姻した場合でも、フランスで法的に認められるためには「婚姻登録」の手続きが必要です。
これは、在日フランス大使館またはフランス国内の市役所に申請します。

提出書類の例:

  • 婚姻届受理証明書(日本語原本+フランス語翻訳)
  • 日本人配偶者の出生証明書
  • フランス人配偶者の戸籍関係書類
  • パスポート写し など

登録が完了すると、フランス法上でも正式な婚姻関係として認められます。
これを行わないと、フランスでの税制・相続・滞在資格の上で不利益が生じる場合があります。


フランスで婚姻手続きを行う場合の流れ

1.婚姻能力証明書(Certificat de Capacité à Mariage)の申請

在日フランス大使館や領事館に申請し、婚姻公告(Publication des Bans)が実施されます。
この公告期間は約10日間で、異議がなければ婚姻許可が下ります。

2.フランス市役所(Mairie)で婚姻式を実施

公告終了後、Mairieで婚姻が行われ、婚姻証明書(Acte de Mariage)が発行されます。

3.日本側への婚姻届提出

発行された婚姻証明書を日本語に翻訳し、日本大使館または日本国内の市区町村に婚姻届を提出します。
これにより、日本でも婚姻が有効となります。


婚姻後の在留資格:「日本人の配偶者等」

フランス人配偶者と日本で生活する場合、在留資格「日本人の配偶者等」を取得する必要があります。
入管法に基づく申請書類の提出先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局です。

主な必要書類

  • 婚姻届受理証明書または婚姻証明書
  • 日本人配偶者の戸籍謄本
  • 住民票(同居確認)
  • 収入証明書(課税証明書・源泉徴収票など)
  • フランス人配偶者のパスポート・写真
  • 申請理由書(結婚の経緯・生活実態など)

フランスで暮らす場合:配偶者滞在許可と市民権への道

フランスで生活する場合は、結婚後に「長期滞在ビザ(VLS-TS)」または「配偶者滞在許可(Titre de Séjour)」を取得します。
一定年数の共同生活を経て、市民権(フランス国籍)を申請することも可能です。


婚姻手続きの注意点とよくある落とし穴

  1. 書類の有効期限
     フランスの出生証明書などは「発行から3ヶ月以内」の提出を求められる場合があります。
  2. 翻訳・認証の不備
     アポスティーユ(Apostille)または公証を忘れると書類が無効になることも。
  3. フランス側登録の遅延
     日本で結婚後にフランス側登録を行わないと、税制・社会保障・戸籍関係で支障が生じる可能性。
  4. 姓の扱い
     日本では婚姻しても自動的に姓は変わりません。

よくある質問(Q&A)

Q1. 日本で結婚すればフランスでも自動的に認められますか?

→ いいえ。フランスでは「Transcription(婚姻登録)」を行わなければ法的に認められません。必ず在日フランス大使館またはフランス国内市役所で登録を行いましょう。

Q2. フランス人配偶者の在留資格はどのくらいで取れますか?

→ 一般的に審査期間は約1〜3ヶ月です。婚姻の信ぴょう性、共同生活、経済基盤が重要な判断要素になります。

Q3. 書類は全てフランス語で提出できますか?

→ 日本での提出は日本語翻訳が必須です。翻訳は自分で行っても構いませんが、正確性のため専門家による翻訳を推奨します。


まとめ:計画的な準備でスムーズな国際結婚を

フランス人との国際結婚は、書類面・文化面・行政面いずれも準備が不可欠です。
日本とフランス、どちらの国で婚姻するのか、どこに住むのかによって手続き内容は大きく変わります。

手続き成功のポイント

  1. 婚姻予定国の制度を事前に調査
  2. 両国の必要書類・翻訳・公証を早めに準備
  3. 婚姻後の在留資格・移住ビザを見据えて計画的に進める

正確な手続きを行うことで、法的にも安定した国際結婚生活を築くことができます。
不明点や複雑なケースがある場合は、入管専門の行政書士や専門機関への相談をおすすめします。


関連記事

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法