外国人留学生の採用手順と注意点|企業が知っておくべきポイントを徹底解説

日本国内の人材不足が深刻化する中、外国人留学生の採用が注目されています。しかし、採用にあたっては在留資格の確認や手続きなど、通常の日本人採用とは異なるポイントも多くあります。この記事では、外国人留学生を採用する手順と注意点をわかりやすく解説し、リスクを回避しながら優秀な人材を確保する方法をご紹介します。


1. 外国人留学生を採用するメリットとは?

外国人留学生は、以下のようなメリットを企業にもたらします。

  • 多言語対応が可能(特に英語・中国語など)
  • 異文化理解が深いため、グローバル展開に貢献
  • 日本語力が高い留学生も多く、日本での生活に慣れている
  • 優秀な理系人材やITエンジニア候補も多い

近年では、外国人留学生を即戦力として採用する企業も増えています。


2. 外国人留学生を採用する基本的な流れ

  1. 求人の準備と公開
    • 留学生向け就職サイト(例:リュウカツ、JOB HUB)を活用
  2. 面接・選考
    • 日本語力(JLPT N1〜N2)や専門スキルを確認
  3. 内定通知
    • 内定後、在留資格変更の準備に入る
  4. 在留資格変更申請
  5. 入社・雇用開始

3. 採用時の注意点とよくある失敗

✅ 注意点

  • アルバイトではなく正社員として採用する場合、在留資格の変更が必要
  • 仕事内容が在留資格に合っていないと不許可になる
  • 卒業前に採用手続きを進める必要がある(卒業後は就労可能な在留資格が必要)

❌ よくある失敗

  • 「通訳」業務で雇用予定だったが、単なる接客業務しかなかった → 不許可
  • 書類不備で在留資格変更申請が遅延 → 入社日に間に合わない

4. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは?

多くの外国人留学生が変更する在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。この在留資格では、以下のような業務が可能です:

  • システムエンジニア、プログラマー
  • マーケティング、経理、人事
  • 翻訳・通訳、貿易業務

※在留資格の詳細については、出入国在留管理庁の公式サイトもご参照ください。


5. 内定後の手続き(在留資格変更申請)

必要書類(主なもの):

  • 在留資格変更許可申請書
  • 卒業証明書・成績証明書(または見込み証明)
  • 雇用契約書
  • 会社概要・業務内容説明書
  • 登記事項証明書(法人の場合)

詳しくは当サイトの解説記事:技術・人文知識・国際業務ビザの全体概要をご覧ください。


6. 外国人雇用に必要な届出義務

外国人を雇用した場合、企業はハローワークへの届出が義務付けられています。

  • 「外国人雇用状況の届出」→ 入社・退職の都度、14日以内に届け出る必要があります。
  • 厚生労働省公式ページ:外国人雇用状況の届出等

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 留学生のまま正社員として働けますか?

A. できません。正社員として就労するには、「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更が必要です。

Q2. 採用後、すぐに働かせることはできますか?

A. 在留資格の変更許可が下りるまでは、フルタイム勤務はできません。許可が出るまでの間は、アルバイト(週28時間以内)としての就労が可能です。


8. まとめ|外国人留学生採用は正しい手順と理解が不可欠

外国人留学生の採用は、日本人採用よりも慎重な対応が求められます。適切な在留資格の取得法的手続きの順守が前提となりますが、それをクリアすれば企業にとってグローバルな人材を確保する大きなチャンスです。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法