ALTが転職時に注意すべきビザ変更ポイント:スムーズな手続きで新しいキャリアを!

1. 転職先の職種と必要なビザの種類を確認する

ALTの皆さんの多くは、現在「教育」の在留資格(ビザ)をお持ちかと思います。転職先が再び学校でのALT業務であれば、基本的には同じ「教育」ビザのままで問題ありません。しかし、企業での語学教師、翻訳・通訳、IT関連など、全く異なる職種に転職する場合は、それに合った在留資格への変更が必要になります。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 企業での語学教師、国際業務担当など: 「人文知識・国際業務」ビザ
  • ITエンジニア、デザイナーなど: 「技術・人文知識・国際業務」ビザ(専門分野による)
  • 飲食店経営、個人事業主など: 「経営・管理」ビザ(特定の要件を満たす場合)

【重要ポイント】 転職活動を始める前に、必ず転職先の企業・団体と、その職種に必要な在留資格について確認しましょう。企業側も外国籍の従業員を雇用する経験がない場合、ビザに関する知識が不足している可能性があります。

2. 在留期間更新許可申請と在留資格変更許可申請

転職に伴い、ビザの申請手続きは大きく分けて2つのパターンがあります。

  1. 在留期間更新許可申請: 現在の「教育」ビザのまま、ALTとして別の学校に転職する場合など、在留資格の種類に変更がないケースです。現在のビザの有効期限が迫っている場合は、転職先からの内定が出次第、速やかに手続きを進める必要があります。
  2. 在留資格変更許可申請: ALTから企業への転職など、在留資格の種類が変わるケースです。この場合、現在の「教育」ビザを新しい職種に対応するビザ(例:「人文知識・国際業務」ビザ)に切り替える手続きが必要になります。

【注意点】 在留資格変更許可申請は、現在のビザが有効な期間中に申請する必要があります。申請から許可まで時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

3. 転職活動中のビザの扱いと退職のタイミング

  • 転職活動中: 基本的に現在の「教育」ビザのまま転職活動を行って問題ありません。
  • 内定後: 内定が出たら、速やかに転職先とビザ変更の要否、および必要書類について話し合いましょう。
  • 退職のタイミング: 新しいビザの取得は、内定後、現在の雇用契約が終了する前に完了することが理想です。しかし、ビザの手続きには時間がかかるため、現在の雇用契約が終了した後に新しいビザが取得されるケースも少なくありません。その場合、現在のビザの有効期間が切れないよう、注意が必要です。

【ポイント】 現在のビザの有効期限が迫っている場合は、特定活動ビザへの変更も検討できる場合があります。これは、転職活動期間中に合法的に日本に滞在し続けるためのものです。ただし、特定の条件を満たす必要があるため、必ず事前に出入国在留管理庁に相談しましょう。

4. 提出書類と必要事項

ビザの種類や個人の状況によって提出書類は異なりますが、一般的には以下の書類が必要となります。

  • 在留資格変更許可申請書 または 在留期間更新許可申請書
  • パスポート、在留カード
  • 証明写真
  • 履歴書、職務経歴書
  • 転職先の企業からの雇用契約書、労働条件通知書
  • 転職先の企業の登記簿謄本、会社案内、決算書
  • (学歴・職歴を証明する書類)
  • (納税証明書、課税証明書)

【重要】 これらの書類以外にも、個別のケースに応じて追加書類を求められることがあります。必ず出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の情報を確認するか、専門家(行政書士など)に相談することをおすすめします。

5. 行政書士などの専門家への相談

ビザの申請手続きは複雑で、書類の準備や入管とのやり取りに時間と労力がかかります。特に、ビザの種類が変わる場合は、専門的な知識が求められます。

  • メリット:
    • 書類準備のサポート
    • 申請手続きの代行
    • 適切なアドバイス
    • 不許可リスクの軽減
  • デメリット:
    • 費用が発生する

ご自身の状況や不安な点に合わせて、行政書士などの専門家への相談を検討することも一つの方法です。

6. ビザ申請中の活動制限と今後の注意点

ビザの申請中は、基本的に現在の在留資格で許可されている活動範囲内でのみ活動が認められます。

  • 在留資格変更許可申請中: 現在の「教育」ビザのまま、申請結果を待つことになります。新しい職場での勤務開始は、原則として新しいビザが許可されてからとなります。ただし、例外的に、申請中に転職先で働き始めることが許可されるケースもあります(「資格外活動許可」とは異なります)。これは、入管の判断によるため、安易に自己判断せず、必ず入管に確認が必要です。
  • 再入国許可: 申請中に一時帰国などを予定している場合は、再入国許可が必要になることがあります。特に、みなし再入国許可での出国を考えている場合は、出国のタイミングに注意が必要です。ビザ変更申請中にみなし再入国許可で出国すると、申請が取り下げられてしまう可能性があります。

まとめ:計画的な準備と情報収集がカギ

ALTから他職種への転職は、キャリアアップの大きなチャンスです。しかし、ビザの変更は、そのプロセスにおいて非常に重要な要素となります。

  • 早期の情報収集: 転職先の職種に必要なビザの種類を早めに確認しましょう。
  • 計画的なスケジュール: ビザ申請には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
  • 正確な書類準備: 必要書類を漏れなく、正確に準備することが重要です。
  • 困ったら専門家へ相談: 不安な点があれば、迷わず行政書士などの専門家や、最寄りの出入国在留管理庁に相談しましょう。

この記事が、ALTの皆さんのスムーズな転職と、日本での新しいキャリア形成の一助となれば幸いです。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法